僕が、同じ時代を生きた起業家の中で、スティーブ・ジョブズを最も尊敬する理由は、彼が幼少期に「愛を失った」経験があるから

シリコンバレーを代表する起業家といえば、アップルを創業し、iPhoneを世に送り出したスティーブ・ジョブズ以外にも、イーロン・マスク、ジャック・ドージー、マーク・ザッカーバーグなどなど素晴らしい起業家がたくさんいるのですが、僕の起業家としての精神哲学においては、スティーブ・ジョブズがもっとも影響を与えた起業家です。そして、そこには、普通の人が目に行かないであろう決定的な理由があります。それは、「大きな愛を失った世界で幼少期を過ごしたことがある」からです。

「本当の親に見捨てられた」という精神的な苦しみの深さ

これは、尋常ではないものがあります。彼の本当の両親は、ジョブズが生まれることを望んでいませんでした。だから、養子に出すことにした。幸い、ジョブズを養子として受け入れてくれたスティーブ夫妻は大変愛情深い夫婦であったのですが、自分の本当の親に「自分はいらない」という判断をされたジョブズの精神的な苦しみは、尋常ならざるものであったと思います。なので、よく記者や彼と仕事をした人物の中で、彼のことを精神的な異常者というような書き方をする人がいるのですが、そのような人物は、彼の過去の苦しみを全く理解しようとしない極めて無神経な人物だと、つくづく思います。

彼は、そのような強烈な不幸を乗り越えて、今のブロックチェーンの礎となる、パーソナル・コンピュータを世に送りだし、アップルを世界最高の企業に育て上げ、僕らの文明社会を前に進めてくれた。僕は、彼の言葉には、他の起業家とは比べ物にならないほどの「重みと深さ」を感じます。非常に本質的であり、心の琴線に触れる力がある。それは、彼がこの幼少期のころに受けた、壮絶な苦しみを乗り越え、さらに起業家として、人類を前に進めてきたからに他ならないと考えている。つまり、輪廻転生の世界において、ジョブズの魂は、人とは桁外れの物を背負って生まれてきたといことです。「神の見えざる手」ですね。

イーロン・マスクも近いのだが、彼には、「兄弟愛」が与えられていた

イーロン・マスクも、壮絶な過去を持っています。彼は、もともとアメリカ人ではありません。高校卒業ぐらいまで南アフリカで生まれ育った。まだ、黒人差別の残る南アフリカで。そして、彼の場合も、家庭に問題があり、父親のエロールが精神的に狂った人物であった。その典型的なエピソードは、エロール氏は、自分と前妻との間にいた娘(つまり、エロール氏と血縁関係はない)と結婚して、息子まで生んでいるのですね。この事実は、2018年3月のことですから、最近ですが、そういうことをする父親ということは、イーロンが幼少の頃にも、相当、色々な精神的な苦痛をイーロンに与えたことは間違いないでしょう。一事が万事と言う奴です。

だから、イーロンは、もともとカナダ人だった母親の伝を頼って、まずはカナダに渡り、そこで、経済的に苦しい生活を色々と耐えて、アメリカの大学に編入、そこで、アメリカで、テック起業家としての道を歩んでいく。

しかし、僕は、ジョブズ以上には、イーロンに共感できないのは、彼には、このカナダ移住計画から、SpaceXやテスラ、ソーラーシティに至るまで全ての人生をイーロンと共に歩んできた弟がいるからです。キンバル氏は、あまり日本では知られていませんが、アメリカではよく知られた起業家の一人で、兄のイーロンと違って、あまりメディア活動を行わないので表に出てくることはないのですが、イーロンをずっと影で支えてきた人物です。兄のよき相談役でもあり、常に二人で苦難を乗り越えてきた。

ここが、ジョブズとの違いなのですね。ジョブズは、一人っ子でしたから、全ての苦しみを一人で抱え込みました。本当の両親には、実の妹がいましたが、彼が彼女と再会したのは、ジョブズが、Appleを失脚した後、30才のころです。

孫正義さんも朝鮮人として壮絶ないじめを受けたが、家庭には愛があった

それと同じような視点で、日本の同じ時代を生きている起業家を見ていると、真っ先に思い当たるのは、孫正義さんですね。当然で、彼は日本人ではなく、朝鮮人だからです。僕は、小学校時代に、日本が、太平洋戦争時代に、強制労働者として連れてきた朝鮮人の人が多く住む大阪で過ごした時期があり、そのときに、学校の授業で、朝鮮人に対する日本人の壮絶なイジメについての授業を受けました。大阪には、朝鮮人学校があり、当然、彼らは自分たちの文化のルーツを守るため、チマチョボリという伝統的な衣装を制服にしているのですが、その制服をきている女学生がいると、チマチョボリをハサミで切り刻んでレイプをするという事件があり、僕はそれを授業で教わりました。

孫さんの出身である北九州も歴史的に朝鮮との交流が長いため、朝鮮人の人が多く住んでいる地域です。また、ヤクザの多くは、元は同和と朝鮮系の人が多いです。同和とは、日本が江戸時代に作った、エタやヒニンなど被差別部落の出身者、要するに人工的に作り上げた差別階級の出身者です。ヤクザは、元のルーツは、関ヶ原に破れ、その後、藩への士官がかなわかった浪人勢が、良からぬ商売をやっている商人の用心棒になるなどして作り上げられて行った勢力です。だから、直参や親子・兄弟の契りと言った武士の慣習を組織管理に取り入れているのですね。しかし、時代と共にその人員構成は代わり、今のヤクザの多くは、日本社会が、「差別してきた人々」です。だから、ヤクザは、一般的な商売ができないのですよ。そもそも、日本社会が、彼らを差別して、一般的な商売の世界から除外したから、裏稼業や芸能界など、リスクの高い事業を糧に生きて行くしかなかったということ。

孫さんの実家が、パチンコ業をやっているのですが、それもその1つですね。パチンコ業の多くが、朝鮮人コミュニティによって経営されていることはよく知られていることです。ギャンブルですから、決して、胸を張って誇れる商売というわけではない。しかし、日本人が朝鮮人を社会的に差別して、まともな職業につかせようとしないから、彼らは生きるためにそうした。

孫さんは、朝鮮人であることが背景で、幼少のころに大変なイジメを受けたことを語っています。これがどれほどのものだったかは、僕も、大阪の人々の朝鮮人に対する差別の壮絶さを授業で習った経験があるから、よくわかっています。しかし、ジョブズに比べて恵まれているのは、別に養子に出された訳でもなく、彼の家庭は彼を守ってくれる存在であった。彼のことを暖かく迎え入れてくれる本当の両親の家庭があったと言うことです。父親は子供のころから、彼に経営に関わらせることで、1つの英才教育を施した。

僕は、日本の同じ時代を生きている経営者で、尊敬できる人が全くいない理由はそこにあります。最近、ZOZOをヤフーに売却した前澤さんなどもそうですが、子供の頃が明らかに恵まれているのですね。子供のときに受けた「愛のない世界」という子供にとってはもっとも辛い精神的なトラウマを乗り越え、かつ、世界を一歩前に進めた起業家にこそ、僕は共感を覚えます。それは、僕自身、彼らと重なる過去があるからです。

僕も、「愛のない世界」を経験したことがあるからこそ、ジョブズに心の底からの共感を覚える

以前、別のブログでも触れていますが、僕の、父親は、京大法学部を卒業し、国土交通省(旧建設省)に入省、その後、国費留学生としてハーバード大学のケネディスクールでMPAを一年で修了、その後、MITで経済学を学び、戻ってきてからは、戦後の高度成長を日本最高のエリート官僚として生きた人物です。「昭和」のがん細胞ですね。笑 母親も津田塾大学英文科を卒業し、実家は裕福な元実業家の家庭。僕は、両親から常に「有名大学、大企業、終身雇用」の教育方針で、この道から外れた人生は、「クズ同然」という教育を母親から受けていました。

しかし、僕の心の底の本心は「自由人」にあった。なので、当然、言うことを聞かず、母親と対立すると、父親は、問答無用で鉄拳制裁と言う家庭でした。中学のころに、茨城のど田舎の公立中学に、歌舞伎役者(笑)のような顔立ちの奴が転校したものだから、地元の不良グループから壮絶なイジメを受け、カツアゲを受けた。金がないから、親の金を財布から盗んで金を渡していたが、それが親にバレて、また全身アザだらけの鉄拳制裁、しかし、イジメの事実を暴露すると学校中からイジメを受けるリスクもあったから言えずに、家で毎日家庭内暴力、学校でイジメが二年続いた経験がある。僕は最後、これを自力で決着をつけました。

ただ、ジョブズほど辛かったとは思わないのですが、それでも、彼と近しい「愛のない世界」を経験したことがあると言うことで、僕は、ジョブズに起業家としてもっとも共感を覚えます。彼は、最後、車椅子生活になるまで、アップルの経営に関わりました。最後の取締役会の席で、「もう、これ以上、アップルの経営に関わるのは厳しい状況になった。後は頼む」と言うことを語ったとき、取締役の多くが涙を流したというエピソードは有名な話です。僕が、シリコンバレーでベンチャーをやっていた時代に、唯一、家に行ったことがあるのはジョブズだけです。家の前で、手を合わせて「貴方と共に、同じ起業家という職業で、時代を共有できたことに深く感謝します。貴方の遺志を継いで、少しでもより世の中を作って行きたいと思います」と誓ったことを今でも覚えています。

「愛のない世界の苦しみ」を味わったものが、世界を愛で満たすため、自らの命を賭して、世界に新たな愛の和を作り出し、そして、結果を残している。僕はそういう起業家にこそ共感を覚えます。なぜなら、世の中の子供の中で、ジョブズのような幼少期を経験した子は、いまだに先進国に何百万人もいるのであり、新興国に至っては、腕を切られて観光客に物乞いをさせられたり、麻薬漬けで兵隊として訓練させられ殺人を繰り返すものが、何千万もいる。その多くは、その精神的な苦痛のトラウマから抜け出すことができず、人生を終えている、そして、そのような大人の多くが、子供を持ったとき、その子供に自分が受けた同じ心の傷を再び押し付け、社会から負の連鎖が終わることがない。そのような世界は、まさに生き地獄と呼べるものです。だから、その負の連鎖を断つことに、僕は、命をかけている。それが、僕の輪廻転生であるから。

最後に、僕が彼のことを語るより、彼自身の言葉から、「愛のない世界」を乗り越えて、新たな愛の世界を作ると言うことがどう言うことなのか?を理解してもらった方がよいと思いので、この動画をリンクをはっておきます。

 

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