僕のEOS(イオス)の投資評価についてまとめ

EOSとは?

メジャーなBaaSプロジェクトの一つです。運営母体は、Block.oneです。2017年に約4,000億円の巨大ICOを実行したことでよく知られています。現時点のEOSの価格は、ICOした時点の時価総額を下回っている状態ですね。

EOSの特徴は、イーサリウムに対して後発組に相当するので、イーサリウムがまだ未解決の問題を色々と視野に入れている点が特徴です。まず、一つ目は、初期段階からPoS型のBaaSであることです。イーサリウムは現時点では、まだPoWベースです。2020年1月をターゲットにPoS型への切り替えを進めています。その点は、「こちらの記事」を参考にしてください。この場合、最大の難点は、環境に優しくないことです。PoWは、PoSに比べて電気代がより多くかかってしまう傾向にあるからですね。詳しく理解したい人は、PoSとPoWについて比較した「こちらの記事」を参考にしてください。PoSのモデルは、COSMOSと同じ、DPoSです。詳しくは、COSMOSに関してまとめた「こちらの記事」を参考にしてください。

もう一つは、EOSIOで、これは僕もBaaSの超長期の課題として常に指摘していますが、現時点のBaaSの大半は、AWSやGoogle Cloudと比較した場合、トランザクションシステムの領域しかまだサポートできていません。以下がその点の概要を説明したものです。

AWSやGoogle Cloudに完全に取って変わるような非中央集権型Cloudにまで、今のBaaSが発展するためには、トランザクション処理されたデータを蓄えるストレージ機能とそれをビックデータ活用するためのアナラティクス機能までカバーしなければ同格レベルには達しません。しかし、イーサリウム含めた先発のBaaSは、現時点ではまだ、ここまでは拡張できていません。EOSはそこまでサポートすることを視野に入れたBaaSです。

それらの特徴を踏まえて、以下のBaaSプロジェクトのランキングを見て見ると、イーサリウムと比較した場合の色々な示唆が得られます。

URL: https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1189374.html

まず、イーサリウムは、このブロックチェーン産業に働く、1st Mover Advantageが強力に効いています。この点について理解したい人は、「こちらの記事」を参考にしてください。これ自体が、イーサリウムに強力なネットワーク効果を与えており、大半のDappsやブロックチェーンスタートアップは、イーサリウムを使ってトークンを発行・運用します。それが、上のグラフに如実に現れています。オレンジがBaaS自体の時価総額であり、ブルーがBaaS上でトークンを運用しているプロジェクト毎の時価総額の合計です。イーサリウムに強力なモメンタムとネットワーク効果が働いていることがわかります。

BaaS運用のコストに対する不利点を解消しているのはCOSMOSなどのブロックチェーンインターオペラビリティのプロジェクトであり、この点、彼らはイーサリウムとの棲み分けと差別化ができているわけですが、EOSはプロダクト自体が、イーサリウムの直接競合に当たるため、イーサリウムのもつ強力な1st Mover Advantageと直接対決していかなくてはなりません。

この点が、彼らのプロジェクト上、最大の課題になってきます。

トークンエコノミー

イーサリウムと同じインフレ型です。

戦略

先に述べたイーサリウムがもつ1st Mover Advantageにどう対抗するかのプロダクト戦略、事業戦略がカギです。TRONなどは、この点、なかなか賢く動いており、自社でキラーアプリやキラーカテゴリを具体的に開拓していく垂直統合戦略を着実に実行し、イーサリウムとの棲み分けを具体的に実現しつつあります。その点は、「こちらの記事」にまとめています。

一方、EOSの場合、まだそのキラーアプリやキラーカテゴリを抑えていく具体的な動きが見られていません。4,000億円という巨大なICOをしたお陰で手元に莫大な現金があるため、これを使って、VCを立ち上げています。要するに、EOSのBaaS利用を前提としたCVCのような投資モデルを展開しようとしているわけですね。チーム人材を見るとよくわかります。それで、イーサリウムに対抗していくことができる。

しかし、まだその投資先から有望なベンチャーが出てきていません。その点が、上のグラフからも読み取れます。つまり、ブルーのエリアがもっと伸びていく必要がある。

チーム

人材は、CEOやCTO含めた経営陣の人脈の伝の多い米バージニア州と香港を拠点にしたアジア市場が中心です。また、ターゲット市場は、創業メンバーや中核メンバーの経験値を踏まえると、ゲームやDeFi市場になることが読み取れます。

Brendan Blumer – CEO – Linkedin

かなり経験豊富なテック系の連続起業家です。まず、ゲーム市場でMMORPGのスタートアップを1社成功させ、その後、香港で、アジア市場の不動産情報のデータシェアリングのサービスを立ち上げ、これは、アジアの大手不動産会社に買収されています。その後、ii5という今度はインド市場向けの同じく不動産市場のデータプラットフォームベンチャーを立ち上げており、この組織メンバーが、Blokck.oneの母体になっていますね。

Andrew Bliss – Co-Founder & COO – Linkedin

アイオワ大学のビジネススクールでMBAを取得し、ii5のCFOをやっていた人物です。

Alexander See – Partner & Co-founder – Linkedin

ii5に投資家として参画しており、Blokck.oneにも出資しています。EOSのVC事業にも関わっています。

Daniel Larimer – CTO – Linkedin

アメリカの名門効果大学の一つであるバージニア工科大学でコンピューターサイエンスを学び、その後、連続起業家としてのキャリアを積んでおり、EOS前で最も知られているのは、トークンエコノミー 版RedditのSteemitの共同創業者でありCTOであった点です。Steemitについては「こちらの記事」にまとめています。ビットコインの黎明期から関わっている起業家の一人です。

Eddie Schwartz – Chief Security Officer – Linkedin

直前が、Penomen Institueというテクノロジートレンド調査を専門にしている独立系リサーチ会社で、長らくフェローをやっていた人物で、破壊的なテクノロジーがもたらす業界や特定企業へのリスク分析などを専門にしており、その分野は、EOSでのタイトルを踏まえるとサイバーセキュリティ関係であったことがわかります。勘の良い人であれば、すぐにわかると思いますが、既存のセキュリティソフトウェアビジネスは、ブロックチューンの普及によってかなり衰退することが明示的にわかっているからですね。

Ted Cahall – EVP Product & Engineering – Linkedin

テックベンチャーのマネジメントのプロです。マイクロソフトのポータルサイトMSNで900名のチームマネジメントも経験し、その後、決済ソリューションを中核にしたEコマースプラットフォームサービスを提供しているNASDAQ上場済みのデジタルリバー社のCOOをやっています。

Greg Lee – VP of Engineering – Linkedin

直前は、バージニア州にあるISIリサーチというR&Dプロジェクト支援を専門にする企業でプロダクトヘッドをやっていました。

Thomas C. Hallgren – Innovation Lab Product Manager – Linkedin

UXデザインのプロです。直前は、UXデザインのコンサルティングサービスを提供するComtech Telecommunications CorpというところでシニアUXデザイナーをやっていました。

Steve Ellis – CFO – Linkedin

彼は香港ベースで、直前は、オーストラリアのシドニーにある大手金融機関であるコモンウェルス銀行で、Executive General Managerをやり、融資や投資判断のチームを率いていました。オペレーションファイナンスの経験が豊富というタイプのCFOです。

Zane Reynolds – Computer Scientist – Linkedin

Amazonで、長年ソフトウェアエンジニアをやっていた人物ですから、分散処理システムについて精通しているとみています。

Dharmesh Vora – Head of Business Development – Linkedin

彼も同じく直前は、コモンウェルス銀行で、APAC市場の事業開発のExecutive Managerをやっており、その前は、シティ銀行で同じくAPAC市場の事業開発と戦略関連のVPをやっていた人物です。

Gavin (Keyi) Wang – VP of EOS Ventures – Linkedin

直前は、UBSでFintech市場などのアナリストチームのアソシエイトディレクターをやっていた人物です。元起業家でもなく、ベンチャー投資の専門家という訳でもありません。EOSのVCファンド管理者が適役でしょう。

Christina Pantin – Head of Communications – Linkedin

彼女も、西バージニア大学出身で、その後、ロイター社の南アジア地域で記者として経験を積んだ後、サムソンのアメリカ支社でPRのVPとなり、その後、独立系の戦略PRコンサルティング会社でマネージングディレクターを経験したのち、直前は、自分で戦略PRの会社を経営していた起業家タイプの人材です。おそらくですが、Blockoneの業務委託から入って、声をかけられフルタイムになったと見ています。キャリアの通り、PRの専門家としては実力はかなりしっかりしているので、EOSのPRが今後改善していくことに期待できると言えるでしょう。

Mary Ellen Branisteanu – Talent Acquisition Lead – Linkedin

直前は、バージニア州にあるロボティック系ベンチャーの採用コーディネーターをやっていた人物です。リクルーティング力は、未知数ですね。

事業の進捗

EOS上にキラーアプリがまだ出てきていないです。

長期の課題

イーサリウムとの差別化+棲み分けをどう作り上げるか?ですね。そこがクリアにならないとICO時点の時価総額まで回復することはかなり難しいと評価しています。

現時点での投資

現時点では、「様子見」です。最大の理由は、以前から伝えているようにBaaS市場自体が過大評価されすぎているというのが僕の評価で、まだそのオーバーバリューが十分解消されたとは判断できないからです。EOSのチーム自体は、経験豊富な起業家集団に支えられており、素晴らしいと思います。その上で、一つ課題は、イーサリウムと互角に渡り合うには、自らキラーアプリを手がける必要性があるということですね。VCアームを持っているだけではどうにもならない点です。なぜなら、大半の優れたDappsベンチャーは、放っておくと、強力な1st Mover Advnatageを持っているイーサリウムでトークンを発行してしまいます。VCチームが必死に案件開拓しても、優秀な起業家ほど、縛られたくない考えが強いので、トークン発行のプラットフォーム選びも自由に行いたいと考えるのが普通です。

唯一チャンスがあるとすれば、イーサリウムが進めているPoS型のBaaSであるセレニティへの移行が大変な難産になるシナリオ、またその後のストレージやアナラティックス領域へのプラットフォーム拡張が難航した場合、イーサリウム上で稼働するMakerDAOやBAT、CROなど、主力プロジェクト達が、引越しを考えるシナリオです。しかし、僕のヨミでは、後者のシナリオの場合、多くのメジャープロジェクトは、Binanceがそうであるように、独自ブロックチェーンを発行し、COSMOS HUBに接続する方向に動くと予測しています。メジャープロジェクトは、開発陣も育ってきているので、独自チェーンをもって、COSMOSのバリデーターネットワークのセキュリティリソースを活用する方が経済合理性の観点から納得しやすいのですね。その点については、「こちらの記事」にまとめています。

前者のシナリオの場合は、チャンスが残されています。その場合、新しく出てくるDappsプロジェクトをVCアームからの出資も含めてどこまで惹きつけることができるか? と同時に、これは、まだ強力なプレイヤーが登場していないが将来的に巨大な市場を形成するであろうDappsカテゴリを見極め、そこにリソースを集中投下することですね。チーム構成を踏まえると、ゲームはまだ可能性があると思いますが、DeFiはイーサリウムが圧倒的に先行しているので今からひっくり返すのは至難の技だと思います。Decentralized Webにはまだ可能性が残されています。その点は、「こちらの記事」にまとめています。この辺りの動きと成果が見えてくるまでは、様子見を続ける考えです。

最後に、EOSトークンは、僕がメインで使っている世界最大の仮想通貨取引所のBinanceで購入することができます。Binanceのアカウント解説方法と使い方の基本ポイントはこちらにまとめています。参考にしてください。

【初心者向け】Binance(バイナンス)の会員登録の方法まとめ

以上、みなさんの参考になれば幸いです!

注記:最終的な投資判断は自己責任になります。

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