日本人だけが賞賛するLayerXはOrbの完コピ以下:これが日本がシリコンバレーからバカにされている理由

よく最近、国内の仮想通貨スタートアップで話題に上がるLayerXのブログを読み、また、その周囲の反応をみて、自分が日本人であることが情けなくなってきたので、僕の考えを伝えておきます。

元の記事は、これです。

LayerXの戦略は、Orbの完コピ以下


まず、これですね。なんでみんな盛り上がっているのか理解ができないのですが、LayerXは、完全にOrbの完コピであり、彼らはコアテクノロジーは何も持っていないので実態はそれ以下です。俺が、Mt.Gox事件の渦中からゼロから必死になって作り上げたものを、なんの恥もなく完コピして、他人から「天才」呼ばわりされている起業家が、日本人であることがとかく情けないと思わざるをない。このOrbの情報を見れば、完コピ以下なのが、よく理解できるでしょう。

まず、LayerXは、Orb DLTに相当するような革新的なコアテクノロジーを一切持っていないこと。これで商売を立ち上げるということは、完全に受託開発でありコンサルになります。さらに、仮にできたソフトウェアをライセンスで売ると言っている点もOrbの完コピ。

そして、次に重要なことは、そのコアテクノロジーを作り出すことは絶対にできないであろうということ。なぜか?なぜなら、チームが全員日本人だから。なぜ、パーソナル・コンピュータ市場で、かつてはIBMなどと互角に渡り合っていた富士通やNECが、マイクロソフト、オラクル、アップルなどの北米勢にコテンパンにされるほど敗北したか?

プロダクトパッケージング力がないからです。だから、結局、富士通もNEC、日本ユニシスなどは、オフィスコンピュータの全盛時代は自社製品で商売ができていたが、パーソナルコンピュータ時代が本格化し、ほぼ全て、労働集約的で全くスケールしない受託開発業に追いやられてしまった。受託開発業は、労働環境も非常に悪く、うつ病患者や自殺者も国内で最も多い業態であることはよく知られている事実です(詳しく知りたい人は、「こちらの記事」を参考にしてください。)。

この中で、NTTデータは例外で、売り上げの大半は受託開発業ですが、利益の大半は、日本のクレジットカード決済の基盤システムであるCafisや、地銀向けのコアバンキングシステムであるAnswerが生み出しており、これらを作り出すことができたのは、元国営企業としての政治力と資金力であったから。しかし、彼らは、信金や信組向けのコアバンキングシステムの市場は積極的には手を出さず、そこの半分ぐらいは日本ユニシスや富士通にあげた。なぜか?儲からないからです。NTTデータが信金向けにもAnswerを拡張していますが地銀や第2地銀に劣らぬ事業企業の信金ばかりを顧客にしています。そして、彼らが、ライセンスビジネスとして利益を生み出すパッケージングソフトレベルに達するまでには、20年という時間がかかっています。

この原因は、日本の企業が、北米の企業と違って、自社内で社内向けIT製品を開発する力がほとんどない点と、競合と差別化するためのカスタマイズリクエストを受託開発業者に丸投げするからです。だから、プロダクトをパッケージングかするのに恐ろしいほどの時間を要する。とても、ゼロから挑むITベンチャーが作り出せるようなビジネスではない。Orbは、そのような環境下で、Orb DLTを完成させましたが、これも僕が営業や事業開発の最前線で、常に開発チームを守るように顧客と戦い、事業が受託開発にならないよう顧客のカスタマイズ要件を跳ねることができる営業・事業開発チームを作ってきたからです。彼らは、その積み上げた苦労を完コピして賞賛されている。

今は、シリコンバレーのIT産業のグローバル展開が進んだ影響で、日本国内のオープンソースソフトやクラウドソリューションがエンタープライズ向け市場でもだいぶ普及してきていますが、Orbを4年経営した経験から言うと、それでもまだ、日本市場で、ベンチャーとしてやるにはかなり難しいと判断しています。だから、Orbは、SBIさんに任せることにした。

しかし、Orbが、とてもスケーラブルかつグローバルで戦える競争力のあるソフトウェアであるOrb DLTを完成させることができたのは、開発チームに「多様性」を持ち込んだから。以前、ソフトウェアのアーキテクトにおける、疎結合開発と密結合開発の話をしましたが、日本人は、疎結合開発が異常なぐらい下手くそです。なんでも密結合開発したがる。この結果、スケーラブルなソフトウェアを作れない。これは、日本人を「神の民」と言い出した太平洋戦争時代の兵器開発のころから続いている問題なんですよ。明治時代の日本は、日本に軍需産業がなかったため外国の兵器を購入し、ハングリーに研究し、「和洋折衷」の思想で活用していたが、昭和に入って、異常なプライドが出てきて、この考え方は失われ、完全、独自路線を歩み始めた。疎結合開発は、アメリカ人の方が圧倒的に上手い。「標準化」と言うものの考え方です。多様性のない日本社会では、他民族を束ねるためのこの標準化を考える必要性がそもそもないので、製品がすぐガラパゴス化するのですよ。そのことを日本人は全く理解していない。なぜなら、一向に戦略的な移民政策によって、優秀な外国人を国内に積極的につれてこないし、プロダクト開発に関わる戦略的な意思決定を行うためのテックベンチャーの経営幹部や大企業の幹部は、みな日本人のみ。プロダクト開発に「多様性」を持ち込まないから。LayerXもその点で同じ。だから、結果も同じ。

Orbの開発陣の80%は非日本人で構成され、CTOは日本人でしたが、プロダクトマネージャはアップルから雇ったアメリカ人、アークテクトは、LAのテックスタートアップから雇ったアメリカ人、エンジニアリング・マネージャはスイスでの仕事が長いスウェーデン人、その他、インドのIITボンベイ校を出ているインド人や、スタンフォード大のコンピューター・サイエンスでインタラクティブ・デザインを学んだロシア移民の人材などなど、多様性溢れるチームにし、プロダクト開発の大枠の戦略は僕が決めましたが、詳細は当然、全て開発チームに委ねていました。こう言うチームを作ることができるから、Orb DLTのようなソフトウェアを生み出すことができる。これは、僕がシリコンバレーでの起業から学んだ経験を活かして実現したこと。しかし、それには圧倒的なリクルーティング力の高さが必要になる。

このような事実を見せているにも関わらず、リクルーティング力が低いせいか、相変わらず、「日本人はスゴイ」という、全く根拠のない自信を元に日本人チームで挑んでくるテックベンチャーが、世界にインパクトを与えられることは絶対に無理と断言できます。しかしながら、今の日本人には、何を言っても「馬の耳に念仏」です。

シリコンバレーでは0から1を作った起業家を賞賛するが、日本は1から10を作る起業家を賞賛する。だから、シリコンバレーは日本市場を投資対象から除外する。なぜか?

シリコンバレーでは、僕がOrbで作り上げたような、0から1を作り上げた起業家を賞賛するメカニズムがきちんと機能している。具体的に言えば、Orbのように世の中を根本的に作り変えるような0から1を作りあげたベンチャーは、GoogleやFacebookなどシリコンバレーの有力なテックベンチャーが買収し、彼らに一定期間の充電期間を提供し、またその起業家達が、新たに0から1を作り上げることができる下準備を整えるよう支援する。もっと典型的な例は、スティーブ・ジョブズやジャック・ドージーのケースです。ジョブズが、アップルに再びCEOとして復帰することができた背景には、先輩起業家として、また親友として彼の可能性を信じ、支え続けたオラクル創業者のラリー・エリソンがいました。また、ジャック・ドージーも、一度は、自分が作り上げたTwitterのCEOから引き摺り下ろされますが、新たに起業したSquareに、元サンマイクロシステムズを創業し、その後、5,000億のVCファンドを自ら立ち上げ運営しているビノット・コースラに出資してもらい、彼に見出され、経営者として鍛えてもらい、TwitterにCEOにも復帰する。

日本では、このようなエピソードがゼロです。聞いたことがありません。だから、シリコンバレーのトップVCは、セコイアなど、中国、インド、そして、インドネシアなど、いずれもアジア市場に投資していますが、「日本市場は明確に除外する」としています。なぜか?もちろん、まず1番目にあげられるのは、少子化・人口減ですが、もう1つは、上のようなメカニズムが、日本のスタートアップエコシステムに存在しないから。シリコンバレーでは、0から1を作ることができる起業家が元気に活動できるから、新たなイノベーションの種が豊富に社会から生まれてくる。しかし、日本は、そのような起業家は、「めんどくさいやつ」と煙たがられる。何より、日本のVCに、それを支える力がない。イーロン・マスクのような破天荒が起業家が、テスラをあのレベルにまで持っていくことができるのも、シリコンバレーだからこそですね。日本だと、マスクのような起業家は、とっくの昔に、VCに潰されて、彼が日の目を見ることはなかったでしょう。

なぜ、日本では、LayerXのような、0から1の起業家の実績を完コピして1から10を作ろうとする起業家が賞賛されるのか?単純に、その起業家にとっても、またVCにとっても事業化するリスクが低いからです。すでに、僕のような0から1を生み出せる起業家が地ならしした後に、商売を立ち上げるのだから当然ですね。LayerXの母体になったGunosyは、僕が、シリコンバレーで立ち上げたMusavyのこれまた完コピです。笑

この2011年のTech Crunchの記事を読めばわかるでしょう。しかし、このような起業家は、決して、10から100にすることができない。1から10とは、事業を始めた国内市場でリーディングプレイヤーになることで、10から100とは、グローバルでシリコンバレーや中国勢と互角に戦えるレベルまで事業を育てることです。0から1を作り上げた起業家にしか、10から100を作り上げるだけの創造力、戦略構築力、実行力がないからです。シリコンバレーはそのことをよく理解しているから、彼らを支えるようなメカニズムのない日本には投資しないし、僕のような真のイノベーターも、東京から去っていく。

僕も、2014年から2018年の間は、そこをなんとか作り変えようと必死に動いて、日本の仮想通貨・ブロックチェーン産業を世界の主要メディアが「Japan is Crypto Heaven」と書くほどのレベルに持っていましたが(その点は「こちらの記事」にまとめています)、その後の2件のハッキング事件に始まっての、あまりのそのお粗末さに、いい加減、堪忍袋の尾が切れて、東京から去ることにしました。貴重な人生の浪費にしか感じられなくなったからです。今は、OISTにいますが、その話はまた別の機会に書きます。

多くの日本人は、これが自分達の生活が苦しくなって言っていることに直結していることを気づいていない

そう、最終的には、「事なかれ主義者」の多い日本人自身が、このツケを払う羽目になる。なぜか?先ほど、日本の受託開発産業が、日本の産業で、最もうつ病と自殺者が多い業態であるということを伝えましたが、その話とこれは繋がってくるのですよ。結局、受託開発は働いた分だけ報酬になるから、実にリスクが低い仕事であり、このようなリスクを取らない事業作りばかりを続けた結果によって、日本人の多くは、どんどん、毎日残業しても全く儲からず、給与もまともに上がらず、社会保険や税金負担がばかりが増えていく世界で生きていくことになっている。

大きなリスクをとって、イノベーションを生み出す起業家とそれを支えるエコシステムがあるから、アップルやグーグルクラスの企業が育ち、そこに大きな雇用が生まれ、素晴らしい生活を送ることができる。彼らは、9-17時の仕事で、社食で、オーダーメイドも可能なととても美味しい食事を1日三食取れ、在宅勤務も自由にできる。一方、日本にはそういう企業はどんどん減っている。

戦後のカオスから登場し、ウォークマンを生み出したソニーや、スーパーカブを生み出したホンダは、多くのシリコンバレーの起業家や経営者達が参考にした企業です。しかし、今の日本の企業は全く参考にされない。理由は、先に述べた通り。かつてのソニーやホンダは、創業者を含め、自分の頭で、0から1を考え、インベーションを作り上げていくチームが中にいた。日本の大企業や、ベンチャーには、今、そういう人材や起業家はどんどんいなくなっている。なぜなら、僕の体験がその通りで、東京で活動していても、結局、LayerXやGunosyのような完コピ企業ばかりが賞賛されるからだ。これでは、僕のような真のイノベーターが、バカバカしくなって東京から去るのは当然ですね。これには、日本の戦後官僚が犯した大罪もあるのですが、その点は、「こちらの記事」にまとめています。

事なかれ主義者の日本人達が、このような完コピ起業家を賞賛する行為は、僕が以前に伝えたように、過去の日本の歴史において、日本人が、常に天才を使い捨て、殺してきたのと同じことなのですよ。事なかれ主義者たちは、とにかく全く反省しない。問題の本質をウヤムヤにしたまま日々を過ごしていく。日本の仮想通貨・ブロックチェーン業界もこれと同じなので、いい加減に嫌気が刺した。そうして、いつの間にやら、今の日本のように、なぜか、日々の暮らしが息が詰まるようになってきて、どんなけ働いても給与は上がらないし、毎日残業ばかりの中、己の自己満足を満たすことばかりを追求し、刹那的に生きていき、身も心もボロボロになっていく。

その結末は? 映画「天気の子」で描かれている通りです。僕が、別の記事で、「日本の社会が、旧約聖書がノアが箱舟を作る前の世界とソックリだ」と伝えることと同じです。全ては、仏陀が残した教えにある通り、「因果応報」です。原因のない結果はない。犯した過ちは、本人が、その過ちを認めるまで、相応の報いがその人に降りかかり続ける。その過ちの学びを得るまで、同じところをグルグルと周り続ける「リング」の世界を生き続けることになる。それは、正に生き地獄と言える。しかし、その人が、その原因に気づくまでその生き地獄は決して終わらない。

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