オールドエコノミーをソフトランディングさせる上でのビットコインが持つ究極の本質的価値とは?

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僕は、向こう3年以内に、新興国の中央銀行が、自国通貨の信用を担保するために、ビットコインを購入し始めるとみています。その真意について今日は詳しく話をしたいと思います。

世界経済の覇権移行期に起きる経済混乱について

これは、以前に別のブログで触れている話ですね。直近で起きたケースは、イギリスからアメリカへの覇権移行期です。第1次世界大戦の勃発によって、当時、大英帝国として世界最大の海洋帝国を作り上げていたイギリスは、植民地政策で限界点に達します。現地の民族自決運動が第1次世界大戦を勃発させたのであり、それは、彼らに既存の帝国主義モデルがもはや機能しなくなっていることを示した。そして、当時、植民地政策を展開していたイギリスのみならず、フランス、ドイツなど多くのヨーロッパ諸国が、第1次世界大戦で経済が疲弊した。そういう中、植民地主義を取らないアメリカが新たな巨大経済として対等してきていた。

今では、アメリカが世界最大の覇権国家であることは、誰でも知っていることですが、当時はまだそこまでの実力はありませんでした。1929年に起きた世界恐慌は、実は、このイギリスからアメリカへの覇権移行に伴う経済混乱が引き起こしたという側面があります。この点については、「こちらの記事」で詳しく解説しています。

覇権移行というイベントは、歴史上、100年に1回起きるかおきないかの巨大イベントなので、大半の人は世代交代が確実に起きているため、経験していません。なので、想像がつかない。だから、多くの場合、その未曾有の出来事に的確に対処できないことが多い。

そして、今起きているのは、現代ローマ帝国であるアメリカが、もう限界にきているという事実です。アメリカ社会全体がピークアウトしている点は、「こちらの記事」にまとめています。オバマ氏の後に、トランプ氏のような大統領が出てくるのも、僕からすれば歴史的必然なのですね。

そして、2008年に発生したリーマンショック以降、起きていないアメリカの景気後退が迫りつつある。この点は、「こちらの記事」にまとめています。

世界の大半の国がアメリカと貿易を行なっており、アメリカのドルが世界の基軸通貨になるため、アメリカ相手に貿易している国家の中央銀行は、みな外貨準備としてドルを大量に持っています。外貨準備という表現も少しトリッキーで、実は、自国通貨に信用を与えるため、ドルを保有しているという側面が如実にあるのです。

アメリカ政府に嫌われると痛い目をみる新興国

そして、それは同時に、アメリカに嫌われることをすると、強烈な制裁が待っています。最近の例で言えば、南米のベネゼエラでしょう。彼らは、トランプ政権が進める厳しい保護貿易政策と対立した結果、経済制裁を受けることになり、国内経済は、大混乱。ベネゼエラの通貨ボリバル・ソベラノは、1,000万倍近いハイパーインフレーションに見舞われています。一言で言えば、「紙くず」ということですね。100円だったバナナ1本が、10億円になっていることです。

From Wikipedia – ボリーバル・ソベラノ(bolívar soberano venezolano)は、ベネズエラの通貨。史上最速のハイパーインフレ – 2018年8月21日よりデノミネーションに伴い、それまでのボリバル・フエルテに代わって流通が始まった。しかし、インフレーション率が2018年に169万8,488%に達し、ハイパーインフレーションになった。国際通貨基金は、インフレ率が2019年中に1,000万%に達すると予測していた。あまりの通貨の暴落を受け、ニコラス・マドゥロ政権は自由主義を消極的に認める形になり、2019年の9月にはインフレ率がやや下落したものの、依然として高いインフレーションが進んでいる。

アメリカの経済制裁によって、なぜ、このようなことが発生するのか? アメリカとの貿易をストップされると、ベネゼエラの中央銀行は、ドルを獲得する手段を失います。しかし、国家経済を運営するには、色々な国からドルを使って、モノを仕入れたりする必要がある。すると、備蓄していたドルを使うしかなく、瞬く間にドルの備蓄量が減っていく。以下は、実際のベネゼエラのドルの備蓄量の推移です。トランプ政権が経済制裁を開始してから一気にドルの備蓄量が減っている。


先ほど伝えように、今、多くの新興国は、ドルを信用の裏付けにして自分たちの通貨を安定させているため、ドルの備蓄量が減少していくと、それに比例して自国通貨の信用も低下していく。この結果が、ハイパーインフレーションですね。

以下は、実際に、ベネゼエラの路上で撮られた写真で、紙くず同然の通貨が、路上に散乱している様子です。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65689

日本や中国、ユーロと行ったまだサイズの大きな経済圏に対しては、アメリカ経済にとってもお客さん的な側面もあるため、トランプ政権も強行な政策をとったりすることはありませんが、ベネゼエラのような経済力の小さい国家に対しては、容赦しません。

その結果ということですね。そして、理解すべきは、アメリカが景気後退した場合の政策です。今は、アメリカの景気を後退させないための政策としてある程度コントロールがきいていますが、リーマンショックのようなイベントがアメリカ経済に発生した場合は、ほぼこのコントロールが効かなくなる可能性があります。その場合、このレベルでは済まないリスクがある。

特に、トランプ政権は保護貿易政策を積極推進しているので、アメリカの景気後退が発生した場合、かつて世界恐慌後に発生した「ブロック経済」政策を展開するリスクがある。

From Wikipedia – ブロック経済(ブロックけいざい、英語: bloc economy)とは、世界恐慌後にイギリス連邦やフランスなどの植民地又は同じ通貨圏を持つ国が、植民地を「ブロック」として、特恵関税を設定するための関税同盟を結び、第三国に対し高率関税や貿易協定などの関税障壁を張り巡らせて、或いは通商条約の破棄を行って、他のブロックへ需要が漏れ出さないようにすることで、経済保護した状態の経済体制。主に、世界恐慌以後の1930年代のブロック経済を指す場合が多い。

こうなってくると、今まで、基軸通貨ドルにどっぷり自国通貨の信用を依存してきた新興国の通貨は、一気に危機的な状況に陥る可能性がある。つまり、新興国経済は、壊滅的なダメージを受けるリスクがあるということです。

中央銀行がビットコインを買うことで、基軸通貨ドルが衰退した場合の経済混乱を防ぐことが可能。なぜか?

ということですね。以前に、日銀のバランスシートを事例に話をしましたが、中央銀行は、自分たちが保有する資産を担保に通貨を発行するルールで運営されており、新興国の場合は、ここに基軸通貨ドルを組み入れているのです。いわゆる外貨準備高というやつです。

参照URL: http://fis.nri.co.jp/ja-JP/publication/kinyu_itf/backnumber/2016/06/201606_3.html

 

ですから、ここで、ビットコインをバランスシートの左側の資産に定期的に積み上げていくことで、ドル経済が再び景気後退した際に、新興国は、自国通貨の信用崩壊を防ぐことができるということです。圧倒的に魅力は、ゴールドと違い、デジタルゴールドであるビットコインは、完璧な供給制限モデルですから、インフレに対して圧倒的な抵抗力がある。

詳しくは、「こちらの記事」にまとめています。

僕は、これは3年以内に起きると見ています。なぜなら、それぐらい世界経済は瀕死の状態だからです。その点について、詳しく理解したい人は、僕が書いたOrbのホワイトペーパーの一読を勧めます。

オールドエコノミーをソフトランディングさせるための本質的価値をもつ”デジタルゴールド”としてのビットコイン

アメリカの景気後退は、間違いなく3年以内に起きるとみており、その際に、このビットコインを買い付けようとする新興国の中央銀行が複数登場すると見ています。単純に考えれば当たり前のことだからです。簡単な算数のゲームです。世界の通貨は、常に最低2%以上毎年インフレしていくのに、ビットコインは2100万以上発行されないから、絶対にインフレしない。だから、自国の中央銀行のバランスシートにビットコインを組み入れれば、ベネゼエラで起きたような自国通貨のハイパーインフレを防ぐことができるだけでなく、ビットコインの資産価値の上昇によって、自国通貨の発行量を増やせるから、国債の借金負担を減らしていくことができる。その点は、上の記事を読んでもらえらば深く理解できます。

なぜなら、日本政府が抱える1,000兆円を超える負債も、日銀がビットコインをバランスシートに組み入れることで消滅させることができる。こうなることで、日本政府の財政も健全化し、年金問題など、日本社会の負の遺産であるあらゆる問題が解決するということです。皮肉なことは、その問題を引き起こした年寄りではなく、その重圧に喘ぐ若者が、ビットコインを育てていることですね。まあ、しかし、歴史とはいつもこういうものです。

今、僕らの世界で起きていることは、アメリカ経済中心の国家経済が終焉を迎え、ブロックチェーンを活用した新たな経済システムへの移行期であり、その移行をスムーズに進められるか?が非常に重要です。

平和ボケしている日本人の多くには見えていないことですが、ちょっとヘマをすれば、かつてイギリスからアメリカへの覇権移行の失敗によって発生した世界恐慌と第二次世界大戦のような事態が本当に起きるかもしれない。そういう瀬戸際にあるのです。要するに、第3次世界大戦というやつです。

しかし、ここにビットコインが育ってきていることで、防げる可能性がある。もともと、ビットコインは、2013年3月に起きた「キプロスの預金封鎖」によって、日の目を見た。今後、3年以内に起きるであろう新興国を中心した中央銀行のビットコイン買い付けが活発化することで、ビットコインの時価総額が、今の金の700兆円の時価総額を超えるだけでなく、これ自体が、実は、国家経済という瀕死状態のオールドエコノミーをソフトランディングさせ、第3次世界大戦が起きるような事態を防ぐことにつながるということです。これが、僕が、ビットコインに見出している究極の本質的価値です。これこそ、「神の技」です。人智を超えた世界ということです。

以上、みなさんの参考になれば幸いです!

追記:しかしながら、ビットコインのお陰で、その危機を乗り切れたとしても、そのあとに、資源戦争や貿易戦争を引き起こさないポスト資本主義にふさわしい持続性の高い経済システムを作り上げることができなければ、また同じ過ちを繰り返すだけのことにはなります。人類が、壁を乗り越えられるかどうかは、まさにそこですね。

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