アルトコイン投資に活用できるガートナー「ブロックチェーン・テクノロジーのハイプ・サイクル2019年」の分析・評価まとめ #2

ブロックチェーン

まず、ここからですね。この言葉が、ハイブサイクル上は、ほぼ幻滅期のピークを迎えつつあります。ただ、単語の定義が非常に広義であり、ブロックチェーン産業全体を意味します。ですから、僕の理解としては、ブロックチェーン産業全体は、幻滅期を超えて、本格導入期に入りつつある中で、その単語を分解した以下の個別テーマが、それぞれハイブサイクル上のトレンドではグラフ通りに位置しているという理解です。ということは、詳しいことはこれから述べますが、大半が黎明期かバブル期に位置していますから、黎明期のカテゴリに相当する銘柄は、これからバブルを迎えることになるため、投資先としては非常によい仕込み時になると同時に、バブル期に入っているカテゴリに相当する銘柄は、向こう1年間は、全般的に当該市場が冷え込む可能性が高く、更に、1st Mover Advantageが働く市場なので、少なくとも市場の3番手以降の下位銘柄は、ほとんど市場から消滅する可能性が高いということです。その辺りを踏まえた、リスクの取り方をポートフォリオ戦略に組み込む必要性があります。

非中央集権型Web

一番注目しているカテゴリは、ここです。ブロックチェーン産業の中で最も大きな市場の一つになると見ています。GAFA問題解決の鍵となるからですね。この市場は、中央集権型クラウド市場、CDN市場、Blockchain Interoperablity市場、セカンドレイヤー市場などを合わせた市場の規模以上のサイズになると予測しているので、かなりの規模です。インフラレイヤーは、市場参入障壁も高く、かなり技術力の高いベンチャーであり、事業開発力も高いチームしか、まともに生き残れないと見ています。その点から、まだ黎明期の状況で、バブルを迎えていない現状を踏まえると、有望銘柄を抑えておくことは、優れたリターンを生み出せる可能性があると考えています。具体的にどのような銘柄が該当するかは、「こちらの記事」にまとめているので、参考にしてください。

ポスト量子ブロックチェーン

ここも、ブロックチェーン産業の存続を決める上で非常に重要なカテゴリです。PoWは当然のことながら、PoSモデルでも、量子コンピュータが実用化されるとそのセキュリティレベルが弱体化すると言われています。PoWの場合は、単純で、マイニングマシンのスペックが勝敗を決めるため、量子コンピュータのような既存のCPUの演算処理能力の数十倍以上の実力をもつ量子コンピュータが登場すると、一気にネットワークを乗っ取られるリスクが上がります。PoSがある程度、耐性を持っています。PoWとPoSの違いは「こちらの記事」にまとめています。かつ誤解のないように伝えると、既存のクライント・サーバー型のシステムも、量子コンピュータが出てくると簡単にセキュリティを破壊することができます。なので、量子コンピュータが実用化されたのちのサイバーセキュリティをP2Pの世界で実現することは非常に重要なテーマということです。この点は、僕がいるOISTでも非常に研究が盛んな分野なので追いかけています。

これは簡単に言えば、PoWやPoSに変わる新しいPoXを開発するプロジェクトになるわけですが、全くゼロからプロジェクト化される可能性もあれば、イーサリウムのようなプレイヤーが開発してくる可能性もあります。特に、ゼロからプロジェクト化する場合は、それをビジネスに繋げるプロダクトアイデアも必要ですから、かなりハードルが高いプロジェクトになります。シリコンバレーなどでもトップクラスの起業家のみが手がけられるプロジェクトになるでしょう。ですから、一概にアルトコイン投資として注目する分野というよりかが、業界全体が継続的に発展していく上で重要な分野なので追いかけるという発想が僕の考えです。

合意形成メカニズム

上の量子コンピューティング時代におけるブロックチェーンのニーズが理解できると、この合意形成メカニズムが完全にバブルであることがわかります。ブロックチェーンにおける。いわゆるビットコインのPoWやCOSMOSのPoSの話です。BFT(ビザンチン故障耐性)を持った合意形成アルゴリズムのことですね。僕のOrbでのブロックチェーンプラットフォーム開発の経験を踏まえても、量子コンピューティングの登場までは、PoSがしばらく主流になると考えており、このノウハウは成熟しつつあります。そこに、新たな「PoX」を開発したことを売りにしているプロジェクトがいまだに色々と出てくるわけですが、ほとんど価値がないわけです。なぜなら、いずれも量子コンピューティングには対抗できないからですね。ですから、実際の市場のペインポイントを相手にせず、ホワイトペーパーにPoWやPoSの問題点を並べて、解決しようとしているベンチャープロジェクトは、このバブルが崩壊するとほとんど死滅すると見ています。

仮想通貨マイニング

ここも合意形成メカニズムの話と繋がっており、幻滅期をほぼ脱しつつあるわけですが、PoSにほぼノウハウが集約しつつあるという判断で僕も同感しています。更に付け加えるならば、MarkerDAOなどのトークンを担保にしたDeFi市場が立ち上がってきていることで、PoSでも供給制限型でトークンエコノミーを提供するインフラが整ってきているので、本格的な成長段階に入りつつあることがわかります。

ブロックチェーンの相互運用性

ここはいわゆるBlockchain Interoperabilityのことです。僕のポートフォリオ戦略においても重要なカテゴリの一つです。市場全体はバブル状態に入りつつあるようですね。COSMOSPolkadotなどが該当します。COSMOSは、既にメインネットもローンチしており、BinanceLinoNetworkなど有力なプロジェクトが接続しているため、幻滅期に入ったのちも、耐えられる可能性が高いですが、Polkadotは、メインネットのローンチがまだですから、取引所に上場された後の投資を検討している人は注意が必要です。上場タイミングによっては、えらい高値を掴んでしまうリスクがあります。Polkadotは、COSMOSに対して2番手ですから、1st Mover Advantageが働くブロックチェーン産業の特徴を踏まえると、場合によっては、その高値に何年も戻らない可能性があるので注意が必要です。また、ここも高い技術力が要求されるため、この2社以外はほとんど生き残れないと見ています。

プライバシー強化型

MoneroDASHZCashなどが該当するカテゴリで、この市場に対する評価は、僕も全く同感です。市場で盛り上がっているほどの持続的な価値は、これらのソフトウェアにはないと考えています。マネーロンダリングや犯罪利用に使いやすいからですね。なので、このカテゴリのアルトコインはほぼ今がピークと見ており、幻滅期でほとんど市場から消えていくと見ています。これ以外も、ビットコインキャッシュやライトコインなど、ビットコインの派生系コインも今がピークと判断しており、ほとんど市場から消えていくと見ています。

仮想通貨ハードウェア・ソフトウェアウォレット

バブルを超えて幻滅期に入りつつあります。同感です。単なるウォレットアプリは、ほとんど市場から消えて行くでしょう。UX(ユーザー体験)のバリューがほとんどないからです。ですから、まず、BinanceのBNBのように、投資の売買ができる取引所機能とウォレット機能がセットになっているプロダクトや、Crypto.comのCROのように、トークンのPayPal的な役割を持たせ、決済市場で、加盟店開拓を行うプロダクトや、BraveBrowserのようなブラウザアプリのように、それ自体がChromeブラウザに比べて、プライバシー保護やアドブロック機能が充実しているなど、単なるウォレットとしての機能以上のバリューポジショニンがあるプロダクトでないと生き残ることは難しいということです。セキュリティ技術で何か優れたものがあり、チームサイズが小さければ、上記のウォレットプレイヤーにトークンエコノミー ごと買収してもらえる可能性がありますが、大半は、市場から消えるでしょう。

非中央集権型アプリケーション

いわゆるDappsです。バブル期に入りつつことに同感な理由の一つは、どのDappsにフォーカスすべきか?という点で市場の認識が曖昧だからです。にも関わらず、市場に様々なカテゴリのDappsベンチャーが大量に立ち上がっています。この点は、非中央集権型インターネットと密接に結びついているのですが、これを実現するために、必要なDappsは、幻滅期を超えて生き残ると思いますが、ニッチゲームも含めたDappsは、キャズムを越えれられないので幻滅期に消えていくと見ています。日本からキラーDappsがでる可能性がある領域は、唯一、ゲームと見ていますが、その点に関する僕の評価は、「こちらの記事」にまとめています。

ただ、この市場自体は、非常に大きくなるとみています。ブロックチェーン市場で最大になるでしょう。一番、注目すべきは、動画、検索エンジン市場とSNS市場ですね。ここのDapps化は、非中集権型インターネットを実現する上で鍵の一つです。ついで、AibnbやUber、そしてフライトチケットの予約売買システムのカテゴリなど、「旅行と移動」のカテゴリに関するDappsは、世界的なインフラプレイヤーが生まれてくると考えています。しかし、これらのプレイヤーが出てくるには、BaaSやBlockchain Interoperablityを含めたインフラのソフトウェア技術が成熟している状態必要があります。今のところ、一番有望なDappsは、Lino-Networkが提供するDLiveBraveBrowserDENTだと考えています。いずれも非中央集権型インターネットに不可欠なサービスを提供しています。

レイヤー2ソリューション

BaaSの一つ上のレイヤーに相当するのですが、BaaSを含むブロックチェーンの拡張性を引き上げる上で必須のカテゴリです。この理由は、冒頭に触れたようにパブリックブロックチェーンは、どうしても拡張性やパフォーマンスが、中央集権型クラウドを含むクライアントサーバーシステムに比べて劣るため、このセカンドレイヤーのテクノロジーを成熟させることで、今のブロックチェーンのパフォーマンスレベルでも、広い用途にブロックチェーンを応用していくことが可能になります。非常に重要なカテゴリです。現時点で、技術的レベル、セキュリティ、そして用途の広さで最も優れたセカンドレイヤーテクノロジーは、DEXテクノロジーの0xプロトコルになるでしょう。詳しくは、「こちらの記事」にまとめています。ただし、0xはDEXにフォーカスして設計されているセカンドレイヤーソリューションになるため、万能というわけではありません。僕はこの辺りは、Blockchain Interoperabilityのソフトウェアが補完すると予測しています。

ブロックチェーンを利用したストレージ

BaaSの記事でも触れていますが、今のBaaSは、中央集権型クラウドと比較した場合、トランザクションシステムの領域しかまだサポートできておらず、ストレージやそのデータ検索の領域まではまだ拡張できていません。この点は、「こちらの記事」にまとめています。この二つの領域をカバーしているのがこのカテゴリです。有力なプレイヤーとしては、FileCoinLambdaなどになります。いずれもまだメインネットがローンチしていないのでバブル期の前段階です。ただ、一つ気になっているのは、利用するDapps側の目線でいうと、BaaSに統合されている方が圧倒的に使い勝手がいいです。なので、僕はこの市場の銘柄は追ってはいるものの投資していないのですが、その理由の一つは、BaaSが機能拡張してストレージ領域もカバーする方が現実的だと考えているからです。

ブロックチェーンを利用したデータセキュリティ

ストレージ市場と関連しているテクノロジー領域で、単純なP2Pストレージは、誰でも容易にデータ改ざんができてしまいますから、ブロックチェーンを使うことで、改ざん耐性を獲得する必要があります。ただし、現時点のブロックチェーンは、ブロックの中に大量のデータを保有することはできません。例えばビットコインの場合、一ブロック辺りのデータサイズは1MB以下となっており、PoWではこいつの値を引き上げるとマイナーの寡占化が加速してしまいます。ですから、あくまで、ブロックチェーンのキーコンセプトである、ハッシュ関数を活用した要約されたダイジェスト情報を鍵情報と組み合わせてブロックチェーン上で管理し、実際のストレージデータは圧縮・暗号化することで、データを守る仕組みを構築する必要があります。ここは、僕の考えは、ストレージ市場とセットだと考えています。

スマートコントラクト・オラクル

中央集権型インターネットと非中央集権型インターネットの仲介役を担うカテゴリです。ここも重要です。非中集権型インターネットが発展していく上で、一時期は、共存関係になりますから、その間のデータのやりとりを行う仕組みは必要になります。有力プレイヤーは、ChainLinkなどです。競合のAeternityもそうです。実績ではChainlinkの方がかなり進んでいます。ただ、まだ試験利用のユースケースが多く実段階の利用ではないので、ただし、0xプロトコルなどを使ってもかなり同じことができます。ので、僕は両方に投資しています。

分散型アイデンティティ

パスポート、免許証、マイナンバーカードなどの本人認証をブロックチェーンで行うというものですが、ここがバブルのピーク時に突入しているのは全く同感です。最も大きな理由は、今、市場で盛り上がっているほど、分散型アイデンティティに利用価値がないからですね。これを理解するには点は、哲学的な思考が必要です。「なぜ、そもそも本人認証が必要なのか?」という問いに対する答え。本人認証のシステムが必要なのは、政府が必要になったからであり、では、なぜ、政府が必要になったのか?という根本的な問いに対する答えが理解できる人であれば、自然とそれほど大きな市場がないのが見えてきます。僕が別途まとめている「こちらの記事」などを参考にしてもらえれば理解できると思います。したがって、幻滅期にほとんどのベンチャーが消えていくと見ており、利用用途もかなり限定的なものになると見ています。

以上、みなさんの参考になれば幸いです!

関連記事