マスター・オブ・スケール – PayPal共同創業者兼元CEO ピーターティールのインタビュー#6

ホフマン:おそらく、君はこう考えるだろう:”独占すると規制されるのではないか?” 確かにそうだ。たちの悪い存在だと思われている。まさに、あのゲームのMonopolyに出てくるような、葉巻を加えて、札束の大量に入ったスーツケースを抱えながら、シルクハットをかぶったあのおじさんのように。しかし、ピーターは、独占状態を即時的なものとして見ている。競合によってカモフラージュされたような状態。近寄ってみてみると、もっとも典型的な競争関係に見えることすら、実際は異なっているということ。

ティール:君は、CokeとPepsiの競争関係と言いたいだろう。一方で、彼らは、ブランドの点ではお互いにかなり違うように見せていると君はいうことができる。CokeとPepsiが、実はほぼ全く同じプロダクトであることと捉えている人は実際ごく少数だ。つまり、競争関係にあると捉えている。僕は、実際に競争が起きているということを把握するのはそんなに簡単なことじゃないと考えている。多くの人は、独占状態を求めているけど、実際には、重要視していないことが多い。だから、自分たちは、実際にそれが本当かどうかもよくわからずに、常に、とんでもない数の競合と競争し合っていると考えていることが多い。

ホフマン:もし、君が、独占状態を単純に競争がない状態だと考えているなら、君は、自分自身に忠告した方がいい。特許はどうか?もし、非独占状態が政府に保証されていなかったら?もし、これらの会社が、彼らのオリジナルアイデアを追求することで、市場を独占状態にしていたら?例えば、イーロン・マスクのSpaceXは、民間では、ほぼ唯一、人々を火星に送ることができる会社と言っていい。

アンバー・アマッド:私は、実際、かなり競合の多い市場に入って行こうとしていた。みんな私が狂っているという感じてみていたわ。
ホフマン:アンバー・アマッドは、Mah-Ze-Dahr Bakeryの創業者だ。ここから素晴らしいベーカリーがたくさん生まれた。

アマッド:だから、私はこう言ったの。”大丈夫。差別化すべき点は見えているわ”と。もし、競争が激しいマーケットにチャンスがないというなら、そもそも同じ自動車業界に、Ford、GM、Toyota、メルセデス、そしてテスラが、同時に存在することなどできないはずと。常にチャンスはあると。しかもかなりの可能性で。私は、成功するために、特定の市場で単一のプレイヤーになる必要はないと考えているわ。

ホフマン:アンバーは、自分が何と戦っているのかをよくわかっていた。彼女は、もともとウォール・ストリートのバンカーで、自分のこの賭けに対して、どのようにリスクヘッジすべきかもわかっていた。だから、彼女は、そのベーカリーのオンライン販売から始めたんだ。

アマード:私は言ったの。”どうやって、私のコストを最小化しようか?”と。数億円もするスペースを建てたり、大きなキッチンを用意して、誰かが来てくれるかもしれないと考えてビジネスを始めるのではなくて、まず,”そもそも実績が出せる商売なのか試して見よう”ということで、オンラインから入ったの。

ホフマン:彼女は、リピート客を掴むと、カフェを開く足がかりを得た。

アマード:そして、私は言ったの。”私のお客さんはどこにいるのか?今日、どこで買い物をしているのか?”と。そして、それらのブランドのお店に行って、”私はあなた達と仕事がしたいの”と伝えたわ。そして、その一号が、Intelligentsia Coffeeだった。それが、私の初のホールセールの契約になった。

ホフマン:そして、彼女は羽ばたいて行った。

アーマッド: JetBlue Airlinesから声がかかったわ。彼らのファースクラスメニューに加えてもらえることになった。最終的には、月に22,000もの乗客にパンを提供できることになった。これは、私にとって、二つの素晴らしい方法を教えてくれた。大きなブランドとのパートナーシップで商品を試すこと、そして、そのパートナーシップを通じて、直接の顧客を獲得することができること。なので、その後もJetBlueと同じような成果を与えてくれるパートナーを探した。

つづく。

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