マスター・オブ・スケール – PayPal共同創業者兼元CEO ピーターティールのインタビュー#8

ホフマン:これは、とても大きなアイデアだ。速度の世界から逃れる。しかし、どうやって?ピーターは、これに対して方程式を持っている。

ティール:僕は、ペイパル時代にこの方程式を書いた。U sub T=U sub 0; E to
the XT。U sub 0は、初期のユーザー。そして、U sub Tは、ある時間帯Tにおけるユーザーの数、Eに対するXTは、幾何級数的な成長ファクターだ。Xの値を引き上げれば、幾何級数的な成長力は、さらに増す。

ホフマン:そう、彼は、ただこの方程式を頭の中でなんども復唱していた。君はこれについて理解する必要はない。この方程式は、シンプルに、ピーターが、その幾何級数的な成長を実現しているかどうかを把握するためのものだ。このピーターが読んでいる”ファクターX”がなんであるかがポイントだ。

ティール:この指数関数におけるファクターXは、ペイパルのときは、毎日7%ずつ増加していた。たった24人からスタートしても、この複利にとって市場を取れる。実際、24からスタートして、11月中旬には1,000に到達していた。そして、99年の12月には13,000に到達していた。2,000年の2月の始めには、100,000になっていた。そして、2,000年4月中旬には、100万に到達していた。

ホフマン:ピーターが、なぜ、17年も前の数字と日付を覚えていられるのか、不思議に思う人と思うだろう。それは僕も同じ。日々のこの数字の動きこそが、僕らの会社の未来を急激に変えて行ったからかもしれない。幾何級数的な成長は理解するのは簡単だけど、本気で信じるのはかなり大変だ。それが発見でき次第、君は、まさに速度の世界から逃れ始めていることをより性格に理解できるだろう。毎日7%ずつ成長していたんだ。このトレンドがつかめれば、数年で市場の全ての競合に勝つことができる確信が生まれる。僕らの場合、それは端的に、Ebayだった。

ティール:アインシュタインからの引用がある。本当にアインシュタインが言ったかはちょっとわからないが、複利のメカニズムは、この宇宙でもっともパワフルな力の一つだと。しかし、次に出てくる疑問は、”この強力な複利のメカニズムをどうやって機能させればいい?”ということ。そして、僕らは、emailにお金を紐付けることが、このプロセスを加速させるためのカギになると考えて、それを始めた。かなり狂ったチャレンジだったね。

ホフマン:このなかなか正しく評価されない複利の成長モデルが、実は、なぜ、シリコンバレーから、大きな成功が一夜にして生まれるかに繋がっているように思える。これが、なぜ、投資家が、たった一握りの会社に何百億という資金を注ぐのか?ということだ。だから、君のスタートアップが、この速度の世界から逃れている限り、この複利の成長メカニズムを理解している投資家は、君に投資を続けるのだ。

ホフマン:かなりおもしろい内容になったミーティングがあるのだけど、覚えているかな。ザッカーバーグは、今は、かなり明瞭な話をするようになった。でも、以前は、机をジッと見つめており、何も言わないことが多かった。これをなんと言えば良いかな。えーっと、ザックはあまり話をしなかった。でも、明確に覚えているのは、”もし、フェイスブックが嫌いなら、他のビジネスを考えているよ。Wirehogというやつ。”

コンピュータの声:Wirehogは、ザッカーバーグによって作られたファイルシェアリングサービス。

ホフマン:君は、あのP2Pファイル・ディストリビューションのソフトウェアの話を覚えているかい?

ティール:ああ

ホフマン:そんなもはどうでもいいよ!

ティール:そう、興味なし。

ホフマン:じゃあ、なぜ、僕らはザッカーバーグに投資したか? フェイスブックにXファクターがあったからだ。ハーバード大から始まったフェイスブックの一つの大学から次の大学への成長スピードは、My SpaceやFriendSterなど、他の競合を圧倒的に凌ぐものがあった。僕らには、フェイスブックが、大学キャンパスのネットワークから、より広い世界のネットワークにどのように広がるかなども含めて、何百万もの質問があったけど、重要なことは、フェイスブックのユーザーエンゲージメントレベルが、ありえないほど高かったことは、否定しようのない事実だった。フェイスブックが、新しい大学にサービス展開すると、たったの6週間で、その大学の80%の生徒がサービスを使っていたんだ。そして、なんと、一人平均、1日4回チェックしていた。だから、そのXファクターが、ザッカーバーグが何を言おうと – 何を言ったかも覚えてないけど – 僕らが出資するかしないかにとって重要だったんだ。

つづく。

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