東京オリンピックは開催されるのか?- 民族大移動ビジネスとしてのオリンピックとパンデミックの歴史的因果関係

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新型コロナウィルスが日本国内でも猛威をふるって来ましたね。僕は、以前から、東京オリンピックの開催は、なんとなく違和感を覚えていたのですが、その因果律がようやく見えてきたので、思うところをまとめておきます。

こちらの内容については、Youtubeにもまとめているので参考にしてください。日本語字幕付きです。

 

民族大移動ビジネスとしての「オリンピック」

まず、多くの人は、この点を理解しておく必要があります。オリンピックというは、莫大なお金が動く「民族大移動ビジネス」であるということです。東京オリンピックの経済効果は30兆円と試算されています。日本の2018年のGDPが、約500兆円ですから、6%を締めます。一発のプロジェクトでこれだけの経済効果を見込めるのは、世界的にみてもオリンピックがダントツでしょう。続くのは、サッカーのワールドカップや、万国博ですが、威力はオリンピックが圧倒的です。例えば、2002年に開催された日韓ワールドカップの両国の経済効果は2兆円と言われています。18年間分の貨幣のインフレ率を加味したとしても、単純計算でオリンピックはワールドカップの10倍近い経済効果が見込めるわけです。

この点を踏まえて、僕は、オリンピックの開催都市選定には、「その国の将来的な発展性と景気」の二つが鍵になっていると見ています。今回、2020年に東京オリンピックが開催されることになった背景は、間違いなく後者ですね。日本が、この30年あまりにも低迷が続いてきているので、「そろそろテコ入れした方がいいんではないか」というのが、世界のエスタブリッシュメントの中でコンセンサスが得られたと考えています。前者の例は、2008年に北京オリンピックを開催した中国がよい例ですね。20兆円近い経済効果があったと言われています。以下は、北京オリンピックの経済効果をまとめた記事からの抜粋です。

“北京市が01年に五輪開催権を獲得すると、その後の5年間(02~06年)の年平均GDP成長率は12.1%に達し、獲得前の5年間(1997~01年)の平均を1.8ポイント上回った。経済の持続的成長が、国民の生活水準の向上を直接にもたらした。07年の北京市の一人当たり平均GDPは7300ドルで、中収入国の上限に達し、01年に比べて倍増した。同時に、北京と五輪共催都市の都市インフラの水準も急速に向上。軌道交通を例に取ると、01年には北京市内の地下鉄営業路線は総延長約54キロに過ぎず、公共旅客輸送交通システム全体に占める旅客輸送分担率はわずか10%ほどで、世界のトップレベルとは大きな開きがあった。だがここ数年は軌道交通建設が大幅にペースアップし、08年7月までに総延長が200キロを超え、都市部の交通渋滞を緩和するとともに、運行効率が向上した。”(元記事はこちら

中国が、日本のGDPを超えたのは、この北京オリンピックから3年後の2011年でした。つまり、オリンピックというのは、経済成長を加速させるものすごいカンフル剤としての効果があることが、この点から理解できます。前回のオリンピックが、急成長経済の一つであるブラジルのリオで開催されたのも同じ理由ということです。

その経済効果の源泉は、記事タイトル通り「民族大移動」です。その裏付けは、観光庁が発表している「訪日外国人」の数ですね。以下のnippon.comがまとめたグラフをみてください。

URL: https://www.nippon.com/ja/features/h00358/

2011年の3.11の際に、放射能リスクを懸念して、急落した数値は、その後、2013年から訪日外国人の数が一気に伸びているのがわかりますね。この年は、東京オリンピックの掲載が決定した年です。そして、2020年の開催年には、観光庁は、4,000万の大台を突破すると試算しています。これが、オリンピックがもたらす民族大移動の効果です。

ちなみに、巨大な民族移動が起きるオリンピックというビジネス、実は、多くの人が持っているクレジットカード・デビットカードのVISAとMasterがオリンピックの最大スポンサーの常連企業の1社である背景も、ここにつながっています。VISAの友人に実際に教えてもらったのですが、VISAが、オリンピックに莫大なスポンサーフィーを払う最大の理由は、「民族大移動」にあるからです。それまでクレジットカードやデビットカードを持っていなかった人も、旅行をキッカケにもつことが多い。現金をもつのは不便な上、国によっては危険だからですね。そして、日本などまさにそうですが、東京オリンピックに向けて、経済産業省が、800億円という莫大な予算を投下した、日本が先進国の中でも、特に遅れている「キャッシュレス化」を進めた。ここには、僕もかつて一枚噛んでいたのですが、背景は、現金を持ってこない訪日外国人にキャッシュレス化を進めて、地方にお金を落としてもらうことが目的であり、当然、その有力な決済方法の一つに、クレジットカード・デビットカードがあるわけです。つまり、日本のこのような動きからみても、オリンピックは、4年に1回必ず発生する巨大な民族大移動イベントなので、デジタル決済業者が、そこに莫大なマーケティング予算を投下しないわけがないということです。

パンデミックと民族大移動の因果関係

しかし、この民族大移動というのは、過去、ネガティブな効果も多くもたらしています。パンデミックです。民族大移動とパンデミックは密接に関わっています。Wikipediaよりいくつかの事例を抜粋します。

アントニンのペスト(西暦160-185年)

V0010664 The angel of death striking a door during the plague of Rome
Credit: Wellcome Library, London. Wellcome Images
images@wellcome.ac.uk
http://wellcomeimages.org
The angel of death striking a door during the plague of Rome. Engraving by Levasseur after J. Delaunay.
By: Jules-Elie Delaunayafter: LevasseurPublished: –
Copyrighted work available under Creative Commons Attribution only licence CC BY 4.0 http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

ローマ帝国時代にイタリアで発生、天然痘の一種と言われています。エジプト・トルコ・西アジアに遠征に行っていたローマ軍が、現地で感染し、イタリアに帰省後、発生。500万人が死亡したと言われている。上記は、当時の惨状を絵画にしたもの。

– スペイン風邪(1918-1920)

https://en.wikipedia.org/wiki/Spanish_flu

インフルエンザが引き起こした20世紀最大のパンデミック。ヨーロッパから発生し、世界中に広まった。感染者は5億人で、そのうち、5,000万から1億人が死亡したと言われている。パンデミックになった最大の原因は、第1次世界大戦と考えられている。世界中で戦争が起きていたため、感染した兵士の衛星環境の問題から、軍隊内での感染拡大が世界拡大の引き金となったと考えられており、当時使用された毒ガスなどの影響で、肉体的に衰弱した兵士が多くいたことで、感染が拡大が短期間で急激に発生したと言われている。インフルエンザ予防が一般的になった背景には、この事件がある。

この二つは、民族大移動が引き起こしたパンデミックの最大と言える事例で、それ以外にも、大航海時代に、南米にスペイン人が侵略活動を行った際に、現地インディアンが免疫を持たない菌を、スペイン人がヨーロッパから宿主として持ち込んだことで、大量のインディアンが死んだことなどがわかっています。

このように、民族大移動の影響で、我々はパンデミックをなんども経験してきているということです。ここから、我々が学び取るべきメッセージは何か?それは、「短期間で起きる民族大移動は、地球との共生にそぐわない」ということです。要するに、急激な環境変化を地球全体にもたらすからですね。パンデミックは、その副作用的な存在と言えます。

また、上の二つのパンデミックケースから読み取れる文脈として、勘のよい人ならわかると思いますが、オリンピックという民族大移動ビジネスは、「平和の祭典」、すなわち、逆の「戦争による経済効果に代替するビジネス」であるということ。昔は、戦争はビジネスでした。大英国時代に全盛期をほかった世界の金融王と呼ばれたロスチャイルド家も戦争で儲けていた。日露戦争も、ロスチャイルド家にとってはビジネスの対象です。そのあたりは、「こちらのブログ」にまとめています。しかし、人類は、8500万人もの人命を失った第2次世界大戦を通じて、これ以上戦争をビジネスにするのは限界であることを悟り、オリンピックに同じ経済効果を期待するようになっていった。しかし、地球環境に与えるダメージは同じということです。

都市経済のパンデミックに対する脆さがもたらした香港の「終わりの始まり」

そして、もう一つは、ここに2次的に関わってくる「都市経済」のパンデミックに対する脆さですね。以下は、ロイターの現地班が録画した動画で、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、発生源の武漢市のみならず、北京や上海もゴーストタウン化しているという事実です。

都市は、人口密度が高い。がゆえに、一度、感染者が出ると短期間で急激に拡大するリスクがある。だから、外出禁止令が出される。しかし、これは都市経済にとっては、莫大な経済ダメージをもたらします。人口過密こそが、都市経済の経済力を支える源泉だからですね。単純で、そこに集まってくる人が多ければ、1件の飲食屋に落ちる金も多くなるし、不動産の価格も上がるし、生活に付随する様々なビジネスが栄える。そうやって、都市経済というのは発展してきた。

しかし、このブログをよく読んでくれている読者であればわかると思いますが、この都市経済というのが、地球環境の視点から見ると、「地球資源の最先端浪費システム」であるということ。簡単にいえば、地球にとって、がん細胞の一つであるということです。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。国連WWFが「生きている地球レポート」のデータ分析で指摘しているように、環境破壊の極みと言えるのが、この「都市経済」なのです。

そして、世界の都市経済における象徴とも言える香港が、今回の新型コロナでとうとう悲鳴を上げ始めました。

香港は、世界一人口密度が高い都市経済としてよく知られていますね。だからこそ、彼らは、パンデミックに対してものすごく脆い。しかも、昨年から続く香港のデモでわかっているように、都市経済は、経済格差の極みと言える存在です。

となってくると、何が見えてくるのかというと、

「東京」オリンピックは開催中止となるか?

という可能性ですね。まだ、歴史上、パンデミックが原因でオリンピックが開催中止になったことはありません。

しかし、もし、今回の新型コロナウィルスが原因で、都市経済の象徴とも言える「東京」での民族大移動ビジネスのオリンピック、東京オリンピックが開催中止となった場合、これは、オリンピック史上初のパンデミックが原因による開催中止となります。僕は、それは間違いなく、地球が「民族大移動ビジネス」の問題を人類に投げかけているサインと捉えるべきだと考えています。それは、経済のグローバル化そのものです。

そして、もう一つのサインは、香港のケースで明らかなように「都市経済」自体が、地球資源を莫大に浪費する悪しき経済システムの象徴であるということ。このがん細胞をとり除けということです。

つまり、総じて言えることは、「我々の経済システムのあり方を考え直せ」というメッセージということです。

自然界は、人間のように「言葉」は持たないので、行動によって、応えてくる。人類に対して強烈な殺傷力をもつウィルスは、正に、その抗議活動のパターンの一つですね。

それは、同時に、僕が沖縄で進めている「Deep Tech Island構想」の価値を多くの人類に認識してもらうことにもつながる。自律分散型経済システムに我々はシフトしていかなければ、我々、人類の未来はない。

最後に

たまに、新型コロナウィルスの陰謀説(人工的に作られたなど)がメディアから流れてきますが、僕はこれは、実に人類の傲慢な発想の典型例と考えています。なぜなら、自然経済を無視した人類の地球上の活動に、地球が黙っているわけがないと考えているからです。その点は、「こちらの記事」にまとめています。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

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