マスター・オブ・スケール –元Google VP, Yahoo! CEO マリッサ・メイヤーのインタビュー#8


ホフマン:しかし、メリッサが2012年7月にYahoo!に参加した際、それらのエネルギーと情熱は、何重もの官僚的な組織と長く続いたミスマネジメントによって、かなり衰退してしまっていた。

メイヤー:今でも覚えているわ。初日に、ある人がこう言ってきた。”どこから手をつけたらいいか、検討もつかない状況だ。ここでは、何千ものことが誤った形で実行されてしまっている。” 、そして私は”ほんとに?何千ものことを修正しなければならないの?”

ホフマン:しかし、同時に、水面下でそのエネルギーが充満しつつあった。

メイヤー:私のYahoo!でのはじめの1週間は、カフェテリアでウロウロとしている感じだった。そしたら、一人私のところにきて、私のトレイに手をおいて、”Go-timeなの?”と。

彼に私は”どうか去らないで。まだ4日しか経っていない。私たちは、もっと楽しい何かをできるかもしれない”と。すると、彼は”僕は辞める話をしてるんじゃないよ。僕らのほとんどは、この5,10,15年ぐらい、何かを成し遂げてくれるリーダーシップに待ちくたびれているんだよ”と。だから、私は、”そう。Go-timeのときよ。”と。

ホフマン:君はこのことに驚くかもしれない。多くの人は、Yahoo!をゾンビ企業だと見ていた。しかし、そんなゾンビ企業の中にも、情念を持った社員がいるのだ。もちろん、多くの野心的な人材はとうに去っていた。残った人材たちは、自分たちの周りのシステムに対して怒りを覚えていた。このような状況に対して、もっともいうべき一言は、”今まで何年も君らがやってきたことは、一旦、全部忘れて、新しいアイデアに息を吹き込むことに集中しよう”だ。

メイヤー:究極的には、エリック・シュミットがよくいうように、リーダーシップはデフェンスということ。”いいかい、エグゼクティブは不幸なもので、コードは書かない。デザインもやらない。君の仕事は、チームに方向性を与えて、その実行のための障害を取り除いてやることだ。彼らが最高のパフォーマンスが発揮できるよう側面支援し、彼らの進む道をいつもキレイにしておいてやることだ”と。

ホフマン:そうして、メリッサは、Yahoo!が通るべき道をキレイにしていくことをはじめた。

メイヤー:素晴らしい女性がいたわ。パロリシア・モール・クリーセ。私は、彼女をRed Tape Macheteと呼んでいたわ。彼女は、会社の意思決定者のところに出向いて、それを全て否定し、”このプロセスは全くナンセンスだわ。これは金輪際ナシにしましょう。”と。

ホフマン:全ての成功するプログラムには名前が必要だ。メリッサは、このプログラムを”PBとJ”と名付けた。

メイヤー:”PBとJ”は、process, bureaucracies, そしてjamsから取ったもの。基本的に、全く納得が行かない、process, bureaucracies, そしてjamsを私にレポートするというもの。何かキャッチーな記憶に残るものにしたかった。納得の行かないプロセスや官僚制度が見つかったら、それを壊しましょう。と。パトリシアは、毎週金曜、FYIというカンパニーミーティングを開いた。彼女は、ピーナッツバタージェリータイムの曲をイントロにして、その週で決めた“PB and
J”をみんなに伝えた。

ホフマン:“PB and J”の元で、社内の誰もが、Red Tape Macheteに会社の問題について、それに対する改善案を提示するという条件付きで提案することができた。

メイヤー:私は、基本的に、とてもスケールする集合知の形成を社内に生み出すことができた。ある問題があったらそれに最適なソリューションもセットでついてくるという具合に。彼らは、玄関から裏口まで完全に開いた状態のバンガロールのような状態を作り出すことができた。

これによって、ようやく会社は少しずつ機能するようになっていくと同時に、多くの人々を勇気付け、彼らにこう感じさせることができた。”あなたにはこの解決先の一部になってもらいたい”と。

つづく。

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