マスター・オブ・スケール –元Google VP, Yahoo! CEO マリッサ・メイヤーのインタビュー#10

メイヤー:投資家に対して、こういう例え話をしたこともあったわ。一つのカゴの中に二匹のネコがいると。一つのネコはインターネット産業においてとても興味深くかつしっかりとビジネスが運営されていて、もう一つのネコは、アジア資産にとても興味があってそれがどうなるかにとにかく注目している。つまり、二匹のねこをカゴから出すタイミングがきたということ。

ホフマン:メリッサと彼女のエグゼクティブチームは、二つのその投資家グループが喜ぶプランを考え出した。Yahoo!のコア事業は、一つの独立企業として存続し、IPOする。そして、アリババの資産は、別の会社にスピンオフして移管する。しかし、前者のプランが問題が多いことが見えてきた。

メイヤー:私達は、税金がかからないタックスフリーのスピンオフプランを考え出した。同時に、政府は、タックスフリーのスピンオフを審査することを決めた。そのことに一部の投資家がとてもナーバスになった。最終的に、この選択肢を実行しないことに決めたわ。かわりに、リバース・スピンと名付けたプランを実行した、つまり、Yahoo!のコア事業を売却し、アジアの株式資産を別会社に移管するというもの。実際、アジアの株式資産がとても大きいなものだったから、これには投資家たちも納得してくれた。結果的に、コア事業をベライゾンに売却することにした。

ホフマン:しかし、君はどう自分を説得してそのような行動を取らせたの? “OK、今まで通ってきた道は異なる道を歩むことになった。まあ、こうなるべくしてこうなったのだ”と。

メイヤー:もちろん。総じての感想としては、私はYahoo!を愛している。確かにホームランを打つような素晴らしい終わり方もあったかもしれない。しかし、そうなるにはすべてが完璧に進む必要があったと思う。しかし、物事が全て完璧に進むことなどない。特にタイミングについてはね。皮肉なことは、今だから振り返ってみて、”あのいくつかの経営判断を別の形になっていれば、私は本当に素晴らしい結果を会社にもたらすことができただろう”と。

同時に、実際に与えられていた時間を思うと、正直、分からないわ。後の祭りのようなもので、そのように考えることもできる。しかし、実際に与えられた時間の中では、本当にそう行動が取れたかは分からない。ただ、私は、自分のチームは、エグゼクティブメンバーも含めて、それぞれの個人の会社への貢献度を踏まえても、本当に最適なチームをもつことができたと思う。

ホフマン:このメリッサのYahoo!での経験を外部者の立場として、僕が痛感するのは、ターンアラウンドを成功させるためには、本当に十分な時間が必要だということだ。君が、とても優秀な人材にアイデアを生み出してもらうにせよ、外から新しいアイデアを持ち込むにせよ、君は、それらのアイデアをしっかり練り上げ、そして、組織的に事業化していく必要がある。そこには、一定のタイムフレームが必要だということだ。

奇妙に思えるが、それはまるで電気ショートを起こす可能性も伴った燃料パックのような存在と言える。別の見方では、”僕らはこの実現のために十分なリソースを持っている”。そして、別の見方では、”やはり、予想したように電気ショートを引きおこした”と。そして、突然、時間ぎれがやってくる。

メイヤー:まさにそう感じたわ。まるで砂時計のような感じ。はじめは、ゆっくりとまるでそう簡単に落ち切らないかのような感じでスタートするのだけど、あるときから一気に流れ落ちていく。Yahoo!の中にいて全く同じように感じた。はじめは、アリババの株が、私たちに、本当に必要だったたっぷりの時間を与えてくれた。しかし、最後は、ほんとうに時間が足りないと感じた。そのときにいつも感じた。この新しく作り上げた収益と、この計画と、そして、このチームがあれば、もう1年あれば、あと30ヶ月あれば、きっと理想の結果に終わるのにと。

後知恵としては、もちろん、後知恵は常に矛盾しているけど、あのスピンオフプランがうまく行って入ればと、タックスフリーのプランが問題なく実現できて入ればと、でも結果的にダメだった。私達は、自分たちが下した結論の内容をよくわかっていた。けど、もし、元のあのタックスフリーのオリジナルプランを実行していたら、本当に独立会社として素晴らしい成功の道を歩めたのじゅやないかと思う。

ホフマン:Yahoo!を去ってから、メリッサは、新しいプロジェクトをやるため、Lumi Labsを創業した。その場所は、なんと、あのGoogleの元のオフィスがあった場所だ。

メイヤー:私は、自分のキャリアがスタートしたあの場所に戻ることで、生きている実感を毎日得ている。パロアルトのスタンフォード大学の大学通りにあるバイクショップの2階。あそこに面白い階段があってね。。。

ホフマン:実は、ペイパルのオフィスもそこにあったんだよ。だから、君がどこのことを言っているかわかるよ。

ホフマン:その意味で、このオフィスは、シリコンバレーの最も重要な人材を育てた場所とも言えるね。

メイヤー:私は、APMプログラムを誇りに思っている。なぜなら、インターネット産業にものすごい大きなインパクトを与えたから。けど、私は、その実績は自分だけのものだと思わない。だって、彼らは本当に素晴らしい人材で、むしろ私から彼らに彼らのアチーブメントに賞賛を与えたいぐらい。

ホフマン:レイド・ホフマンでした。ご静聴ありがとうございました。

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