僕のAnkr NetworkのトークンANKRの投資評価について

Ankr NetworkのトークンANKRの投資評価についてまとめました。参考にしてください。僕のポートフォリオ戦略においては、BaaSとブロックチェーンインターオペラビリティが該当します。

ペインポイント分析

BaaSやDEXにとってのDevOpsのペインポイントにフォーカスしているプロダクトです。ソフトウェア開発をやっている人なら分かると思いますが、わかり易く例えるならば、「ブロックチェーン版Docker」です。

From Wikipedia – Dockerはコンテナ仮想化を用いてアプリケーションを開発・配置・実行するためのオープンソースソフトウェアあるいはオープンプラットフォームである。Dockerはコンテナ仮想化を用いたOSレベルの仮想化(英語版)によりアプリケーションを開発・実行環境から隔離し、アプリケーションの素早い提供を可能にする。かつその環境自体をアプリケーションと同じようにコード(イメージ)として管理可能にする。Dockerを開発・テスト・デプロイに用いることで「コードを書く」と「コードが製品として実行される」間の時間的ギャップを大きく短縮できる。

コンテナと言うのは、荷物を運ぶコンテナから名付けられた表現です。ソフトウェア開発におけるコンテナとは、コンテナの中にプログラムが実装されており、それを利用しているクラウド環境、例えば、AWSなどに展開して、実際のアプリケーションに追加する際などに、手軽に行えるようにしたソフトウェアです。開発者のためのソフトウェアですね。開発者に取っては、コードを書くこととそれをアプリ側にアップデートすることは別の作業になり、後者は最後工程ではあるもののちと面倒な作業です。Dockerは、コンテナと言うプログラムをクラウド環境にパッケージングして簡単に配布できる機能を持っているので、ソフトウェアエンジニア側のその作業負荷が大きく下がります。Dockerはその中でも世界No.1のシェアを持っており、広く普及しています。

僕も経営していたOrbの初期のプロダクトは、ビットコイン決済でしたら、決済アプリをビットコインのブロックチェーンとつなぎこむのはなかなか大変でした。そう言う機能をビットコインのブロックチェーン側が持っていないのですね。これは、BaaSや、その上で発行されているトークンなども同じです。もともと、AWSなどのクラウド環境もそのような機能を持っていないため、Dockerが大ヒットしました。

なので、CEXやDEXのように様々な仮想通貨を扱う事業をやっているプレイヤーにとっては、現状のDevOpsは大きなペインポイントになります。

プロダクト分析

まず、主に3つのユースケースを想定してプロダクト開発を進めていることがわかります。

 

  • 1 .CEXやDEXのDevOpsの負荷を軽減する
  • 2.自前ブロックチェーンを構築しているプロジェクトがDevOpsの負荷を軽減する
  • 3.バリデーターとしてあるブロックチェーンに参加するユーザーがAWSや自分の余っているコンピューター資源を使ってネットワークに参加する際のDevOpsの負荷を軽減する

です。いずれも、開発者の側のペインポイントを明確についている優れたプロダクト戦略です。ただし、プロジェクトの全体の動きを見ていると、Ankr自体が、自前でユーザーを呼び込んで、自らのバリデーターネットワークを構築していっていることが確認できます。なので、おそらく将来的には、イーサリウムなどのBaaSやCOSMOSなどのブロックチェーンインターオペラビリティの市場に入っていくことを想定した市場参入戦略として、この「ブロックチェーン版Docker」と言うポジショニングを取っています。とても上手いですね。なので、現時点では、イーサリウムやCOSMOSにとってのミドルウェアのような立ち位置になります。

ただ、このプロダクト戦略を取っている背景は、長期では、ブロックチェーン版Dockerでは生き残れないと判断しているためだと見ています。なぜなら、現にDockerがオープンソースで提供されていますからね。つまり、Dockerがブロックチェーン領域へ機能拡張したら、Ankrは生き残れません。今は、Dockerがそこまで拡張していないので、この領域で、課金してもユーザーはお金を払うと言うことです。現に下記のようにサイトでそこを謳い文句にしていますね。

Ankr Network

だから、写真にあるように、プロジェクトのミッションはあくまで「Distributed Cloud Computing on Trusted Hardware」としているわけです。Trusted Hardwareとしている点は、COSMOSのモデルと同じで、無差別にバリーデーターを受け入れるのではなく、ある程度フィルタリングする考えでしょう。それで、イーサリウムなどと差別化する考えだと思います。ただ、ハードウェアを選ばないのがブロックチェーンの技術的特徴なので、ここはあまり意味がない考え方だと思います。

チーム力分析

Chandler Song – Co-Founder & CEO – Linkedin

UCバークレーで、電子工学とコンピューターサイエンスの学位を取り、その後、AWSで勤務中に、Ankrのプロダクトのアイデアを得たようですね。結果的にAWSを半年で出ています。フォーブスのUnder 30の起業家にも選ばれています。

Stanley W – Co-Founder & CTO – Linkedin

ロチェスター大学のコンピュターエンジニアリングの修士号を取ったのち、AWSで10年間、最後はテックチームリードをやっていたバリバリのクラウド専門のエンジニアです。AnkrのCTOとしてはうってつけですね。CEOのリクルーティング能力の高さがわかります。

Ryan Fang – Co-Founder & COO – Linkedin

UCバークレーで統計学の学位を取ったのち、そのままビジネススクールに進みMBAをとり、在学中に投資銀行やコンサル企業でインターンした経験があるので、かなり数字には強いCFOタイプのCOOといえます。フォーブスのUnder 30の起業家にも選ばれています。

Weir (wweir) Wei – R&D Engineer – Linkedin

彼は上海ベースで、過去のキャリアは全て中国企業なので、実力レベルが少し謎です。しかし、R&Dエンジニアをやると言うことはチームの中でも相当クリエイティビティが高いと言うことです。

Marco Robustelli  – CMO – Linkedin

オランダにあるM7という国内大手のケーブルTV会社(いわゆるNetflixのようなもの)で、顧客分析系のマネージャを長くやっていたあと、独立し、その後、Ankrにマーケティング担当として参加しています。

チームの実行力

まず、現時点で、すでに34のブロックチェーンに対するDevOpsサービスを展開済みです。新たなブロックチェーンへの対応は、ユーザーからの投票制で行なっています。ニーズの高いところから確実に実装していく賢い拡張方法ですね。

Ankr Network

そして、明示的には以下の15社が利用しています。

Ankr Network

数字ベースでは以下の実績です。

着実に伸ばしてきていますね。

そして、バリデーターネットワークの成長ですが、明示的には5社の企業が、余っているサーバーリソースを提供しています。個人レベルの参加は表示はしていないのですが、おそらくですが、開発者が結構リソースを提供していると見ています。

Ankr Network

トークンエコノミー

まず、対応のブロックチェーン数を増やすほど、ユーザーは増えていきます。シンプルですが、これが基本のネットワーク効果になります。その上で、もう一つは、バリデーターネットワークの成長ですね。ユーザーが増えるほど、利用機会は増えますから、バリーデーターとしての参加メリットも増えて来ますから成長していきます。この二つのグロースエンジンでネットワーク効果を得ていくトークンエコノミー モデルと言えます。

ハイプサイクル

BaaSやブロックチェーンインターオペラビリティに近いので、下記のまずは、「Blockchain」に該当します。本格的な成長フェーズに入る段階ですね。ただ、もう一つは、このカテゴリのソフトウェアは「DAO」への取り組みは早いため、DAOのトレンドの追い風を受けることもできます。

 

総合評価

2018年9月に実行したICOで、合計19億円ほど調達しています。資金力は十分ですね。チームもよく、とても面白い勝負の仕方をしているので、タイミングをみて少しアロケーションする価値はあると思います。ただし、最終的にイーサリウム、EOSCOSMOSなどの大型プロジェクトと競争することになるプロダクトになるため、かなり競争は激しく、どこまで大きくなれるかは、未知数と言えます。特に、ブロックチェーン業界は、「1st Mover Advantage」が働く市場だからです。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

注記:最終的な投資判断は自己責任です。

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