僕のOrchid LabsのトークンOXTの投資評価について

Orchid LabsのトークンOXTの投資評価についてまとめました。参考にしてください。

ペインポイント分析

Orchid Labsは、Decentralized CDNのプレイヤーの1社です。僕のポートフォリオ戦略におけるレイヤー2に該当します。詳しくは「こちらの記事」を参考にしてください。

この市場は、非中央集権型のインターネットを実現する上で、非常に重要なレイヤーです。現状のCDN市場は、Akamaiが最大手であり、影のインターネットの巨人と言われ、全世界のインターネットトラフィックの30%以上を処理すると言われています。しかし、彼らのシステムは、中央集権的なのですね。なので、インターネットを非中央集権化する上で、CDN市場をブロックチェーン化することは必須です。この点について詳しく理解したい人は「こちらの記事」を参考にしてください。

多くの個人投資家は、BaaSがCDNに相当する役割を果たすと考えていますが、僕のOrbでのBaaSの開発経験を踏まえると、それはまだだいぶ先の話になるでしょう、簡単に行ってしまえば、個人がマイニングに参加できる時代が到来しないと、CDNと同じレベルの機能を実現できないからですね。その点から、DENTなどがよい例で、個人をマイナーとしてすぐに巻き込めるCDN市場の方が先に立ち上がると見ています。

プロダクト分析

競合は、BTTDENTNKNTHETA、などになります。それぞれリンク先を参照してください。

これらの競合と、Orchid Labsの決定的な違いは、Orchidは、VPN(Virtual Private Network)市場にフォーカスしていることです。VPNは、日本ですと、オフィス環境で使われることが多いですね。別名社内イントラネットと言ったりもしますが、社内の人しか見れないサイトなどは、VPNが使われています。GoogleやFacebookなど公開インターネットサービスと同じように、ウェブブラウザを使ってみることができます。しかし、特定のアクセス権限を持った人しかそのサイトには入れません。例えば、社内の人事評価システムなどは、社員以外の人が見れると、個人情報が漏洩するリスクがあるため、VPNを使って保護します。

しかし、中国市場などでは、VPNは別の使われ方があります。それは、公開サービスをVPNを使って利用するという方法です。具体的にはLINEなどですね。中国では、LINEの利用は政府の方針で禁止されています。背景は、LINEは中国本社の会社ではないので、個人のネット活動を厳しく監視している中国では、中国国内にデータセンターがなかったり、中国に本社がない会社のインターネットサービスは、監視が国内企業に比べて難しくなるため、結果的に利用禁止にしています。どうやって禁止するかというと、LINEやFacebookもそうですが、公開インターネットサービスなので、中国の公開インターネット上で、そのサイトのURLを除外する設定を政府がしてしまうと、これらのサイトに中国のインターネットに接続する際には利用できなくなります。

ただし、多くの人は、そんなことにもへこたれません。笑

この際に、VPNが活躍しています。クローズドなインターネットなので、中国政府が監視できないからです。まあ、逆手にとった発想です。僕も中国滞在中に、LINEやInstagramを使いたくて、VPNアプリをダウンロードして、使ったことがあります。

Orchid Labsがフォーカスしているペインポイント領域、かつプロダクトは、このVPNなのですね。

しかし、ここからがOrtchidの事業立ち上げの難しいポイントです。VPNを非中央集権化するということは、通常のVPN業者は、自前でサーバーを用意して運用していますが、その役割をOXTのインセンティブを渡すかわりにユーザーにやってもらうことになります。どのユーザーが、初期のユーザー層になるのか。。。正直、かなりのニッチ市場になります。

見方を変えると、実は、僕も分析済みの「DASHなどに近いのですね。DASHはDAOにフォーカスした仮想通貨ですが、地域的に密集しないと利用価値が上がりません。僕がOrbで取り組んでいた地域通貨と同じです。地理的な密集したユーザーベースを構築しないとネットワーク効果が働きズラいからです。その点が、DENTやNKNに比べてツライところです。

NKNなどは、シンプルに、Akamaiの競合であるCrowdFlareと同じソフトウェアを提供し、裏方をP2Pネットワーク化し、協力してくれているノードにNKNのインセンティブを渡すというシンプルなソリューションを提供しているので、市場開拓しやすいですが、Orchidの場合は、使い手=リソース提供者がの関係が成立しないと「リソース提供者が、使い手を監視できてしまう」という環境になるため、全くVPNとして機能しません。なので、事業開拓の難易度がより高いと言えます。

その点から考えると、ある意味、技術的にやろうとしていることが論理的に矛盾しているように思えます。なぜなら、ブロックチェーンの本来の思想は排他性を除外して、不特定多数がネットワークに参加できつつも、システムとして崩壊しないことを実現することであるからですね。VPNは、参加者を限定することに意味があるので「排他性」を伴います。

VPNのユースケースでも、ブロックチェーンを使う意味があるものが見つかれば良いのですが、現状、まだその辺りがOrchidは見えてきていないようです。

チーム力分析

Dr Steven W. – Co-Founder & CEO – Linkedin

仮想通貨のVC経験もあるベテランの連続起業家です。ケンブリッジ大学のコンピューターサイエンスでPh.Dを取得しており、その後、サンマイクロシステム時代に、P2Pテクノロジーを扱った経験があります。直前は、仮想通貨業界のVCとして老舗のPanterra Capitalのパートナーをやっていました。パテントトロール対策のソリューションを提供するテックベンチャーの共同創業者兼CTOの経験もあります。Polkadotが立ち上げているW3財団のシニアアドバイザーも務めています。

Jay Freeman – Co-Founder & CTO – Linkedin

サンターバーバラ大学でコンピューターサイエンスのPh.Dを取得し、その後、ベンチャーを立ち上げたりしています。現在は、リサーチサイエンティストとして独立稼業をしており、Orchidもその立場で仕事を引き受けているようです。おそらく、色々なものに関心がいく天才肌の人物だと見ています。

Brian Fox – Co-Founder – Linkedin

MITを人工知能分野でコンピューターサイエンスの学位をとり、その後、テックベンチャーをいくつも手がけているベテランの連続起業家です。現在は、Opus Logicaというインキュベーター会社のCEOをやりつつ、Orchidのプロジェクトに参加しています。

Saskia Essex – Senior UX&UI – Linkedin

UNSW Art & Designというデザインスクールで修士号を取得し、その後はデザインコンサルタントとしてキャリアを歩んでいます。BrianのOpus Logicaでデザインコンサルタントをやっており、それで、Ochirdのプロダクトデザインを見ているようです。

Alexander Kehaya – Business Development – Linkedin

彼も連続起業家で、BrianのOpus LogicaでEIRを現在もやっています。その縁で、Orchidの事業開発を手伝っているのでしょう。ビジネス系の人材ですね。

Derek Silva – Community – Linkedin

直前は、トラストスコア系のブロックチェーンベンチャーであるBloom Protocolで、コミュニティマネジメントのヘッドをやっていた人物です。Orchidでは、フリーランスとして協力しています。

外部リソースもうまく使いながら立ち上げており、このスタイルは、DENTと同じです。

チームの実行力

125億円のICOを2018年に実施していますが、以降、特にまだ実績が上がってきていない状態です。

トークンエコノミーの分析


VPNのB2Cアプリを提供しているので、上の二つが該当します。その点から、下記のNKNのトークンエコノミーに近いと言えます。しかし、NKNと違うのは、利用者が、通信企業ではなくユーザー自体になることです。うーん、ユーザー開拓がかなり難しい気がします。。。

NKNのネットワーク効果

 

ハイプサイクルの分析

最後にハイプサイクル分析ですね。DENTなどと同じ、「Blockchain Data Exchange」が該当します。ここはまだ本当に黎明期なのでかなりポテンシャルの高い市場です。

総合評価

2017年から開始しているプロジェクトで、100億以上、調達しているので、経営はしばらく続けることができます。チームも非常に優秀なメンバーが集まっていますが、正直、ユースケースが見つからないときびいいとみています。おそらく、先行しているBTTなどと差別化するために、VPN市場にフォーカスしたと思うので、ここに、高いポテンシャルを持ったニッチ市場が存在するのかどうか、総合評価としては、「様子見」です。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

注記:最終的な投資判断は、全て自己責任です。

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