ディープ・テックについてきちんと理解したい人にオススメの書籍その名も「DeepTech」

最近、ようやく日本でも「ディープ・テック」について議論する人が増えてきましたね。仕掛け人の一人としてうれしい限りです。

そのような中、僕も周囲の後輩の起業家などから、「ディープ・テックについて理解を深めたい」と推薦図書の依頼を受けることが多いのですが、僕の中で一番よくまとまっているなと感じるのは、前回「こちらの記事」でも紹介したユーグレナ社の創業メンバーでもあるリバネスの丸さんが書いた「Deep Tech」ですね。

今、僕も丸さんと一緒に仕事をしているのですが、丸さんは、ユーグレナの創業時代も含めて、10年以上ディープテック領域をやっているので、知識も豊富で、実際に関わっているプロジェクトなどをベースに事例も多く取り上げられているので、とても網羅的にまとめられています。ピケティの本を読むより実践的に得るものが多いでしょう。なぜか?

理論だけではなく、実践を行なっているからです。

これからの時代、ますます、これが重要になってきます。理論ばかり扱っていても、社会実装は進みません。その点で、ピケティの書籍は、僕からすると20代に何千と読んだ書籍からの一部の知識をまとめ直してやき直した内容なので、正直、「もう知っているよ」という内容ばかりなのですね。でまた、彼が解決策をたまに提示しているのですが、全然、実行力のないアイデアばかりです。いわゆる「学者が考えつきそうなアイデア」というやつです。

しかし、丸さんが書いた「ディープテック」は違います。まず、彼自身が、博士号をとった一人の研究者としての目線を持ちつつ、一つのディープテックについて、社会におけるペインポイントを捉え、そのテクノロジーと社会実装の間にあるギャップを如何に埋めるかということを自ら立ち上げたリバネスでずっとやってきているからです。

以前から伝えることですが、日本のスタートアップコミュニティは、ほんと、トレンドフォロー型の起業家と投資家ばかりで、いつもシリコンバレーの尻を追い回しているだけで、自分たちで世界の重要な問題について深く考えて、自ら解決策をひねり出し、そして育てるという意識がほとんどないのですね。僕からすれば、ウォール街の拝金主義者たちと一ミリも変わらない。なぜなら、金融で儲けるすべを知らないからITベンチャーやっているみたいな話だからです。

一方、「Deep Tech」著者のリバネスの丸さんは違います。僕と同じように学生時代から、社会問題に向き合い、科学者としてその解決策を模索してきている。シリコンバレーの本流をいく起業家と同じマインドセットを持っています。

こういうコミュニティからこそ、ユーグレナのような企業が生まれてくるわけですよね。

日本において、このように本流を行くコミュニティはとても小さいですが、世界にはたくさんあります。特に、SDGsが掲げる課題に直面している東南アジアなどの新興国では、非常に純粋な起業家精神を持った人材がたくさんいます。僕も、丸さんに招待していただいたリバネスが主催するDeep Tech スタートアップの育成イベントである「Tech Planter」のイベントで、そのようなマインドセットの起業家に出会い、非常に強い共感を覚えました。

ですから、丸さんは、住む場所もシンガポールに移して、彼らとディープテックの流れをアジアから生み出そうとしているのですね。僕もそこにとても共感し、OISTから合流する動きを取っています。なぜなら、OISTのある沖縄は、日本で一番「アジア」に近い地理的な位置にあるからです。

ということで、再度、丸さんの「Deep Tech」の書籍のリンクをのせておきます。これからの日本の若い純粋な起業家精神を持った若者がかけるべきテクノロジーは、「Deep Tech」です。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

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