ビットコイン週次分析-2020.03.09-03.15-コロナショックが本格化していないので余談を許さない状況

ビットコイン週次分析で、期間は、2020.03.09-03.15です。チャートデータは、全てBinance(バイナンス)のBTC/USDTを加工したものになります。価格はUSドルベースです。

こちらの内容はYoutubeにもまとめています。時間の関係上、字幕はつけられていませんが、合わせてご覧ください。

ポートフォリオのアップデート

相場は暴落しましたがまだ買い増しには動いていません。変化なしです。僕のポートフォリオ戦略については「こちらの記事」にまとめています。

 

チャート分析

1時間チャートの動向

先週、指摘した「$7,672」という年始の上昇相場を支えてきた要の価格を3月12日に割ってしまい、いつものパターンで、その後、完全に総崩れを起こしました。幸いだったことは、暴落後の戻し相場の売買高が、その手前の急落時の売買高を上回ったことですね。空売りの買い戻しと追加買いが入る価格の動きになったと見ています。もう1点は、3月16日6am台に発表された米FRBによる、金利利下げ(1%を利下げし、最新金利は0.00%-0.25%とほぼゼロ金利水準)を好感しての買いが入ったことですね。ただし、この買い「リスクオン」への期待なので、本来、仮想通貨経済が米国経済を凌ぐという可能性を見出しての買いではない点に注意です。

 

日足チャートの動向

先週の分析データを一部残して、わかりやすくしています。詳しくは、こちらの過去の分析記事を参照してください。1月10日に完成させた逆三尊型のきっかけとなった価格、$7,672を割ってしまったことで、起きた値崩れです。こちらも急落日(3月12日)の売買高よりも回復日(3月13日)の売買高の方が、大きく上回っていることから、大口投資家を中心に買い支える動きがあったことがわかります。

週足チャートの動向

週足では、完全な底打ち感はまだ出ていません。当面は、2018年12月10日の$3,156.25を割らないかがポイントです。

ビットコインのハッシュレートの推移

Bitcoin.comからのデータです。価格が暴落したことで、難易度の上昇傾向はストップしている状態です。9日の難易度調整は、+6.88%で終わりましたが、次回、3月24日に発生予定のマイニング難易度は、+0.64%です。5月発生予定のマイニング報酬半減期を踏まえると、弱小マイナーの更なる撤退によりマイナーの寡占化リスクが台頭するため、注意しておくべきです。

検索キーワードのトレンド

続いて検索キーワードトレンドです。ビットコインのトレンド上昇は、おそらく暴落によるところが大きいでしょう。買い支援の動きだとみていません。暴落時に買っている多くは、ビットコイン支持者が多いからです。

 

CBOE-VIX-恐怖指数の動向

恐怖指数は、まだまだ高い水準にあります。

USDTの値動き

BTCへの資金流入・流出は、基本、法定通貨からの流入か、ステーブルコインからの流入の2パターンがあります。特に、後者が値上がりを起こしている場合は、BTCの購入を準備し始めている動きと捉えることができ、逆に、値下がりを起こしている場合は、法定通貨(基本USD)への利食いが発生している、資金流出が発生しているときと理解することができます。USDTは、ステーブルコインの中で、最大規模を誇るため、この値動きを継続的に追うこと意味があります。

発行量も微増し、買う勢力の方が強い点を踏まえると、一旦、USDTに戻して様子を見ている投資家が多いことが確認できます。

BTCのドミナンスレートと全体時価総額の推移比較

当然、全体の時価総額は暴落ですが、BTCのドミナンスレートが上がっていない点を踏まえると、USDTとのペアリング銘柄を中心に資金を一時退避させている動きが起きていることが再確認できます。

S&P500 Indexの動向

S&P500は、1年前の3月18日の2832.94を割り込んだままですね。リスクオフ状態です。

US国債の金利推移


先週も伝えていますが、安全資産としてブランド力が最も高いUSの30年国債に買い需要が殺到し、金利がマイナスになりました。今後の仮想通貨経済の進展をおう上でこの金利がカギの一つとして見ているので、注視しています。

GOLD価格の動向


ゴールド価格は続騰です。リーマンショック後の値動きを見ておくとよいのですが、一旦、下げた後に、一気に上昇しています。景気後退を受けて、一旦、現金をもつ動きが活発化するのですが、結果的に安全資産のゴールドに資金が流れるという動きを取っています。今回のコロナショックにおいても、同様の動きをとるか注視しています。

 

ファンダメンタルの進捗

 

 

新型コロナウィルスの最新数値です。感染者数は、先週月曜に比べて、+44.3%。死者は、+59.8%と全く衰えていません。パンデミックは続いています。

FTからの非常に優れた分析レポートが出ており、その抜粋です。感染者が100人を超えてからの経過日数と感染者数の合計を国別にまとめたものです。韓国と中国が少しずつスローダウンしている一方で、スペインとイタリアの勢いが出てきています。ヨーロッパがかなり大変なことになってきていますね。中国人が多いシンガポールと香港もかなり頑張って抑え込んでいるのがわかります。日本は、イタリアやスペインに比べれば抑え込めていますが、シンガポールや香港に比べるとまだ上昇トレンドを描いているため、まだなんとも言えない状況です。

日本の仮想通貨業界では、今回のBitMexのシステムシャットダウンに対して、「暴落を阻止した」という賞賛の記事が出ていますが、海外は逆です。僕が指摘している通り、BitMEXの存在そのものが、フラッシュクラッシュを増長したという指摘の記事が出ています。しかも、プロの著名仮想通貨のトレーダーから指摘を受けています。

要するに、BitMEXは100倍というとてつもない倍率のビットコインのレバレッジ取引を提供しているわけですが、このため、暴落すると、ロスカット(強制清算)される投資家が急増し、結果的に、彼らは市場から撤退します。その結果、BitMexの売買板は「空売り」注文ばかりとなり、しかも、BitMEXユーザーの大半がロボット売買をやっていますから、空売り注文を通すために、どんどん指値を下げていく、その結果、BTC価格がゼロに到達するリスクがあったわけです。つまり、BitMEXが$3,000台までの暴落を誘発したということです。システムを止めていなければ、本当にビットコインの価格はゼロになる可能性があった。そうなれば、2009年以来、2,000近いアルトコイン共々、仮想通貨・ブロックチェーン業界は完全に終わっていたわけです。僕らの不断の努力は水の泡と化していた。

わかりますか?そもそもBitMEXのようなハイレバレッジ取引所が存在しなければ、このような暴落相場は起きていないということ。これが、僕が、2017年から指摘している「ハイレバレッジ取引は、業界発展に取ってがん細胞でしかない」と言っている所以です。この点で、世界で初めて業界にハイレバレッジ取引を持ち込んだ日本の仮想通貨取引所の罪は非常に重いということ。詳しくは、「こちらの記事」を参考にしてください。

 

今回の下落は、40%近い下落率となったわけですが、ビットコインの歴史においては、25番目の下落率でした。つまり、もっと酷い下落をした時期も過去にはあったということです。僕は2013年の後半からこの業界の立ち上げに関わっているので、この辺りも含めて色々と見てきましたが、みなさんの参考になればと思い共有しておきます。

BTC市場の今後の見通し

今回のコロナショックに伴う既存の金融市場や仮想通貨市場の動きより、以下のことが見えてきます。

まだ、多くの投資家が、アメリカ経済に可能性を見出しているということです。だから、USの30年国債がマイナス金利でも売れる。US30年国債の信用=USドルの信用ということです。USドルに価値保存の機能があると見ているからです。僕も含めた仮想通貨業界を立ち上げてきたものが期待していることは、アメリカ経済よりも仮想通貨経済の方により高いポテンシャルがあるということ。しかし、多くの投資家はまだそうは見ていない。

だから、景気が悪くなれば、US30年国債を買って、もしくはドルを保有して、様子見というスタンスをとる。僕の長期のヨミは、第二のリーマンショックが、トランプ再選後にくる。それまでの間に、仮想通貨市場が、リスクアセットとしての評価から脱却できるレベルに成長しているというシナリオでしたが、その前に、「コロナショック」がきたため、これは完全に「ブラックスワン」でした。(ただし、お陰で、僕が沖縄のOISTで進めているブロックチェーンを活用したDeepTechIsland構想には追い風は吹いています。詳しくは「こちら」です。)

結果的に、年初に立てていた、2020年内にビットコインが$20,000超えるシナリオは、ほぼ不可能になったと判断しています。2020年全体の見通しは、「こちらの記事」にまとめているので参考にしてください。

今後の焦点は、まさに「アメリカ経済」だと思います。世界の基軸通貨として60%以上の決済通貨市場としてのポジションをもつUSドル、そして、それを支える「アメリカ経済」。USドルの信用が揺らぐことがポイントです。

FRBが、没落していく日本の中央銀行同様、金利をゼロ近くまで下げてきており、更に今まで抑えていた「量的緩和」を開始しつつあります。つまり、どんどんインフレが進む = ドルの価値は低下していくということです。インフレというのは、通貨価値が低下することを意味します。当然、市場側として、「臨界点」は存在するわけです。これ以上のドルのインフレは受け入れられないというポイントです。日本円は完全にそうなりつつあります。コロナショックがそのトリガーになったということは、歴史的に間違いありませんが、時間軸としてどうなるかは、まだ思案中というところです。

目先は、全く余談を許さない状況です。コロナショックによる景気後退はまだまだ本格化してきていません。なので、まだリスクアセットとして見られている仮想通貨市場は正念場が続くと見ています。

仮想通貨初心者の人は、長期保有が一番リターンが高いことを知るべし

また、仮想通貨投資の初心むけの参考情報として、Binance ResearchよりBTC投資のパフォーマンスデータのレポートが出ました。気迷い相場になると投げ売りしてしまう個人投資家が多いと思いますが、このレポートが伝えているのは、そういう時に長期保有を選択した個人投資家が220%と、もっとも高いリターンを得ているということの裏付けです。仮想通貨の投資の世界は、ビットコインもアルトコインも不確実性の高いベンチャー投資であり、ボラティリティも高いので、プロのトレーダーでもない限り、短期売買でリターンを得ようとは思わないことです。

以上です。

注記:最終的な投資判断は、自己責任です。

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