コロナ危機がもたらす社会変革と新たな投資哲学について#3

こちらの内容は、YouTubeにもまとめています。合わせて参考にしてください。

では、ここからはポスト資本主義時代の投資哲学について詳しく話をしていきたいと思います。今までの話が理解できれば、以下のことはすんなりと頭の中に入ってくると思います。

対インフレ資産

まずはここからですね。SSR型の経済が主流になるには、一定規模の人が「もう、GDP型の国家経済は限界だ。全く当てにならない。」と強く認識する必要があります。つまり、そのレベルまで、国家経済がおかしくならないといけない。1929年の世界恐慌以来の実体経済不況をもたらすコロナショックは、そのために必要な存在なわけです。その点は、以下の世界恐慌時のアメリカの株式指数S&P500とコロナショックのグラフの比較から見えてくることです。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

前回の世界恐慌時は、第二次世界大戦をやることで、この不況に終止符を打ちました。経済戦争の終着点を実際の戦争にしたわけですね。そのお陰で8500万人の人命が失われました。今回は? 何としてもこのリスクは回避したい。その最大の受け皿となる可能性を持っているのが、仮想通貨経済ですね。

ですから、このリスク回避におけるお金の流れとして、まず、「対インフレ資産」に資金が流れます。当たり前ですが、不況を打開するために、中央銀行がバンバン輪転機を回してお金を市場に供給し、政府も赤字国債を発行して、景気対策をやる、つまり、国家の財政事情を悪化させる行為をやり続ける必要があるからです。また、コロナショックによって、実質的に、働けない人に現金給付をしているというのが、いわゆるベーシックインカムの世界へとつながる動きになっています。

現代資本主義における「対インフレ資産」は、ゴールドと米長期国債(主に30年国債)でした。前者はわかると思いますが、後者はなぜか?と言えば、基軸通貨ドルが倒れたら世界が終わるというのが投資家の理解にあるからです。その辺りは、ウォーレン・バフェット氏の発言を聞いていてもわかります。ドルには資産保全の機能があると答えていますからね。詳しくは「こちらの記事」を参照してください。

しかし、GDPからSSRに切り替わるには、このドルに対する信用不安が不可欠です。その流れが起きることで、当然、ゴールドには資金が流れますが、大量のお金がコロナショックによってさらに市場に投下されているため、間違いなく供給制限のかかっているビットコインを中心とする仮想通貨にも資金は流れてくることになると見ています。そして、この動きを通じて、アルトコインの一部は、SSR時代のいくつかの分野で、ウィキペディアのような非中央集権型の社会インフラの一つとして大きく成長していくわけです。

なので、現時点ではまだイーサリウムなどを中心に、ソフトウェア運営上の必要に応じてインフレ型を取っている仮想通貨プロジェクトもありますが、このタイミングに合わせて、供給制限型に切り替えていくことは非常に重要な施策の一つになるということです。

リモートワーク+Eラーニングツール

次に、もうすでに徴候が出ているのが、リモートワークとEラーニングツールですね。ビデオ会議ツールのZoomは確実に伸びて来ています。ロックダウンの影響でAmazonも恩恵を受けている言われていますが、Zoomの方が桁違いです。


ただ、僕はこれ以外にもグループチャットツールのSlackをはじめ、社会人であればリモートワークや子供であればEラーニングを促進していくための様々なイノベーションが加速していくと見ています。E-ラーニングは、子供の学校におけるイジメをなくすことにもつながるとみており、とてもよい副次効果が得られると考えています。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

ライブストリーミング

もう一つ動画の世界に起きることが、このライブストリーミングのさらなる普及ですね。今とは比べものにならないほど普及していくと見ています。なぜか?先ほど述べた、音楽ライブやスポーツなどが、全てライブストリーミング化していくからです。これらの業態は、コロナショック前であれば、やはり、会場を借りてイベントを行うことを前提にしていましたが、それが全てインターネットの上に移行してきます。

しかも、タイミングよく2020年から5Gの導入が開始しているため、この巨大な移行作業に耐えられるだけの通信インフラのイノベーションが起きているのですね。なので、とてもスムーズに進むとみています。

と同時に、ライブストリーミングサイトは、空前の成長ブームを起こすと見ています。様々な周辺イノベーションも起きるでしょう。VRの技術なども、オンラインの音楽ライブやスポーツ観戦のライブストリーミングの世界に組み込まれていくと見ています。

金融インフラの分散化

グローバル経済時代というのは、巨大国家、巨大企業に代表されるように、巨大な経済力を持った国家経済や企業が、世界経済全体を支配するという仕組みになっていました。基軸通貨ドルを運用するアメリカ経済や、インターネットのインフラを支配するGAFAなどがそうです。しかし、SSR時代は、先ほどウィキペディアのケースで伝えたように、このような現代資本主義の象徴とも呼べる巨大国家や巨大企業によって、社会に不可欠なインフラを維持するという考えは消滅します。

かわりに、人類全体に取って必要なインフラは、ウィキペディアのモデルを参照にしながら、世界全体でコミュニティを作りそこで運用していくという流れになります。ですから、当然、この流れは、様々な社会インフラ領域に及ぶわけです。非中央集権的な社会インフラの普及です。

ポストドルの金融システムとは、まさに分散化した仕組みです。それぞれの自給自足経済内で地域通貨が運用されるようになると見ています。自給自足型経済が中心になるため、今までのように国際間貿易は活発化しないとみていますが、それでも、必要最低限のレベルである程度は行われてるとみています。それらを支える国際Eコマースや物流インフラは必要になってくるということです。

同時に、基軸通貨は二つのシナリオが想定され、一つはドルに変わる基軸通貨を非中央集権的なシステムで、ウィキペディアのようにみんなで維持していくというアプローチと、基軸通貨自体を持たずに、ほぼ僕がOrbのホワイトペーパーにまとめた地域通貨をベースにした自律分散型経済システムが主流になっていくアプローチがあります。この辺りについては、詳しくは「こちらの記事」にまとめているので参考にしてください。

インターネットの非中央集権化

そして、同時に進むのが、巨大企業の終焉によって、インターネットのインフラの非中央集権化が進むことです。GAFA全盛時代の終わりですね。金融システムの分散化と起きる内容は近いです。

現在のインターネットは、主に、サーバーインフラ、メディアシステム、Eコマースシステム、広告システムの4つのカテゴリで構成されています。これらを仕切っているのが、GAFAですね。シリコンバレーの巨大IT企業群です。

ここにも、先の述べたようなDAO化の流れがやってきます。そして、ブロックチェーン産業ではすでにDAOを見据えた上で、GAFAの競合となる企業が育ってきているのですね。ウェブブラウザのBraveや、P2P型CDNのDENTやNKN、そして、分散型コマースのOGNなどです。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

自給自足型経済の具現化に必要なディープテックイノベーション

そして、高いSSR型経済を実現していくには、ブロックチェーン以外にもイノベーションが必要な領域はたくさんあります。僕が、OISTにきた理由もその一つですが、特に以下のカテゴリは、投資先として注目しています。

再生可能エネルギー

言わずもがなですが、現代社会の生活において「電力」は絶対不可欠なエネルギー源です。しかし、化石燃料は手に入る地域が限られている上、環境にも悪影響を与える。そして、原子力は非常に危険性が高い。となると、風力や太陽光に代表される再生可能エネルギーのイノベーションは不可欠なわけですね。コロナショックによって、SSRが注目されることでさらに大規模な資金が、再生可能エネルギーの技術開発に流れることになっていくとみています。

オーガニックプラントファクトリー

次に「食料」ですね。自前主義が望ましいのがSSRの特徴です。その中で注目されているのは、土地が狭い場所でも、共住人口に対して必要な農作物を供給できるだけでの「自立型農業」ですね。プラントファクリーとよく業界では言います。

 

まだ、製造単価が高いため、高級花や高級果物にしか適用できていないのですがSSRが主流になっていくことで、多くの資金と人材が流れていき、イノベーションが加速、一般家庭でも馴染みのある野菜や果物にも採用されていくでしょう。

分散型浄水システム

次に分散型浄水システムですね。今の下水処理や浄水処理システムは、どうしても集中住宅を生み出しやすいです。各家庭ででた排水を一箇所に集めて処理するからです。近くにみんな住んでもらった方が効率がよくなる。だから都市経済のようなものが生まれる、という因果関係があります。各家庭でも、下水処理や浄水処理ができるテクノロジーが普及してこればその心配は不要になります。昔のように井戸水を組み上げるというような話ですが、それをテクノロジーによって、低コストでかつ衛生的な仕組みを作るということです。

脱プラスティック

プラスチックは、分解に40年かかると言われています。これが原因で、環境破壊の一つになっています。しかし、プラスチックは、食料品を中心に生活の様々なところで使われていますね。食料のパッケージ、飲料のボトル、ほとんどがプラスチック製です。なので、脱プラスチックは、非常に大きなインベーションのテーマになります。なぜなら、SSRにシフトすると、ゴミも全て自分たちで処理しなければなりませんから、今の先進国がやっているように新興国にお金を貸す代わりに、プラスチックゴミも買い取ってもらうなどの行為は一切できなくなります。全て自前主義になっていくため、SSR時代の脱プラスチック依存は非常に重要なイノベーション領域になるとみています。

http://earthporm.com/heartbreaking-photos-of-pollution/

3Dプリンタ工場

また、SSR経済においては、できる限り内製化することがベターという考えです。となると、今までのように賃金の安い中国や東南アジアの工場で作ってもらうということはできなくなります。自分たちの経済圏内でできる限り多くのものを作っていくことになる。となると、3Dプリンタのテクノロジーが非常に重要になってくるわけですね。それによって、様々なものを自前で生み出せるようになるからです。

未病療法

また、SSRは、GDPのように多産多死型の社会ではなくなるとみています。経済格差が解消されるからです。経済格差の拡大は、人口爆発の温床になっているからです。この点も「Orbのホワイトペーパー」にまとめています。なので、人口ピラミッド的には、長方形のような形になるとみています。そうなってくると、一人の人が長く働けることが大切になってきます。特定経済圏の人口があまり増えないからですね。その点から、未病療法のイノベーションは重要になってくるとみています。

最後に、金融インフラの所について究極形態を述べると実は「通貨自体が消滅すること」が理想です。この経済形態のことを「奉仕経済」と呼びます。しかし、いきなり一足飛びにそこに到達することはないでしょう。SSR型の経済システムとインターネットの非中央集権化が進む中で、部分的に普及が進むとみています。奉仕経済については、「こちらの記事」や「こちらの記事」や「こちらの記事」などが参考になると思います。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

注記:最終的な投資判断は自己責任です。

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