マスター・オブ・スケール – Crisis Text Lineの創業者兼CEOナンシー・ルービンのインタビュー#1

 

Master of Scale(マスター・オブ・スケール)は、シリコンバレーのインナーサークルの一人、レイド・ホフマン(ペイパル・マフィアの一人でもある)が、彼が親しくしているシリコンバレーの起業家たちを招き、「スタートアップを成長させるためのノウハウ」について、インタービューを通してリスナーに伝えていくポドキャストの番組です。

ペイパルマフィアについては、「こちらの記事」にまとめています。

この内容は、そのポドキャストの内容を翻訳したものです。若い起業家の方は、参考にしてください。また、原文やポドキャスト合わせて使うことで、英語学習にもなると思います。ぜひ、上手に役立てください。オリジナルリンクはこちらです。

YOUR PLAN B NEEDS A PLAN B – Nancy Lublin, CEO & Founder of Crisis Text Line 

ナンシー・ルービン:私は、童話作家イブセンの「人形の館」を見に行ったのよ。10列目だったと思う。そしたら、なんと、左の席にドナルド・トランプが座っていたの。その更に左には、細身のブロンドの女性が座っていたと思うわ。彼は、Milk Dodsを食べていて、口の中がいっぱいになっていたわね。そこで、私は彼に、”あなたは、その会社を所有する必要があると思いますか?それとも、今のようにただロビーフロアで買えればいいだけの存在であればよいと思いますか?”と尋ねた。すると、彼は、笑いながら、そのMilk Dodsの入ったボックスをそのブロンド女性から取り上げて、私が思うに、別に彼女は、水と豆腐しか食べない感じの人だったから問題はないと思うのだけど、彼と一緒に私は、そのMill Dodsを食べることになって、会話が盛り上がったのよ。すると、彼から、”ところで、君は仕事は何をしているの?”と。

レイド・ホフマン:これは、ナンシー・ルービン。そう、彼女が何をしているか?だって。トランプタワーなみの規模のNPOを運営している。彼女の組織は、とてつもななく大きいんだよ。

ナンシーが、偶然、そのシアターで、トランプの横に座ったとき、彼女は、ちょうど一つ目のNPOを立ち上げたところだった。名前は、Dress for Success。このNPOは、富裕が持っているドレスを女性の面接インタビューように貸し出すというプロジェクト。このプロジェクトのために、彼女の小さいアパートの部屋は、もうその貸し出し用のドレスでいっぱいになってしまっていた。だから、彼女は、不動産のトランプが、どこかにそのための空き部屋を持っていれば提供して欲しいと考えて、彼にピッチを始めたわけだ。

ルービン:そう、私は、Dress for Successのプロジェクト内容の素晴らしさを説明した。そしたら、彼は、”へー、本当に?君はその仕事を楽しんでいるの?” と返してきたの。私は、”もちろん、素晴らしい仕事です”と答えた。すると、彼は、”退屈な仕事ではないの?”と。なので、私は、”全く退屈ではないですよ”と答えた。それで、今度は私が、彼にこう切り返した。”ところで、あなたの仕事は何ですか?”と。すると、彼は、”そんな質問は初めて聞かれたよ”と。”自分の仕事をどう表現しますか?”と。”僕は、建築者だと思う”ときた。だから、私はもちろんこう切り返したわ。”ヘェー、その仕事は好きですか?”とね。笑

ホフマン:彼らは、ちょっと前途多難な出だしとなった。しかし、ナンシーは、彼をプッシュし続ける。

ルービン:それで、私は、友達に電話して、その友達から、トランプのパーソナルアシスタントの名前を聞き出した。その名前は、Norma Foerderer、彼女は、長年トランプのアシスタントを勤めてきた人物としてよく知られていた。そして、私は、ビデオレンタルのブロックバスターに行って、さっき話した通りこれは昔のことだから、Milk Dosの巨大な箱を買って、それからタクシーに乗って、運転手に、”トランプタワーに連れて行って”と伝えた。

それで、トランプタワーに到着次第、26階まで上り、その全面ゴールド張りのガラスフロア越しに、昨日の夜のあのブロンド女性を見つけて、彼女に手を振ったわ。そして、彼女は私のところきて、”あなたは、昨日の映画館の女性ね。何をしにきたの?”と。この1週間分のMilk Dotsの箱をあげるから、代わりに、500平方メートルが必要なのよ、と。すると、彼女は、”彼は、今、金欠よ”と。それで、私は周囲を見回して、”まあ、そういう時代だものね。”と握手して、”とにかく、本当にありがとう”と。

ホフマン:しかし、ナンシーは、こんなことでは諦めない人だ。

ルービン:私は、起業家だから。そのバグにはやられたけど、諦めない。翌週、Foxの朝のTVニュースで、私の隣に座った女性が、”あなたは、ひょっとして、ゴシップ・コラムニストのLiz Smith?”、”そう、その通りよ”ということになって、”あなたが興味を持ちそうなネタを持っているわ”と。そして、トランプとのエピソードを彼女に話をした。そしたら、彼女は、日曜のNew York Postにこの記事を出して、更にTVでもこの話を取り上げた。

それで、翌週の月曜の朝に、再度、トランプタワーに行って、セキュリティに、”Norma Foerderer に、ナンシールービンが下で待っているって伝えて”とお願いした。それで、また、26階に上がることになって、Norma Foerderer に、”彼も私も、TVの報道は読んだわ。おもしろいわね。けど、私たちがあなたにあげられる物は何もないのよ”と。

そして、この物語の終わり方は、今までの私の人生の中で、最も美しい断りの手紙を得たということ。トランプタワーのゴールドの刺繍が入ったレターヘッドの文章。彼は、そこで、申し訳ないが金がない。幸運を祈ると書いてあったわ。

ホフマン:このエピソードは、単に、答えとしてNoを素直に受け取れないという話じゃない。それは誰でもできること。率直にいうと、君は、投資家を得るより、禁止命令を得るというたぐいの話だ。

今日のエピソードで、みんなに伝えたいことは、このナンシーの粘り強さと、最も大切な話として「プランB」という考え方についてだ。これがダメなら、次はこれという具合に。そして、彼女のこの一連のエピソードこそは、彼女の起業家としての粘り強さ(Grid)を巧みに表していると言える。全ての起業家は、このような粘り強さを持たなくてはならない。

つづく。

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