マスター・オブ・スケール – Crisis Text Lineの創業者兼CEOナンシー・ルービンのインタビュー#2

 

ホフマン:レイド・ホフマンです、リンクドインの共同創業者で、Greylockのパートナー、そしてこの番組のホストです。成功する起業家には、アイデア、資金、そしてよいタイミング、とてつもなく大きな幸運が必要です。しかし、もし君に「度胸」がなければそれらは何の意味も持たない。

 

何人かの人は、度胸を純粋な粘り強さだと勘違いしている。同じ丘を何度も挑戦し、登り続ける粘り強さ。しかし、僕が、ここで行っている「度胸」というのは、そういう意味ではない。君がスケールさせる上で必要な「度胸」とは、過剰な労力に頼ることを減らすという意味あいだ。ある種の決断と、ある種の工夫と、そして、めんどくさがり屋からくるもの、そう、めんどくさがり屋というのがポイント。

君は、いざというときのために自分のエネルギーを蓄えておかなければならない。なるべく摩擦を裂け、前に進むために、効果的かつ効率的な方法を見つけなければならない。君が、もし、自分のエネルギーを貴重なものとして扱っているなら、実際には、もっと強力な「度胸」を持っていることになるかもしれない。この話において、君はまさに、インディ・ジョーンズのように、ムチなどを上手く使って、次々とやってくる危機を上手く切り抜けることを求められている。

じゃあ、起業家の中で最もインディ・ジョーンズっぽい人は?と聞かれると、僕は、ナンシー・ルービンだと答える。なぜなら、いざ、「度胸」という話になると、彼女ままさに、そのキャパの10のうち、完全に10を出せると言える起業家だからだ。彼女は、NPO領域の起業家ではあるけど、そこは正にビジネスの世界に比べるともっと地雷が多い世界だ。資金調達もよりきついし、人材獲得も同じ。少なくとも、アメリカでは。多くの場合、NPOをやっている人より会社をやっている人の方が恩恵を受けることが多い。

ナンシーの話を始める前に、僕の柄ではないけど、聖書からの引用を話そう。”「足の速い者が競争に、強い者が戦いに必ずしも勝つとは言えない。しかし、時間とチャンスはみな全て平等に与えられている」”と。

“時間とチャンスはみな全て平等に与えられている” – ナンシー以外は、と言いたい。なぜなら、ナンシーにとって、時間とチャンスは関係ない。ただ、「度胸」が全てだ。いったん、彼女がこのモードに入ると、誰も止められない。彼女は、いったん、問題を認識するとそれを見逃すことができない。例えば、Dress For Successを例に取ろう。彼女は、このNPOを通じて、女性が、富裕層のもつドレスを面接インタビュー用に借りられるサービスを作った。彼女は、あんまりファッションにこだわる方じゃない。

ルービン:私の父は、弁護士で、彼が、秘書を雇う際に、窓の外を見ながら、面接を受けにきた彼女たちが車から降りて、父のオフィスのあるビルに入る前に彼女たちをすでに雇うかどうかをもう決めているという話をきいた。私は父に、”それって、私に対する差別じゃない。ひどいわ。”といったら、”これは真実だよ。だから髪をきちんとといておいで”と言われたわ。

だから、私は、世界が実際にこんな風に回っていることを知っていた。実際、私たちは、みんな、初対面でお互いを判断していることが多い。だから、Dress For Successを立ち上げることにしたの。

ホフマン:ナンシーは、大きな問題を見つけたわけだ。雇用主は、出願者、特に女性を容姿で採用可否の判断をしているということ。

だから、ナンシーは、この問題の解決策を探った。当然、雇用主の考えを1日で変えることはできない。かといって、彼女は、それらの女性たちに、プロフェッショナルな服装をさせてあげられるだけの財力もない。しかし、アイデアがあった。そして、彼女の祖父からもらった、50万円の資金があった。そこで、彼女は、彼女にとっての協力者を探すことにした。

ルービン:だから、当時、私はロースクールにいたから、その教授に聞いたの。””このアイデアがあるんだけど、どう思いますか?”と。そしたら、彼は、スペイン人ハーレムに住むシスター・メアリーを紹介してくれて、メアリーが更に二人連れてきてくれた。

ホフマン:ここで、君は、なぜ、ナンシーの大学の教授は、彼女をスペイン人ハーレムのシスターに紹介することにしたのか、疑問に思うだろう。それは、ナンシーにとっても同じだった。

ルービン:実際に会いに行ったさ際、私が想像していたのは、教会で、お互いに腕を持ちながら、”サウンド・オブ・ミュージック”を合掌している姿だった。実際は、違っていて、もっとクールだったわ。彼女たちは、正にソーシャル・ワーカーというべき存在だった。本当に素晴らしい人たちだったわ。

失敗だったのは、彼女たちから財務面での助言を受けたこと。彼女たちは、私に、その50万円を銀行の6ヶ月定期預金にいれるよう言ってきて、その結果、私は、無一文でこの事業を始めることになったのよ。

どのようなスタートアップを始める場合も、まず第1に私がすることは、私の家族と友達に連絡をとるということ。なぜなら、あなたは、彼らが、あなたを愛しているから、あなたのアイデアも愛していると考えるでしょうけど、実際にはそうは限らない。

生活保護を受けている人をいかに仕事を始める状態にするか。ニューヨークにおける正にこの課題解決を始める上で、実は、修道院にいるシスター達は、正に一緒に仕事を始めるべき人びとだった。

つづく。

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