マスター・オブ・スケール – Crisis Text Lineの創業者兼CEOナンシー・ルービンのインタビュー#4

ホフマン:だから、ナンシーは、新たな問題を見つけた。倒産しかかっていたNPO、DoSomethingだ。若い世代にいろいろなボランティア活動を紹介する団体だ。2003年、このNPOは機能不全に陥っていた。

ホフマン:DoSomethingに参加したときの状況はどんな感じだったの?

ルービン:かなり酷かった。火事場状態と言える状況だった。このNPOは、アンドリュー・シューという人が始めたんだけど、ニュージャージに三人の子供も持っていたから、途中で出てしまい、結果、かなりしんどい状態になっていた。

実際、経営をみるようになってから、22人いたメンバーのうち、21人をレイオフした。オフィスも解約して、団体の関連書類の大半は、クイーンズの倉庫に預けた。当時の負債は、2500万円あって、銀行には現金が740万円だけ。かなりキツイ状態よね。

ホフマン:しかし、ナンシーはDoSomethingに惚れ込んでいた。

ルービン:まず、名前が気に入ったの。Do Something、とてもいいと思ったわ。若い人にとって、ボランティアリズムやソーシャルチェンジを楽しくエネルギッシュに行うことができる環境はとても価値があると考えていたから。だから、これは私にとっては、イチジクのなる木のようなもの。つまり、毎年、葉っぱは必ず枯れてしまうけど、根さえしっかりと元気なままで入れば、来年にはまたきれいにイチジクの花がさくことができる。だから、”これは面白い”と思ったの。

そのとき、ちょうど30歳で、いろんなヘッドハンターから要職の話をもらっていたわ。彼らは、ただ、自分をよく見せるためだけに、私を候補先の会社に紹介してただけなのよ。”ここに、ちょっと変わった候補がいて、なんと、30歳の女性起業家です”と。

だから、誰も私に真剣に取り合おうとしなかった。私は、実際、もっと危機的な状況を突破していくな仕事がしたかった。だって、私は、起業家だし、とても頭がいいという自負があるから。起業家は、突飛な夢想家のように言われることが多いけど、私はそれ以上の存在だと思う。起業家は、システム思考なのよ。

ホフマン:この話が長くなる前に言っておくと、ナンシーは、このDoSomethingというイチジクの木の花を見事に咲かせた。何が、ブレイクスルーになったかって? 彼女は、ボランティア活動を行う若者層へのアプローチに、徹底的にテクノロジーを活用することにしたんだ。君が、もし、10代からアテンションをひこうと思ったら、どうしたら良いか? 知っている人は知っているだろう、そう。「メッセージをおくれ」だ。

ルービン:最大のひらめきは、テキストコミュニケーションにピボットしたこと。あるカンファレンスコールの最中で、私は、ガラス窓の向こう側で、オフィスの人たちがハイタッチしているのを見た。”何が起きているの?なんで、みんなそんなハッピーなの?”と。

新しく雇った社員が、6ヶ月間、500人の全く無反応のユーザーに、それぞれ20回ずつEメールを送って、私たちのキャンペーン情報を送ったのよ。そして、なんと、その9分後に、返答率が20%。これにはたまげた。

ここで言いたいのは、私は、この施策を”やってみましょう!”という頭の良さを持っていたということと、同時に、新人社員が、何か新しい実験をやってもいいという環境をきちんと作り出す頭の良さも持っていたということ。これこそ、起業家タイプのCEOの真骨頂だと思う。こうやって、危機を乗り切っていく。

 

だから、あなたが誰かがとても頭の良いことをやっているのを見たとき、それをきちんとピックアップして、さらにレベルアップさせて、”やってみましょう!”と言えること。そうやって、私たちは、ピボットして、全てテキストコミュニケーションでメンバーシップを作り上げていくことに切り替えて、急成長したの。

つづく。

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