マスター・オブ・スケール – Netflixの創業者兼CEOリード・ヘイスティングスのインタビュー#6

 

ホフマン:Jeffが指摘した点で気づいて欲しいのは、彼のAクラスのプレイヤーでもカルチャーに合わなければ非採用にするという意思であり、彼はこの部屋を去った後もこれを貫いていることだ。他のCEOでも、Workdayの共同創業者でCEOのAneel Bhusriも同様で、チームが同様の意思決定をするまで、部屋を退室することを拒否する。

 

ANEEL BHUSRI: 創業初期の頃は、自分も含めてほとんど人はいなかったけど、全部自分たち自身でやった。500人インタビューした。

 

ホフマン:Aneelがここで、「自分」とは言わず、「自分たち」と言っているのは、チームの一員として、その500人の採用面接でカルチャーフィットしているかを確認しているということ。

 

BHUSRI: そう、私たちは、その人が、”I”タイプの人なのが、”We”タイプの人なのかをテストしている。私たちは、”We”タイプの人々を探している。そして、なぜ成功したいか?に対する明確な考えを持った人材を探している。私たちは、高潔な精神を持った人物を探している。私は、Job-hopしたことがない人を探している。私たちは、私たちと10年一緒にやってくれる人を探している。

 

数日前に、会社でタウンホールミーティングを開催したのだけど、10年以上一緒にやってきてくれた人がたくさんいた。これこそが、素晴らしい会社を作る方法だと思う。だから、はじめに採用した500人を自分でインタビューした。

 

ホフマン:この点から明らかになったのは、その初期のカルチャーが出来上がった状態で、その新たな500人が入ってきて、どうやって後はそのカルチャーを維持したか?

 

BHUSRI: まず、その500人採用の後も自分たちでインタビューを続けたわ。しかし、その500人もトレーニングした。全社ミーティングで、その500人が、次の5,000人をインタビューを実施して、カルチャーフィットしているかどうかを確かめる。

 

ホフマン:僕は、この会話にはリスクがあると思う。強いカルチャーは、チームのパフォーマンスにとって強い武器となるが、しかし、カルチャーの定義を狭くし過ぎると結果的に、創業者は、各々のイメージで採用をはじめる。例えば、君の創業チームが、若いアイビーリーグ出身の白人チームだった場合、彼らは同じアイビーリーグの別の白人を雇うという羽目になる、これは、バイアスがかかっているというとり、むしろ愚かな行為だ。君は、適応力に長けた強いチームを作りたいのではないか?そのためには、異なる視点をチームに持たせる必要がある。

 

Walter and Companyの創業者でありCEOのトリスタン・ウォーカーは、自分たちの多様性こそは、戦略的なアドバンテッジだと考えている。彼らは、有色人種のための美容と健康関連の製品を作っているベンチャーであり、競合がなかなか対応できていない市場で勝負している。白人チームだけでは、当然、視野は狭くなる。それが彼の論点だ。彼の競合は、この視点を見落としているのである。

 

トリスタン・ウォーカー:どうやって僕らが、新しい製品のアイデアを得ているかって?僕らは向こう3,4年にわたる新製品のパイプラインを持っている。それらのアイデアの源泉がどこからやってくるかといえば、自分たち自身だ。自分たちがコミュニティの一部として活動し、そのコミュニティに製品を提供している。これが、僕らの戦略的なアドバンテッジだ。僕は、僕らの会社の多様性そのものがアメリカの多様性そのものを反映していると感じている。だからそのような環境から出てくるアイデアは常に新鮮で新しいものだ。

 

ホフマン:この点は、Mintedの創業者でCEOのミリアム・ナフィシーも指摘していることだ。彼女は、世界中の独立系デザイナーが家の装飾品を売るためのサイトを運営している。彼女は、デザイナー達をこのサイトに招き、クラウドソーシングという形で、最高の作品を競争しながら提供する仕組みを作り上げている。そして、彼女は、優れたデザインは常に世界中のどこかで生まれており、ただ、発見されるのを待っていることを理解している。

 

ミリアム・ナフィシー:私の父親は、国連で働く、新興国市場のエコノミストだった。だから、新しい仕事が入る度に、世界中を移動したわ。クエート、レバノン、戦争がはじまったときにもそこにいた。そして、タンザニア、あそこは安定していたわね、それから、イラン。滞在中に革命が起きた。それからエジプトにも行ったわ。それぞれの国々で様々なデザインに触れた。そして、私たちの母親は中国人で、父親はイラン人だった。よく市場で、色々なものを買う際の値段の交渉をしたわ。

 

ホフマン:そして、どうやって、その国際的な文化の多様性を考え方が、君に”デザインの競争を作り出そう。デザインのクラウドソーシングマーケットプレイスを生み出そう”という発想になったの?

 

ナフィシー:実は、その視野の広さは、そこにもうあったのよ。だから、別に、自分たちが消費者としてそこを使う必要がなかった。これにはとても助かったわ。私は、人はそれぞれ異なる美的感覚を持っており、そこに接点を作り出せばいい。世界中で接点を作り出してあげることで、自然とそのデザインは認められ、広がっていくわ。

ホフマン:僕は、ここで指摘したいのは、白人だらけのオフィスから生まれてくるカルチャーの中にある隠れたコストだ。(日本人だらけのオフィスから生まれてくるカルチャーと同じこと)世界全体を見渡すことなしに、世界にスケールするプロダクトを作ることなど不可能であるということ。それらの要素がかけていることで、君たちは、ちょっとしたユーザーのテイストを見逃すことになり、それによってビジネスを失うことになる。僕は、グレイロックの投資家として、常に、チームの多様性とボードメンバーの多様性を必ずチェックする。

そして、僕らは、投資先の多様性に問題がある判断した場合、投資先のリクルーティングチームと共に働き、そのギャップを埋めるサポートをする。しかし、別に銀の弾丸が必要というわけじゃない。これは、長期に渡って取り組むべき最低限のことなんだ。この質問に対する回答は、常に自分たちが、前線と中央にいなければ得られない。

君のチームは多様性があり、Netflixの124ページにわたる明確に定義されたカルチャーデックをもち、その公開で1000万もの視聴者を得た。会社をスケールさせる準備はできたと思うか?全く違う。何故なら、君の会社のカルチャーは、君たちがお互いに一緒にどのように働くかについて、一つの表現形態であり、どう最高のパフォーマンスを出すかについてのものだ。そこに真実を語るべきでありながら、同時に少しの理想を加える。

ヘイスティングス:僕らは常に社員に、カルチャーに対して、ただ、それを眺めているだけじゃなく、継続的に改善するように促している。だから、みな、”ここに改善できる点がある”と新たな視点を持ち込んでくれる。これによって、Netflixのカルチャーは常に生きたものになる。それは、黄金板のような存在ではなく、常に進化し続ける生きたドキュメントであり実践なのだ。

つづく。

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