マスター・オブ・スケール –起業家・著者ティム・フェリスのインタビュー#3

 

フェリス:十戒その2 – 自分の人生を託せると思える人物を雇う。正しい人物を雇うことは、会社の成功か崩壊に直結するほど重要なことである。この点は、全ての成功する創業者に共通して言えることだ。

 

例えば、Airbnbのブライアン・チェスキーは、初期の社員500名まで全て自分でインタビューしている。これは、とてつもなく時間がかかるし、辛い仕事だ。しかし、ブライアンは、他に方法はないと確信していた。彼は、この場合において、忍耐が全てだと語っていた。

 

ブライアン・チェスキー:スタートアップにおける最重要の意思決定の一つは、「だれを雇うべきか?」という課題だ。なぜなら、雇った人材が自分たちの一部になって行くからね。だから、僕らは、インタービューで必ず、コアバリューに関する質問をする。僕らの第1号のエンジニアを雇うのに、4,5ヶ月かけたよ。多くの人は、この話を聞いて、僕らが狂っていると言っていたよ。そりゃそうで、スタートアップにおいては、時間が超貴重だからね。良く言う「崖から落ちる前に、飛行機を組み立てろ」という話だ。その一緒に飛行機を組み立ててくれる人材を5ヶ月間、議論しながら、カルチャーにフィットするかを検証していく。想像してみて欲しい。どれだけの重労働かということを。

 

一方で、崖の淵はどんどん近づいてくる。つまり、そこには本当の忍耐と勇気が必要になる。僕らが、なぜそこまでこれを執拗にこだわったかといえば、自分に常にこう問うていた。”この人材と同じような人材100人と仕事をしたいか?”と。なぜなら、雇った彼が、新しい人をインタビューするからね。そうやって組織は大きくなっていく。だから、本当に、自分の横に座って一緒に仕事をしたいかどうかをしっかりと確かめる。

フェリス:しかし、もし君は、本当に成功する企業を立ち上げるなら、結果的に、採用のプロセスはスケールさせていかないといけない。エリック・シュミットは、早く雇え、しかし、慌てて雇うなとよく言う。たいてい、一つのことを早くやろうとすると、他のことを焦ってやってしまうことがある。彼が、GoogleのCEOだったとき、毎年会社の規模は4倍に拡大していたけど、同時に、シリコンバレーではよく知られている話として、会社の原理原則は常に維持していた。彼は、レイドにどうやってそれをやりきったかを語っている:

エリック・シュミット:会社は、ものすごいスピードで大きくなっていた。そして、僕は、創業者のラリーとセルゲイに、”Glue People”と言う問題を提起していた。彼らは、人柄はいいけど、席に座ってコミュニケーターになっているだけで、何か大きな価値を生み出さない人材のこと。彼らは必要ない。直接話をして出ていてもらおうと考えていた。そのことをラリーに共有すると、彼は、”すべての採用をレビューすれば、解決できただろう”と、僕はこう切り返した”全てのレビューをするのは無理だよ”と。すると、彼は”できるよ”と。

結果的に、僕らは、採用のためのアルゴリズムを色々と開発したんだ。今日では、IT産業がみんな使っている。たとえば、かなりアグレッシブなインタビューをしたり、一部の仕事をお願いするなどね。究極的な判断材料は、その人が面白いか面白ろくないかだ。だから、例えば、ロケットサイエンティストを雇おうとしたりした。彼らは、間違いなく面白いからね。営業には、オリンピック選手やスーパーボールの優勝者やアメフト選手などを雇った。なぜなら、彼らは圧倒的に強い自己規律を持って生きていることを知っているからだ。

ホフマン:僕は、大半の会社は上のような採用をやる選択肢がないことを知っている。雇いたくても雇えないからね。しかし、エリックは、そのヒマラヤに登るような挑戦ハードルを設定できない会社に対してもより実践的なアドバイスをしている。

シュミット:だから、僕が今提案しているのは、「こだわり」が、未来の成功を約束する最も重要な要素であると言うこと。だから、僕らは常に、こだわりを探している。次に重要なことは、好奇心だ。何に興味がある?こどわりと好奇心は、知識社会のおける成功する人材の成功要素としてとても重要だと考えている。

フェリス:つまり、こだわりと好奇心が、採用を成功させる秘訣なわけだ。フェイスブックのCEOであるマークは、別の点をレイドに話している。

マーク・ザッカーバーグ:一番重要なことは、最高の人材を君の周りに連れてくること。僕の周りの友人の会社をみていても、成功しているレベルについて考えたとき、最大の違いはそこにあると思う。僕は、この採用方針をとる上で気をつけていることは、自分がその人の部下になって働きたいと思うぐらい人しか雇わないということだ。

それは、別にその人に、今の自分の役割を与えると言うことじゃない。立場が逆になったとき、そう思えるかだ。もし、この質問に対する答えが”No”だった場合、君は何か都合主義でその人材を評価していると言える。

たとえば、シェリルは、色々な面で僕より優れているから、彼女なら、フェイスブックをもっと素晴らしい存在にしてくれると確信した。僕は、そのような人材が自分のチームに入ってくることを全く恐れないし、むしろ価値を置いている。それこそが、フェイスブックを強くしている。

フェリス:もちろん、ここでマークが言っているシェリルとは、フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグだ。そして、彼女自身も、この点について、自分のルールを持っている。

シェリル・サンドバーグ:自分よりも、優れた人物を、そして、自分とは違う人物を雇うこと。これは、多様性のことを言っているのよ。別にそれは、人種、性別、国籍、年齢のことだけを言っているんじゃないわ。全ての多様性が重要なのよ。つまり、様々なバックグラウンドを持った多様性だけでなくて、個性の面からも多様なチームを作り出すべきと言うこと。

もし、あなたが、プログラミング好きの白人男性で、Sci-Fi映画が好きなら、自分のチーム全部を全てそう言う人にはしたくないはず。David Fischerはよい例だと思う。彼とは、Googleの財務とそしてフェイスブックでも一緒に仕事をした。彼と私は個性が全然違う。私は、結構、浮き沈みがある。例えば、物事が十分に早く進んでいないとイライラしてくる。熱意に満ち満ちているときもあれば、落ち込むこともある。Davidは全く違う。彼は、常に冷静。もう10年以上一緒に彼と仕事をしているけど、このバランスは本当に大事だと考えている。私は、Davidoを見てたまにこう言う、”見て。緊急事態よ。”、すると彼は、”シェリル、違うと思うよ。落ち着いて”と。

そして、時々、私はこう言う。”David、あなたは十分早く仕事を進めていないわ”と。すると、彼は、”その通りだね”と答えてくる。マークと私の間にも同じような会話があるわ。私たちはとても違うのよ。まず、性別は違うし、年齢は15歳離れている。彼は、15才年下。個性は全く違うし、仕事のスタイルも全然違う。しかし、それがフェイスブックを上手く経営できているポイントだと思う。

つづく。

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