マスター・オブ・スケール –起業家・著者ティム・フェリスのインタビュー#6

 

フェリス:十戒その4 – “自分が必要と思う以上の資金を調達せよ”。これは、けっこう議論を呼ぶ話で、一部の投資家は、逆の意見を持っている。できる限り最小の資金で事業を立ち上げていけと。レイドのようなトップクラスのベンチャーキャピタリストは、対立意見が出ようとも、自分の過去の経験に基づき、その考えは正しいと主張する。この点は、サム・アルトマンの場合も同じだ。

たとえば、僕は、2007年から70社近いスタートアップの投資に関わってきているけど、その大半は、B2C事業であり、それは、その領域が僕が最も成果を出す自信がある領域だからだ。その中で、成功するベンチャーの大半は、プロダクトにフォーカスすることで、初期の段階ではマーケティングやPRは一切やらない。きちんと機能するプロトタイプを作れるまでは、手がね資金で開発を進める。つまり、よく言われえるプロダクト・マーケット・フィットを確認し、それが確認できるまでは余計な資金は投入しないという考え方。これはlUberなんかがとても良い例。

例えば、僕は、Uberの創業者のギャレットとトラビスと関わっていたとき、まだUber自体が立ち上がる前だった。会社名も違っていて、資金調達前で、プロトタイプを作っており、市場調査をやっている段階、ポテンシャルユーザーへのインタビュー、どちらかというとポテンシャルドライバーへのインタビューをやっている状態、つまり、バージョン・ゼロの状態。こういうことをきちんとやっているスタートアップに投資するのが、最も成功確率の高い投資だと思う。

だから、十戒の話に戻すと、Uberのケースがいい例で、彼らは、プロダクトの市場性をきちんと確認するまでは、初期の資金調達を始めなかったということ。そして、スケールできる市場性を確認してから、自分の必要とする以上の資金調達を始めたということ。

そこから、リードが言っているように、不測の事態が必ず起きるから、その支出に対応できるよう必要以上の資金を得るという話になる。そのケーススタディとして、MintedとEVE.comのCEOであるマリアム・ナフィシーの体験から話をしている。

ホフマン:シリコンバレーは、常に開拓精神に溢れている。悪いことは何も起きない。僕の友達の、EveのCEOをやっているMariam Naficyは、Eve.comのドメインを手に入れるため、僕としては決してオススメできない交渉をしていた。

若い女の子:こんにちわ?だれかしら?

ナフィシー:相手は5歳の女の子で、Eve Rogers。

若い女の子:もしもし、Eveよ。

ナフィシー:一体、5歳の女の子になんて話をすればいいかわからず、とりあえず、”こんにちわ”と。

若い女の子:こんにちわ

ナフィシー:あなたのドメインネームを買えないかしら?そしたら、彼女は、”なに?よく話がわからないわ”と。

若い女の子:ん?どういうこと?

ナフィシー:そしたら、その話を横で聞いていた彼女のお母さんが、笑い出してた。

ホフマン:結果的に、彼女は、このドメイン購入の交渉を彼女のリード・インベスターだったBill Grossに任せることにした。

ナフィシー:結果的に、着地条件は、会社の株と、彼女に取締役会のオブザーバーシートと、そして、年に数回ビルに会いにこれる権利になった。

ホフマン:5歳の女の子を取締役会のオブザーバーにしたのかい?

ナフィシー:そう。実際には取締役会には参加しなかったけど、オフィスには何度か来ていたわ。そして、ディズニーランドにもね。

ホフマン:もし、今の段階で、もう1回、交渉できるとしたら、どうする?

ナフィシー:真っ先に、ディズニーランドをオファーするわ。年に何回ディズニーランドに行きたい?と。

ホフマン:一年に1回、二回?

若い女の子:年に100回かな。

ナフィシー:その通り。

つづく。

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