マスター・オブ・スケール – Endeavor CEO リンダ・ロッテンバーグのインタビュー#4

 

ホフマン:ここに素晴らしいメタファーがある。シリコンバレーは、グレートバリアリーフのようなものだと。これほどまでに大きく複雑なエコシステムを人類はゼロから作り上げたことがないと。そして、そこにリンダがやってきて、小さなコロニーづくりをはじめて、”見て。ここの新たな萌芽が芽生えてきている”という。

 

ロッテンバーグ:今日、私たちが起業家ということについて話をする際、Edeavorがまず取り組んでいることは、可能性を持った起業家たちのマインドセットを変えること。自分が自分のことを殺してしまわないようにすること。

 

ホフマン:リンダとEndeavorの支援がない場合、どうやって自然とスタートアップエコシステムは育っていくのだろうか?

 

リンダ:私たちは、起業家同士のタッチポイントを精密に作り出すことをやる。そして、そのタッチポイントの密度を上げていく。このための調査業務をEndeavorのリサーチグループが、私たちが活動を展開しているアルゼンチン、トルコ、ヨルダン、コロンビア、そして世界中で。起業家にヒアリングしながら実施する。Endeavorは今まさにスケールしようとしているところ。だから、私たちは、まだ私達が知らない人々に、5つの質問を投げかける。

まだ、会社を立ち上げたばかりの人々に5つの質問をする。”誰があなたのメンターなの?”・”あなたが誰から影響を受けたの?”・”あなたには誰が投資しているの?”・”あなたは、連続起業家なの?”と。そして、”あなたは、スタートアップで仕事をしたことはあるの?”

 

そして、このヒアリング情報を元に、情報をマッピングすると、そこに密度がないことがわかる。数人の起業家同士のつながりがあるだけで、お互いにほとんど交流がない。だれも投資していない。成功する起業家が生まれてくる土壌には、このような起業家同士のつながりから、あなたはそう呼ぶことを嫌うと思うけど、PayPalマフィアや、Googlersや、Facebookersのようなネットワークが生まれて、そして、お互いに投資していく。

 

実際に、私たちは、このような活動が生まれていくのを目の当たりにしてきたわ。その中で、何が起きるか?最も欠落しているのは、人材よ。経営陣レベルの人材を見つけるのが本当に大変なの。

 

あなたが、成功のストーリーを作り上げ、そして、1,000人もの新たな雇用を生み、彼らを鍛えることで、彼らがやがて、10年も経過すると、彼らが、メンターや投資家として活動を始めるだけでなく、実際に、事業をスケールする人材として活躍を始める。

 

ホフマン:PayPalマフィアという言葉は、ピーターティールや、マックス・レブチン、イーロン・マスク、デビット・サックス、ジェレミー・ストップルマンや、その他の何人かが、PayPalを出た後に、自分の会社を立ち上げて、互いに投資していく活動のことをいう。しかし、僕はこのPayPalマフィアという言い方が大っ嫌いだ。

 

ホフマン:マフィアという言葉には、低俗な意味があるからね。要するに、裏庭に、体を埋めるみたいな話の世界だね。ゴシップ誌の表紙を飾るような世界の話だよね。それが、みんなになんかワクワクするような感じを与えているのはわかっているけど。

 

僕は、PayPalネットワークという言葉を好む。しかし、それは雑誌を売れゆきをよくするためじゃない。このメンバーの中で、交わされるプライベートの会話のことだ。別にそれは、マフィアの世界のように、”ヘイ、イーロン、エンジニアを沈めれるいい湿地帯を見つけたぜ”とかいう会話じゃない。常に、僕らは、将来、巨大な魚になる小さな魚について話をしている。

 

もし、君が4,5人の本当にお互いに献身的に助け合い、信頼し合い、仕事をする仲間を作ることができれば、その周辺の人脈を巻き込むことでとても大きなネットワークを作り出すことができる。ノームを形成するような世界だ。そうやってお互いにプロジェクトに生きた息吹を吹き込む。

そうやって、周辺にまた新しい会社が育っていく。そして、それらの成長した会社を通じて、ネットワークの密度がこくなっていき、人材プールを育て、また、ナレッジベースも出来上がっていく。これによって、エコシステム全体を作り上げるための、リソース、ナレッジ、そして会社の多様化がもたらされる。

ホフマン:一つ明確にして起きたいのは、僕らは、シリコンバレーの元型を作った一味じゃない。全ての成功する創業チームは、それがGoogle、Facebookなどであれ、いつも小さいネットワークから花開いていく。それらシリコンバレーのネットワークに魔法はない。

例えば、トルコで大学生に起業家のロールモデルTop3を上げてくれと尋ねると、No.1はスティーブ・ジョブズ。No.2はマーク・ザッカーバーグ。 No.3は、Nevzat Aydinになる。彼は、ビル・ゲイツを下したわけだ。彼は、単なるアイコンじゃない。その点は、リンダが詳しく話をしてくれる。

ロッテンバーグ:トルコのイスタンブールで、Nevzat Aydin と Melih Odemisによって創業されたのが、Yemeksepeti。オンラインの弁当宅配会社。最終的に、Yemeksepeti は、Delivery Heroに$589億円で買われた。今でも、トルコのインターネット産業で最大のM&Aディールになっている。

NevzatとMelihは、そのM&Aで25億円のリターンをえた。社員にも、十分なリターンが得られるように調整した。CNNは、Nevzatのことを”偉大なボス”と言っているわ。

他に何が起きたか?Nevzatの周辺のネットワークは、友人関係を作り、クラブに一緒に行ったり、起業家精神について語ったり、コーヒーショップに一緒にいくようになった。そのうちの一人が、ゲーム会社を立ち上げたり、別の一人は、ジュエリーの宝石Eコマース会社を立ち上げたりしている。そのEコマース会社を立ち上げたHakan Basには、ある日、Nevzatから電話がかかってきた。そして、”僕は、ニュースで、君がモデルとデートばかりしているというのを知ったよ。会社に十分時間を割いていない”と。すると、Hakanは、”僕の周りでそんなことを言ってくれるのは、君ぐらいだよ”と。

これが、まさにエコシステムが出来上がっていく世界。シリコンバレーでは、このような会話は常にコーヒーショップで起きているわ。

つづく。

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