マスター・オブ・スケール – Endeavor CEO リンダ・ロッテンバーグのインタビュー#5

ホフマン:これは、単にコーヒーショップだけの話じゃない。様々な場所で、起業家的な人生を送るもの同士がお互いに学びあっていくんだ。最もよく知られた例は、メンローパークにあるレストランBucksだ。ここで出資の話がよくまとまる。または、Coupa CafeやUniversity Cafeでは、プログラマや学生がよくたむろしていて、リクルーティングされる。アクセラレーターのYCombinatorでは、起業家同士がお互いにインサイトを共有したり、また、スタートアップ経営の辛い側面を共有してお互いに励まし合う。

シリコンバレーを単なるFacebook、Google、もしくはLinkedinのHQの場所と考えないで欲しい。様々な組織の壁を超えて、人材が交流して意見が交換される。だから、シリコンバレーは、全体として、ディープラーニングのマシンのように、ネットワーク内を様々な情報が行き交い、全体として学習レベルをあげていく。だから、私は信じているのは、”次のシリコンバレーはどこか?”と言われた場合、この要素を持ち合わせているかが欠かせないということ。

テクノロジーのことは忘れて、人材にフォーカスしよう。君の周りに、このような様々な人材が、密度濃くお互いの経験と意見とそして才能を交流させる世界があるか? テクノロジーという側面をのぞいて見ると、そここそが、次のシリコンバレーについて考えるときに重要になってくるポイントなんだ。

起業家精神を持ったネットワークは、自然発生的にかつとてつもないスピードで成長する。たとえば、ケニアの首都ナイロビにあるネットワークを例にみてみよう。

JULIANA ROTICH:テック好きの人が集う場所がなかったのよ。ただ、なかった。それだけ。

ホフマン:これは、Juliana Rotich、マッピングプラットフォーム”Ushahidi”の共同創業者だ。Ushahidiは、スワヒリ語で、”目撃者”や”証言者”という意味を表す。2008年に立ち上がり、ケニアにおける、選挙時の暴力事件の発生を市民同士が共有しあうプラットフォームだ。

ROTICH:実際に、物理的なスペースがなかった。実際、薄汚いなんとかWiFiがつながるような場所しかなかった。だから、よくスーパーマーケットの近くで落ち合ったわ。WiFiがきちんと繋がるからね。そこにギークやオタクが集まってたの。なぜなら、タダでWifiが使えるからよ。

ホフマン:2008年より、Ushahidiは、政情不安定になった地域で利用されるプラットフォームへと成長した。社会活動家の多くが、Ushahidi を使って、様々な出来事をそこに共有した。例えば、ネパールで起きたマグニチュード7.8の大地震から、カイロの通りで起きたセクシャルハラスメントなど。Julianaは、また、iHubというワーキングスペースも作った。

ROTICH: 今となっては、ケニア以外も含めて、アフリカ全土にたくさんのコワーキングスペースが、できたわ。こんな感じで、テックスペースが進化していくことは見ていて本当に嬉しくなる。

ホフマン:Julianaによれば、今日、ナイロビだけでもiHubのようなテック好きが集うスペースが12あるとのこと。念の為、それら全ては、この10年の間にオープンした。Yコンビネーターの社長であるSam Altmanに、彼のネクストシリコンバレーについて尋ねた。

SAM ALTMAN:LAは面白いスペースだね。LAは未だかつてスタートアップの集積地になると考えられたことはなかったからね。NYこそ、次のシリコンバレーになるという人が多いんだけど、僕は、LAやシアトルの方が、その兆候が出てきていると思う。LAの中で起きている、人材、資本、そして、ナレッジレベルの密度の成長を見ていると、NYなどに比べても早く成長しているのがわかるよ。

ホフマン:しかし、LAが勝ち馬に上がってくる前までは、Tel-Avivがかなり有望株だった。イスラエルのテックスタートアップ業界のゴッドファーザーと呼ばれるYossi Vardiに話をきいてみた。リンダは、彼のことをいわゆる”前払い”型の起業家だと評価している。彼は、80ものスタートアップを育てた。僕らのプロデューサーであるDan Kedmeyが彼に尋ねた。

DAN KEDMEY: 次のシリコンバレーは、Tel Avivかもしれないと思いますか?

YOSSI VARDI: まず第1に何故、”である”じゃなくて、”かもしれない”なんだ?

ホフマン:Yossiは、Tel-Avivが以下のその可能性を持っているかについて要件をピックアップした。優秀な大学、テック領域に豊富な企業。経営陣に率直にものを言う人材、つまり服従心がない。しかし、Yossiは、これでも十分ではないと言う。

VARDI: 僕は、別の言い方をしている。それが全てを説明していると行ってもいいだろう。イスラエルの子供は皆共通している。彼らはみなユダヤ教の母親を持っており、彼女たちは、彼らを5歳のときからこう言う。”他人より優っていなければならない。あなたのいとこは何故あなたより優秀なの? これだけのものを与えたのだから、あなたはノーベル賞を取ってもいいんじゃない?”と。

だから、彼らは、母親を満足させようと努力する。ユダヤ教の母親になるためには、あなたはユダヤ教徒になる必要はないし、女性である必要もない。それは、宗教や性別の問題ではなく、マインドセットのそのものの問題だ。

ホフマン:次のシリコンバレーになるかもしれない世界中のスタートアップシーンをみていると、例えば、NY、シカゴ、ロンドン、ベルリンなど、有望株はやはり一つだと思う。リスクヘッジするよな言い方をするつもりはないけど、様々な形態のシリコンバレーがあっていいと思う。

その中でも、最も有望なのは、間違いなく中国だろう。深圳は、中でも有望だ。中国国内の北京、上海、杭州、成都などに比べても圧倒していると思う。

中国のテックスタートアップシーンをどのように言おうか? 実際、中国のテック産業はものすごいスピードで進化している。最近まで、BaiduのチーフサイエンティストだったAndrew Ngは、中国国内で起きているイノベーションのスピードは、とても正確に把握できるものではないと言う。

ANDREW NG: 数ヶ月前に、深圳にいた際に、車で走っていたら、新しいロボットデザインをテストしている会社を見かけた。あんな製品見たことなかった。深圳にいくたびに、新しいロボットデザインを見る。ニュース記事にでる写真からでもとても理解仕切れないと思うよ。実際に行って見てみるまではね。

つづく。

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