マスター・オブ・スケール – Endeavor CEO リンダ・ロッテンバーグのインタビュー#6

ホフマン:彼らの成功には共通項がある。まず、巨大人口があること。そして、仕事が早いこと。Andrewは中国での予定はかなり違う形態をとる。

Andrew: アメリカのテック業界よりも中国のテック業界の方が意思決定の平均スピードがとても早いと思う。中国のテック業界は、とても競争が激しい。中国のインターネット企業は、常に戦争状態と言っていい。例えば、ワークフローを例にとると、ある日、Baiduの他のメンバーと夕食を食べた際、HRに関する質問がでた。だから、私は、その夕食中、7時にHRのリードにテキストメッセージを送った。次の30分の間、彼女は、HR関係者に全て連絡をした。そして、回答が集められて、彼女に返答が全て戻ってきて、彼女は僕に返事をしてきた。そのタイミングが、7:30だ。これが普通なんだ。

もし、1時間以上かかったら、僕は心配しただろうね。これが、中国のインターネット企業での仕事の仕方だ。プライベートはかなり犠牲にする。それは不幸に聞こえるかもしれないけど、君の人生を大きく変えるよ。みんな、とてもハングリーで、本当に一生懸命働く、そしてとても野心的だ。

ホフマン: 僕が、中国のテック産業で素晴らしいと思うのは、このようなスピードだけじゃない。それらの企業で育つ人材だ。

経営陣、プログラマ、デザイナー、マーケッター、これらが皆、数人の創業メンバーから数千人規模の組織まで育てる方法を知っている。リンダは、まだ中国で活動をしていないから知らないのは当然だが、彼女に実際に聞いてみると、誰にも聞かれたことがないと言う答えが返ってきた。

ロッテンバーグ:私たちのアプローチは、ある国の成功モデルを他の国にも持ち込むようなモデルではないわ。だから、Jack Maとそのグループが、”ここにEndeavorが必要なんだよ”と声がかかったところで活動をする。

ホフマン:中国は、すでに自律的に成長するパスを取っているので、リンダに声がかかることはないと言えるだろう。

しかし、だからと言って、他の馬は、可能性を捨てるべきだろうか。そんなことは全くない。ここに、リンダの仕事の素晴らしさがある。

ロッテンバーグ:私は、かつてこう考えたことがある。”もしシリコンバレーに移ったら?もしNYに移ったらって?”って。もしまだアメリカだったらって。ブラジルやチュニジアの起業家をここに連れてくると言うのはぜんぜん違うことなのよ。

事実、もし、あなたがアメリカの中心部にいるなら、海岸に移ると言うことは、ほぼ別の国に行くことと同じ。だから、全てを捨てていくことになる。だから、私たちは、あくまで海岸に属さないその地元コミュニティの中からエコシステムを作って行かなければならない。

ホフマン:つまり、振り返ってみると、Endeavorは、プルモデルで上手く行っているのがわかる。そして、いくつかのアメリカの都市が、スタートアップエコシステムを育てるために、Endeavorのようなモデルの必要性を声高に訴えている。

ロッテンバーグ:だから、今、私たちは、4つのアメリカの都市で活動している。マイアミ、デトロイト、ルイスビル、そしてアトランタ。例えば、面白いのは、アトランタでは、共同代表が、時価総額1,000億円を超える会社を二つ作ったことが連続起業家なんだけど、”僕らはここで、次世代の人々がここにとどまることに投資している”

ホフマン:Endeavorは、単に起業家同士のコネクションを作り上げているだけでなく、それらを繋げて世界中のハブにしている。新興国で成功した起業家がケンタッキーにきて、”もちろん、君はここでスタートアップをスケールさせることができるよ”と。それは机上の話じゃない。今実際にここで起きているんだ。

ロッテンバーグ: ルイスビルには、Food & Beverage系の会社がたくさんある。そして、同じタイプの会社をサウジアラビア、サウスアフリカ、インドネシア、そして、コロンビアからこのルイスビルに連れてきた。こうして、皆お互いに繋がっている。だから、私が思うのは、赤の州だかと青の州だkとか、反グローバリズムかどうか、反テクノロジーとかどうかじゃなくて、地元コミュニティをベースにしたスタートアップエコシステムを作る以上のことをやっている。

だから、事実、私はここに倍がけしている。今、Endevorは、アメリカの20の都市で活動しているんだけど、5年前の私は、なんでまだやっていなかったのだろうと思ってしまう。

ホフマン:ということで、ここで次のシリコンバレーについて考えるのはやめよう。それよりも、一体、いくつのシリコンバレーができるかの方が興味深い話だ。どうやら、そのような世界中のスタートアップエコシステムが繋がる世界を生み出すことができるだろうか?

マインドセットを変えた方がいい。ちょっと間抜けに聞こえるかもしれないけど、”次のステーブ・ジョブズは、ブエノスアイレスでタクシーを運転しているかもしれないし、ルイスビルでスタートアップを立ち上げているかもしれない。必要なのは継続的な勇気と人脈だ”と言うこと。

レイド・ホフマンでした。ありがとうございました。

終わり。

僕の所感:

既存のシリコンバレーや中国の深圳に代表される巨大なテックスタートアップを育てるための条件は、国内に巨大人口があること、リスクマネーを供給できる度胸のある投資家が豊富にいること、そして、助け合いができる起業家と事業を短期間に拡張できる人材が豊富にいることでした。しかし、ブロックチェーンがもたらした、ICO/STO、そして、DAOの概念が普及することで、この要件も変化していくと見ています。

 

関連記事