なぜ、仮想通貨を利用したベーシックインカム制度が、SDGs達成にとって重要になるのか?

これも以前から考えていることですが、考えをまとめておきます。

ベーシックインカムとは?

まず、ウィキペディアから基本的な知識についての確認です。

From Wikipedia –

国民の最低限度の生活を保障するため、国民一人一人に現金を給付するという政策構想。生存権保証のための現金給付政策は、生活保護や失業保険の一部扶助、医療扶助、子育て養育給付などのかたちですでに多くの国で実施されているが、ベーシックインカムでは、これら個別対策的な保証を一元化して、包括的な国民生活の最低限度の収入(ベーシック・インカム)を補償することを目的とする。従来の「選択と集中」を廃止し、「公平無差別な定期給付」に変更するため、年金や雇用保険、生活保護などの個別対策的な社会保障政策は、大幅縮小または全廃することが前提となる。包括的な現金給付の場合は配給制度であり、国民全員に無償で現金を給付するイメージから社会主義的と批判されることがあるが、ベーシックインカムは自由主義・資本主義経済で行うことを前提にしている場合が多い。 しかしながら異論もある。 ベーシックインカムの根底には、無知や怠惰といった社会悪の除去という目的がある。ダニエル・ラヴェントス(スペイン語版)は、その目的のために法律化されるベーシックインカムは、世帯にではなく個人に対して支給されること、他の収入源から所得は考慮しないこと、仕事の成果や就労意欲の有無は問わないこと、という三つの原則に従わなければならないと主張している。

新自由主義者からの積極的BI推進論には、ベーシック・インカムを導入するかわりに、生活保護・最低賃金・社会保障制度を消滅させ、福祉政策や労働法制を「廃止」しようという意図が根底に流れている。また、新自由主義者の平等観でBIを導入すると、富裕層に貧困層と同じ金額を支給するという悪平等も発生する。

一方で、この考え方・思想に対しては古代ローマにおけるパンとサーカスの連想から「国民精神の堕落」など倫理的な側面から批判されることがある。所得給付の額次第では給付総額は膨大なものになり、国庫収入と給付のアンバランスが論じられたり、税の不公平や企業の国際競争力の観点が論じられることもある。

例えば、今の日本の物価水準でベーシックインカムを導入するとなると、失業保険の金額などを参考にして決めることなり、おそらく、成人一人あたり月20万程度が支給されることになります。

僕がベーシックインカムに賛成する5つの理由

僕のまず、ベーシックインカムに対する基本的なスタンス、つまり、賛成か反対かでいうと「賛成」です。しかし、やり方に工夫がいると言うのが今日の話の主旨です。

まず、賛成の立場を取る理由は以下の通りです。論拠の多くは、僕がOrb時代にまとめたホワイトペーパーによるところが多いので、以下の説明で納得が行かない人は、「こちらのホワイトペーパー」に全て裏付けデータも掲載しているので確認してください。ホワイトペーパーが難しいと感じる人には、「こちらの記事」が参考になると思います。

経済格差の解消につながる

これは、まず、第1に言えることですね。深く説明する必要もないと思います。そもそも導入の目的はここにあるのだから当然です。

都市人口の集中を防ぐことができる

都市に人口集中が発生する原因の一つは、「仕事」です。資本主義社会においては、資本家以外は、必死に働かなくてはなりません。でも、自分のやりたい仕事につきたいと考えるのが普通です。その場合、自然と都市という選択肢が出てくるのですね。なぜなら、職業の選択肢が最も豊富だからです。若者が都市に行きたがる理由の一つはそこです。

しかし、ベーシックインカムを導入する。ここは導入の仕方も重要ですが、地域別の物価を考慮しない全国一律と言うのが重要です。すると、物価の高い都市を嫌って、地方に移住する人が出てくるでしょう。同じ金額しかもらえないからです。

人口爆発が緩和される

これは言わずもがなですが、先進国で人口が減っているのに、新興国で人口が爆発している原因は、経済的に貧しいからです。年金制度もまともに運用されていませんから、親にとっては、子供は、自分の現役時代は「家計を支える働き手」であり、引退後は「自分の老後の面倒をみてくれる存在」なのです。ですから、ある程度の数の子供を作らないと目的が達成できないので、たくさん子供を生み出す。これは、動物が種の保存のために、大量の子孫を残そうとする行為と本質的には同じです。

一方、先進国で、かつアメリカのように積極的に移民政策を取らない国、つまり、日本や北欧などで人口が減り続けているのは、経済的な不安が引退後も含めて小さいからですね。ですから、子供を産む理由が減ります。子育ては大変です。数が増えると相当キツイです。つまり、自分の私生活を犠牲にしなければならない。ベーシックインカムのように、最低限の生活が死ぬまで可能なお金が毎月入ってくるのであれば、わざわざ子供を大量に育てる行為はしなくなるということです。

すると、人口爆発は自ずと緩和されると見ています。

環境破壊が改善される

人口爆発が止まると言うことは、環境破壊が改善されることに直結します。環境破壊の最大の原因は、人口爆発にあるからです。Orbのホワイトペーパーを読めばわかります。

怠惰のリスクについては大した問題にならず、むしろ若者の起業率が上がると見ている

僕の仮説をいうと、「ベーシックインカムがなかろうがあろうが、サボる奴はサボる」です。ベーシックインカムのない現代の社会においても、年をとってもアルバイト生活や浮浪者生活を送らなければならない人が存在するのはなぜか? を考えれば自ずと分かることです。僕がむしろ、可能性を見出しているのは、ベーシックインカムによって、若い世代の起業が増えることですね。それは、「こちらの記事」にまとめています。よく日本の起業でロクな成功経験もない愚かな大人が言うことですが、「社会人経験を積んでからの方が起業して成功しやすい」と言うやつがいます。しかし、こう言うことを主張する人に限って、起業家としては全く成功していません。実際に、起業家として、日米で起業経験があり、日本の仮想通貨・ブロックチェーン業界をゼロから立ち上げた実績でテック企業の売却経験も持っている僕から言うと、「社会人経験など全く不要」と言うのが結論です。それがぐらいゼロから事業を起こすことは特殊な世界なのです。もちろん、僕以外でも、アップルのスティーブ・ジョブズ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、マイクロソフトのビル・ゲイツ、テスラのイーロン・マスク、Googleのラリー・ページとセルゲイ・ブリンなど、全く社会人経験を持たないまま、世界の時価総額Top10の会社を作り上げた起業家が世界にはゴロゴロいるのですから、正に論より証拠です。

むしろ、「思考のゆとり」を手に入れた若者の中から多くの優れた起業家、クリエーター、科学者、アーティストなどが生まれると見ています。そして、彼らは、その成功によって、ベーシックインカム以上のリターンを受け取ることになります。ただ、彼らにはベーシックインカムが引き続き提供されますから、別に生活に困るわけではないので、やがて彼らの中から多く、奉仕経済の実践者が現れると見ています。奉仕経済は、ポスト資本主義後の未来の経済システムのカギの一つなのですが、詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

以上の観点から、ベーシックインカムに対しては「賛成」です。しかし、今の現状、ベーシックインカムの推進者の人々のやり方に対して、真っ向から反対です。全く本質的な問題解決につながっていません。上にあげた賛成理由を踏まえて、その点について詳しく話をしていきます。

インフレ型通貨に基づくベーシックインカム導入は「百害あって一利なし」である

これが最大のポイントですね。僕のブログやYoutubeの購読者であればもう分かる話だと思いますが、今のドルや日本円などの法廷通貨のデザインのままで、仮に月20万のベーシックインカムを導入したらどうなるか?

インフレ経済なのですから、初めは20万でスタートとしても、年々支給額は増やしていかないとベーシックインカムとして成立しなくなっていきます。そのために、どうするか?税金を増やさなくてはなりません。税金を増やすためには、経済を拡張し続けなければならない。すると、環境破壊は一向に改善されませんね。当たり前です。人類が、その経済システムを地球環境内に過剰に広げすぎるから環境破壊が起きているのですから。ちょっと考えれば分かることです。

同時に、現時点の国家経済システムで、ベーシックインカムを導入した場合、多くは赤字国債を発行して運用することになることは避けれられません。既存の税金収入の範囲でベーシックインカムを導入できる国家の数は、微々たるものでしょう。長年にわたるケイジアン経済政策の導入で、国家経済を成長させるために赤字国債を発行するという政策ルールが浸透しすぎたためですね。大半の国家経済は借金持ちが当たり前です。そこにベーシックインカムの原資を積み上げようとすると、1000兆円の借金を抱える日本政府を筆頭に赤字国債なしに実行することはほぼ不可能な国が大半になると見ています。すると、多くの国で、国家経済の財政状態に悪化による通貨価値の暴落が起きる可能性がありますね。それで、ベーシックインカムの導入が原因でデフォルトする政府も出てくるかもしれない。

なので、僕は、今、既存のベーシックインカム導入者の発想には全く可能性がないと判断しています。思考の詰めが非常に甘いのですね。

仮想通貨を活用したベーシックインカム導入のあり方

ここからは、僕のアイデアについて話をします。

まず、ベーシックインカムとして支給する通貨は、自然減価通貨が必須です。なぜか?先に述べたインフレが起きないからですね。また、そもそも、生活費用として提供することが目的であり、貯蓄目的ではありませんから、自然減価型で全く問題はありません。自然減価型通貨について理解したい人は「こちらの記事」を参考にしてください。

次に、それらは、僕が以前から提唱しているGDPに変わる経済指標であるSSR(自給自足率)に基づくコミュニティ経済内でのみ活用できる地域通貨であるべきと言うことです。僕が、Orb時代に進めていた「藩札2.0」の考え方と同じです。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。つまり、コミュニティ経済内の加盟店のみで使える地域通貨と言うことです。

僕が提唱するSSRについて理解を深めたい人は、「こちらの記事」を参考にしてください。

こうするとどうなるか? コミュニティ経済の自給自足率がより高まっていくわけですね。当然です。ベーシックインカムの原資は、各コミュニティ経済が負担するべきです。となると、コミュニティ経済は、自前の生産物の中でベーシックインカムが消費された方が、経済の循環性が上がるため、ベーシックインカムの原資に悩まなくて済みますね。これを他の経済圏でも使える通貨で支給してしまっては、原資を提供しているのに、そのお金が外で使われてしまうことが多発してしまうと、そのコミュニティ経済は回らなくなってしまいます。実際に、これが地方と都市との経済格差を生む原因になっています。

地域通貨として支給することで、この問題が解消されます。また、当然ですが、ベーシックインカムの金額などは、ブロックチェーンを活用したDAOによって決められるべきですね。現代でいうところの地方自治体は、政治的派閥を産むだけの持続的な社会にとってのがん細胞でしかないので邪魔です。DAOについては「こちらの記事」に詳しくまとめています。

その上で、僕が考えている更に革新的なアイデアは、「MakerDAOのDAIを地域通貨として活用すること」です。僕は、DAIにはグローバルなステーブルコインとして可能性を見出しており、DSR機能を削ったDAIは、グローバルな自然減価型通貨に成長できる可能性があるため、ポストドル時代のグローバル決済通貨として高い可能性があると見ています。詳しくは、「こちらの記事」にまとめています。

グローバルなステーブルコインなのに、なんで地域通貨として使えるの?矛盾してない?と思う人がほとんどでしょう。別に大した話ではありません。DAIはソフトウェアですから。笑

単純に、コミュニティ経済側が、ベーシックインカムとしてDAIを支給する際に、そのDAIにはコミュニティ経済固有の「タグ」をつけて、コミュニティ経済内の加盟店でしか使えないようにすればいいだけのことです。スマホアプリなどを利用した電子決済であれば容易に実現できます。

このDAIを活用したモデルであれば、各コミュニティ経済は、わざわざ個別に通貨システムをもつ必要もないので、手軽にベーシックインカム制度を導入することができます。実は、これは、僕が、OrbでOrbDLTを使って実現しようとしていた発想そのものなのですね。各地域経済でOrb DLTのプラットフォーム上に電子地域通貨を発行していても、それは全て日本円にペッグされている。つまり、DAIと同じようにステーブルコインになっているから、実質的には、使える加盟店で通貨の循環性をコントロールできるようにしており、裏方では完全にシームレスに繋がった非中央集権型のインフラで動いていると言うことです。僕が、MakerDAOに投資する理由の一つは、僕がOrbで構想していた内容をより優れたソフトウェアモデルで構築しようとしているからです。破壊的な0から1をやったことがある起業家にのみ見える世界です。

各地域通貨DAIの原資は、MakerDAOのソフトウェア仕様通り、BATやETH、またはNFTなどを担保にしたものがスタートになるでしょう。その点から、NFTは非常に可能性を持ってみています。各コミュニティ経済内の全てがNFTによってアセット化することができるからです。正に、スマートアセットですね。

このベーシックインカム制度であれば、とても持続性が高く、SDGsにも貢献できる仕組みとなるでしょう。

ここまで話が理解できるとわかると思いますが、仮想通貨によるベーシックインカムといっても、ビットコインのように供給制限によるアセット価値を持った仮想通貨を採用してはならないと言うことです。溜め込む奴が出てくるため、経済の循環性が上がらず、コミュニティ経済内でのSSRの維持に支障が発生するためです。貨幣回転率の高い自然減価通貨であることが実はキーなのです。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

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