日本企業の採用担当が不採用時によく使う回答「今回はご縁がなかった」は、完璧な「事なかれ主義」の例

この言葉、若い世代の子達は、就職活動や転職活動で、よく耳にしたことがあると思います。僕も、日本企業に就職経験があるので同じ言葉を目にしたことがあります。

僕は、リクルーティング力に圧倒的な自信のある連続起業家なので、 200%の自信を持って言いますが、日本企業の採用担当がよく使う、採用NG時の「今回はご縁がありませんでした」というのは、人事担当のサボりで完璧なる「事なかれ主義」の典型例なのですね。詳しくお話しましょう。

まず、「事なかれ主義」は、日本がダメになっている最大のがん細胞の一つですが、詳しく理解したい人は「こちらの記事」を参考にしてください。詳しくまとめています。

なぜか?

これでは、採用NGとなった側が、全く学習効果を得られないからですね。紹介会社を仲介しているならば、その紹介会社に対しても同じです。そもそも、「ご縁」てなんやねん。笑

「ご縁」って、完全に「努力放棄」している表現ではないか。なんじゃそりゃ。

今、顧問をやっているある友人の国内AI系ベンチャーでも同じような回答をしているのをみて、経営陣に厳しくフィードバックし、即刻止めさせました。止めさせたことで、紹介会社の仕事力が一気にアップし、僕の希望にかなった候補者を出してくるようになったので、なかなか強力な多様性のあるチームが作れています。まだまだチーム練度をあげて行かなくてはなりませんが、とてもポテンシャルの高いチームです。

例えば、紹介会社を仲介しているケースでいえば、「今回はご縁がありませんでした」と回答したところで、次どうすれば良いの?と言う話になりますよね。リコメンドした人材のスキルが採用企業側の希望スキルとどうマッチしなかったのか?全く理解ができません。これで、次の候補者がよりベターな候補者になることなど、到底ないですよね。ちょっと考えればわかることです。

ですから、僕の場合は、その人のライフスタイルや性格までも考慮するため、ほとんどダイレクトリクルーティングしかしませんが、その場合でも、その人に、なぜ、今回は不採用にしたかフィードバックします。「このセンス、スキルや経験値があれば、検討テーブルにのった」と。つまり、採用前に、かなり明確にスペシャリティを定義しています。例えば、Orb時代のプロダクトマネージャーの採用で、日本人で、大手のマテリアル系企業で製品開発のエンジニアとしてキャリアを積み、カーネーギーメロン大のMBAをとった人材がAngel List経由で応募してきたので面談した際も、色々と彼と議論した上、また、親しい友人で、ジャック・ドージーから直接ヘッドハントされてSquareのインターナショナルプロダクトチームのヘッドをやっていた人にもOrbの戦略アドバイザリーもやってもらっていたので、彼とも議論を重ね、やはり、ソフトウェアのアジャイル開発経験が浅いため、即戦力としては厳しいと言うことで不採用にしましたが、その際にもこの点をきちんと彼に伝えました。地頭がよいのでキャッチアップできる可能性もあるが、Orbの現状では、即、ソフトウェア開発のプロダクトマネジメントがはれる人材でないと厳しい。結果、その後、元アップルでプロダクトマネージャーをやっていたアメリカ人が見つかったので、彼をプロダクトヘッドとして採用しました。

ちなみに、この日本人の人材は、その後、イーロン・マスク率いるテスラモーターズからプロダクトマネージャーのオファーをもらって、今はシリコンバレーで活躍しています。日本企業の採用担当だったら、かなり頭もよく性格もいいので、即採用だったでしょうね。しかし、彼はOrbにきたらほとんどパフォーマンスを出せず、キャリアアップにはつながらず、お互いに不幸を経験することになったでしょう。ハード系開発の経験を生かして、テスラに行ったのは、とても良いスペシャリストとしてのキャリア選択です。そう言うことです。

しかし、日本企業は、あいも変わらず、愚かな「ゼネラリスト」思考がある。いわゆる、「総合職」とかいう採用モデルですね。これは、完全に、人事がサボっている証拠ですね。スペシャリスト採用ができない時点で、人事としては完全に無能です。別の事例で言えば、僕は、新卒の人材でも、スタンフォード大でコンピューターサイエンス学科を出た超優秀なロシア系移民の人材を新卒で雇いましたが、彼は、明らかにUX&UIに関心が高くグロースハッキング力が高いことが面談でわかっていたら、当然のごとく、フロントエンドプログラマとして採用しました。と言うか、実際には、UXセンスの高いグロースハッカーを探していて、彼を見つけたと言うのがことの次第です。実際、彼は、新卒ながら、その後、チームでも圧倒的な高評価を得ていました。先ほどのテスラに行った日本人の人材との比較でよく考えてください。僕は、常にそう言う採用しかやらない。キャリアがピカピカでも、実力がかなりのレベルでも、組成しているチームのパズルのピースにハマらなければ採用しない。日本の人事担当の大半はこう言うスキルがゼロですね。だから、新卒採用は「総合職」採用になる。本人の能力やポテンシャルの見極めを採用担当もさることながら現場も放棄しているから。つまるところ、僕のような新卒採用をした話を聞いたことがありません。当然で、組織論を考えていないからですね。現場感が全くない。僕は、新卒でもその人のスペシャリティポテンシャルを見抜いて採用します。そうやって、スペシャリスト軍団を作り上げていく。

一方、シリコンバレーのテック企業のリクルーティング担当では、僕の考えと同じで、全く、日本の採用担当レベルの言う話は通用しないのですね。そんなレベルでは生き残れないからです。上で話をした典型的な日本企業の採用担当など、本社の人事採用チームからまず声がかかることはないですね。現場チームから採用担当としてNGを喰らいます。役に立たないからです。こういうところで、日本のテック企業とシリコンバレーのテック企業には実力差が出ていると言うことです。チームが弱くて、世界で勝てるわけがない。

ですから、僕は、Orbを売却する直前でチームサイズは30人まで育てましたが、創業期から採用担当なしです。キーパースンのリクルーティングは全て僕がやっていました。日本に、自分が満足する仕事ができる採用担当がいないことを知っているからです。期待応えられない採用担当に1,000万の給与と1%のストックオプションを渡すぐらいなら、自分たちでやった方がコスパがよいと考えるのは、至極当然の経営判断ですね。バスケットボールやサッカーなどのプロチームスポーツの世界と同じです。

そして、最後にカルチャーマッチするかどうか、ですが、これはスペシャリスト定義とは、全く別の話です。会社としてカルチャーを明確に定義できていれば、現場チームの3,4人の面談を通して、自然とフィルターがかかります。4人が同じ違和感をその候補者に覚えれば、間違いなくカルチャーにフィットしていないと言うことです。逆に、カルチャー定義がきちんとできていない企業では、まともなフィルターがかからないので、おかしな人材が入ってくる。

そこには、いわゆるDAOの概念と同じで、「集合知」のメカニズムがそこに働いているのです。DAOについて理解を深めたい人は、「こちらの記事」に詳しくまとめています。

結局、日本企業の採用担当者と言うのは、倍率競争しかやっていない。1,000人面談して、10人採用すれば、倍率100倍。そのために、社内政治を配慮して、会社のご意見番的な人を面接官にいれば、4回ぐらいやって、全員からOK出たやつを採用する。「うちは、倍率100倍の企業だ」と自慢している。愚か過ぎる。

昔、関わったITベンチャーで、経営陣がそれを自慢していましたが、結果的に、プライベートエクイティに身売りする羽目になっていましたね。そのベンチャーは、カルチャーも明確に定義しておらず、採用方針もとてもいい加減でした。ただ、リクルート出身者のベンチャーだったので、営業力は高いから、とりあえず顧客は獲得でき、事業としては立ち上がり、IPOもしたが、IPOのストックオプションで成金になりたいモティベーションのやつばかり営業に雇っていたから、その後、彼らがどんどん辞めていき、営業力も急速に低下し、元から全くイノベーションを起こす力のない組織に成り果てており、結果的に、時代の変化について行けず、プライベートエクイティに身売りしたと言うことです。案の定というやつです。僕は、日本のスタートアップ界隈にうようよいるIPO狙いの守銭奴のような人材は絶対に雇わないし、会社のカルチャーとしても明確にそれを排除するものを作り上げていたから、メンバーも面接でその手の人材を完全に落とすし、むしろ、スーパースペシャリスト軍団に成長させていたので、その手の守銭奴型の人材は、そもそも僕がチームに組み入れていたスペシャリスト達と比べると圧倒的に能力が低いので、Orbのチームプロフィールを見て、ビビって寄りつかなくなった。その辺りは、マスターオブスケールのNetflixの創業者のインタビューをまとめた「こちらのコンテンツ」を理解すればわかります。NetFlixを率いるリード・ヘイスティングスのカルチャーに対する徹底的な拘りが、Netflixを世界最大のビデオストリーミング企業に育て上げています。しかし、日本のスタートアップ業界では、イノベーションを起こすことより、売り上げや利益やIPOなど守銭奴関連のネタがメディアで重要視されるので、こんなベンチャーでもチヤホヤしてもらえる。

リクルーティング力の高い起業家である僕から言わせれば、たった3人面談して、その内、一人、スーパースペシャリストを採用できる採用担当の方が圧倒的に時間効率がいいので、「優秀」と判断します。当たり前ですね。社内の人の他の面談時間を無駄に消耗しないのだから当然です。その人たちには他の仕事があるわけだから。そもそも精密なスキル定義をやっていないから、結果的に、単に競争倍率が高いだけで、やろうとしているプロジェクトに対する必要なスキルセットを持ったスペシャリスト軍団を作り出せない。

そして、僕が、Orbで世界初のリニアスケーラビリティをもつプライベートブロックチェーンを2017年時点で開発し、オラクルクラウドでのベンチマークテストで性能証明したように、スーパースペシャリストの結集されたチームではなくては、破壊的なアウトプットもイノベーションも起らない。だから、結果的に、日本企業からイノベーションを起こす力が失われていく。そう言うことです。

いかに、「事なかれ主義」が、日本を茹でガエルの沈む船にしているから、皆さんの理解の助けになれば幸いです。残念ながら、平成の「失われた30年」でわかるように、いまだに学習効果が日本企業に出てきていない。ことこの人材について何を学ぶべきかは、「こちらの記事」にまとめています。つまり、これを改革するには、30年の倍以上の年月はかかることが容易に想像できる。つまり、その間に、世界はどんどん先に進んでいくのだから、日本が置いていかれるのは、必定であると言うことですね。僕は、そのことを見越して、最後の賭けを、ブロックチェーン産業で日本でしかけ、「Japan is Crypto Heaven」と言われるところまで持っていきましたが、悲しいかな、幕末・明治維新のときのような人材が全くいない日本社会では、たったの4年しか持たず、そのチャンスも完全に絶たれました。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

ということで、日本の若い世代は、シリコンバレーのテック企業に就職することを僕はお勧めします。入ってからは本人次第ですが、最高のナレッジを獲得するチャンスが手に入ります。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

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