イギリスからアメリカへの基軸通貨の移行期から学ぶポストドル時代の仮想通貨・ブロックチェーン市場の未来 #2

イギリスの没落を決定的にした第1次世界大戦

第1次世界大戦は、ヨーロッパ社会が大航海時代を皮切りに続けてきた植民地戦争の終着点とも言えるイベントでした。苛烈な帝国主義の展開によって、とうとう植民地側からの反発が深刻なレベルになってきたのですね。いわゆる「民族自決」運動です。それが、第1次世界大戦の引き金を引いた、「サラエボ事件」です。

From Wikipedia – サラエボ事件は、1914年6月28日にオーストリア=ハンガリー帝国の皇嗣であるオーストリア大公フランツ・フェルディナントとその妻ゾフィー・ホテクが、サラエボ(当時オーストリア領、現ボスニア・ヘルツェゴビナ領)を訪問中、ボスニア出身のボスニア系セルビア人の青年ガヴリロ・プリンツィプによって暗殺された事件。プリンツィプは、大セルビア主義テロ組織「黒手組」の一員ダニロ・イリッチによって組織された6人の暗殺者のうちの1人だった。暗殺者らが語った動機は、のちに「青年ボスニア」として知られるようになった反オーストリア的革命運動と一致していた。この事件をきっかけとしてオーストリア=ハンガリー帝国はセルビア王国に最後通牒を突きつけ、第一次世界大戦の勃発につながった。

特に、この戦争が世界規模になった背景は、ドイツの台頭があります。ドイツは、1860年ごろから、僕がこのブログでよく使う言葉「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学び、聖人は経験から悟る」の言葉を生んだ名宰相ビスマルクのリーダーシップによって、産業革命を成し遂げ、イギリスと同じモデルの展開を開始し、ライバルとして台頭してくるのですね。この結果、主にアフリカ・中東方面で、イギリスの植民地支配と対立するようになり、これが第一次世界対戦が、世界規模の総力戦になる原因となりました。簡単に言えば、ドイツがイギリスに対決を挑んできたのです。第1次世界大戦の基本の敵対関係は、イギリス・フランス・ロシア連合軍VSドイツ・ハンガリー帝国中央同盟軍の戦いです。日本は、当時、日英同盟を締結していましたから連合国側で参戦しています。

From Wikipedia – オットー・エドゥアルト・レオポルト・フォン・ビスマルク=シェーンハウゼン(1815年4月1日 – 1898年7月30日)は、プロイセン及びドイツの政治家、貴族。プロイセン王国首相(在職1862年-1890年)、北ドイツ連邦首相(在職1867年-1871年)、ドイツ帝国首相(在職1871年-1890年)を歴任した。ドイツ統一の中心人物であり、「鉄血宰相(独: Eiserne Kanzler)」の異名を持つ。

ただし、ビルマルクは、第一次世界大戦前にすでに亡くなっています。彼を失ったことで、ドイツは舵取りが上手くできなくなってしまい、結果、イギリスに直接対決挑むような愚かな展開をやらかしてしまった。孫子の兵法からすれば明らかに失策ですね。当時のドイツとイギリスは戦力差がかけ離れていましたから。

しかし、この総力戦によって、イギリスは戦争には勝てたものの、経済は深刻なレベルで疲弊します。この第1次世界大戦で、唯一無傷だった大国が、「アメリカ」なのですね。アメリカのファミリー財閥達は、イギリス政府の戦費調達に力を貸し、かなりの金を貸していました。結果、ここで、イギリスとアメリカの立場が逆転していきます。また、この時の戦費回収のための、敗戦国ドイツなどに対する苛烈な賠償金請求が、のちの、ヒットラー率いるナチスドイツを育てていく遠因となっていきます。

イギリスの植民地支配の失敗から学んだアメリカの「ドル外交戦略」

第1次世界大戦において、窮地のイギリスが取った重大な外交政策の過ちが一つあります。それが、「3枚舌外交」です。ビジネスで言えば、空の約束手形の乱発ですね。この背景は、ドイツの背後にある同盟国トルコを倒すためでしたが、ロスチャイルド一族などユダヤ系財閥から資金支援を受けるため、将来パレスチナ地域にユダヤ人国家の設立を約束した「バルフォア宣言」、そして、アラブの部族を戦争に協力させるため、アラブ人のトルコからの独立を約束した「フサイン・マクマホン協定」、最後が、ロシア・フランソと連合軍を作り上げるため、ロシア、フランスとの間で中東利権のドイツの排除と再分割を約した「サイクス・ピコ協定」です。

実は、これが、現代のイスラエルの誕生秘話であり、今の中東問題の火種を生み出す原因となりました。イギリスは、なので、この中東問題に対して一生責任を追っています。

同じことは、実は、日本もそうで、僕が別のブログでも伝えているように、朝鮮の南北分断や中国の共産主義化は全て、昭和日本の帝国主義が原因です。だから、日本は、一生、この問題を背負っているのですよ。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

アメリカは、第1次世界大戦を引き起こした、このイギリスの植民地支配方法をよく観察していました。イギリスは、基本、インドがよい例ですが、総督と呼ばれるイギリスの外交官を現地統治者として派遣し、以下は、警察力や軍事力、または財務など、超重要ポストはイギリス人で構成し、それ以外は現地の人材を登用するという支配モデルでした。この手法は、ローマ帝国の属国支配モデルと全く同じです。しかし、ローマ帝国もまたこのモデルが原因で、属国からの反発が強まり、帝国として衰退して行くのですね。ですから、イギリスの帝国主義も同じ結果を生み出し、「民族自決」運動を苛烈化させてしまい、自己の衰退を招いてしまいます。

だから、アメリカが考えたした新たな戦略が「ドル外交」です。簡単に言えば、その国と「共依存関係」を作り出すことです。決して、イギリスのような直接支配はしません。ドル外交の基本は、アメリカ国債を買ってもらうことです。その国債によって手に入った資金で、アメリカは、アメリカ企業を通じて、その国の経済に投資します。すると、ここで、必然的に、ドルとの経済取引が発生します。一方、その国の中央銀行は、米国債を保有することになり、それを信頼の担保に自国通貨の信用を確保することになりますから、米国債が下落すると困ります。だから、また買う。アメリカ経済を支えるため貿易を続ける。基本的にこの経済取引において、アメリカが輸入国です。そのために、アメリカは移民政策を続けます。人口を増やすためですね。そして、輸出国側は、そのためには、取引のためのドルが必要。こうして、準備通貨として、ドルも中央銀行のバランスシートに組み入れることになる。こうやって、その国は、アメリカへの依存度が高まり、結果的に、アメリカ経済の中に組み込まれて行きます。覇権国家戦略としては、とても優れています。この点は、アメリカの企業買収にもよく現れています。平和ボケした日本人は、全く見えてませんが、買収した企業の本社への組み入れ方のノウハウもアメリカ企業は非常に長けています。しかし、まあ、もうそういう時代ではありませんがw

いずれにしても、アメリカは、こうやって、現代の覇権国家へと成長して行きました。ただし、この発想の原点として、読者に理解してもらいたいのは、そもそもアメリカがイギリスの植民地支配から独立して生まれた国家がである点を理解しなくてはなりません。支配されていた側だからこそ、支配される側の痛みをよく理解しているのです。だから、彼らは、直接支配という選択肢は絶対に取らない。この点、中国共産党は、毛沢東時代の大粛清政治をひきづっているのか、今の中国の香港に対する過剰な監視政府的な政治的動きを見ても、あまり、上手くないのがわかりますね。また、日本も全然上手くないですね。日本は、植民地支配を受けずに、帝国主義を始めたため、日本の昭和時代の帝国主義を見ればわかる通り、日本人を「神民」扱いしてる時点で、バカ丸出しです。ですから、アメリカが、平和憲法で、日本を対外活動を制限させているのは、国際政治経済上は、全くもって正しい判断なのです。

ですから、これが、結果的に、冒頭に触れたあの「世界の中央銀行の準備金比較」の図に戻ってくるわけです。

これが理解できれば、僕がなぜ、ビットコインのことを「デジタルゴールド」と名付けたかが、わかります。どうですか?そう、ドル外交戦略を参考に作ったネーミングです。

世界の中央銀行が、ドルからビットコインに準備通貨の主軸を切り替えていくことで、以前から伝えている、この図が具現化していくのです。

つまり、アメリカのドル外交戦略を理解しているので、それをひっくり返すには、ビットコインが「デジタルゴールド」となって、ドルの代わりに、世界の中央銀行のバランスシートに組み入れられていくことが、僕らの経済システムの中心が、アメリカ経済から、仮想通貨経済へとシフトしていく上で、非常に重要になってくるのです。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

つまり、人類が、新たな歴史のページを開くには、今、1972年以来の「第二のニクソン・ショック」=ドルの通貨危機という歴史的イベントが、絶対的に必要不可欠なのです。

 

覇権移行期のイギリスとアメリカの国力の変化について振り返る

ただ、この上で、一つ気にしておくべき点があります。その「時間軸」ですね。

以前、僕は、ポストドル時代の基軸通貨には4つのシナリオを想定しており、詳しくは「こちらのブログ」にまとめています。この流れは間違いないと見ているのですが、課題は、どの程度の時間を要することになるのか?

このテーマについて考える上でも、歴史はとても参考になります。要するに、

アメリカは、果たしていつのタイミングで、イギリスの国力を超えていたのか?

ということです。

古い時代になるため、なかなかデータがないと思いきや、日本で、まとめてくれているサイトがありました。

https://bit.ly/3ehLqP5

URLリンク先が、そのサイトです。オランダのフローニンゲン大学とIMFのデータをつなぎ合わせて作成しています。これによると、イギリスがNo.1だった時代は、1871年のイギリスのGDPが105,570、アメリカが102,862で、これが最後の年です。1872年からアメリカに逆転されています。

つまり、政治的に覇権移行が開始した第1次世界大戦のタイミングより前に、すでにアメリカは超大国になっていたわけです。

この歴史的アナロジーをそのまま、今の仮想通貨に当てはめるとどうなるか?

2020年5月時点での仮想通貨経済の時価総額は30兆円程度。一方、アメリカの株式時価総額は、2500兆円程度です。ちなみに、世界の株式の時価総額は4400兆円程度です。最新値は、「こちらのサイト」で確認できます。

つまり、現時点で、仮想通貨経済とアメリカ経済の時価総額の格差は、約83倍の開きがあります。歴史的アナロジーをそのまま当てはめるのであれば、最低でも1872年が開始点として覇権移行が完了する第2次世界大戦終了の1945年まで、73年間を要するにことになります。仮にビットコイン元年の2010年がスタート点としても、2083年です。

また、さらに遡り、アメリカが、当時の覇権国イギリスから自らを切り離すための独立戦争を開始した1775年をスタートラインと考えた場合、GDPが逆転する1872年まで、97年。イギリスの衰退が決定的となった第1次世界大戦が集結する1918年まで143年です。2010年のビットコイン元年を同じスターラインで計算すると、+97年のシナリオで2107年。+143年のシナリオで2153年になります。

また、ビットコインが、完全にデジタルゴールド化する、つまり、発行上限に到達するタイミングは、2140年でこれはプログラムとして確定しています。うーん、あながち、この2140年という数字、間違っていない気もする。笑

はてさて、どのぐらいのスピード感で、上の図は達成するのか?1872年当時と現代の決定的な違いは、インターネットによる情報伝達速度の違いですね。一つの情報が、世界に一気に短期間が広がる。故に、衰退は早く進化も早い。これが、インターネット時代の世界の実態です。そのお陰で、ブロックチェーン産業は、インターネット産業の発展スピードの2倍と言われています。ゼロから立ち上げてきている僕の体感としてもそれは実感します。また、トランプ政権によってアメリカの衰退が加速していることも事実です。

最終的には、「人類次第」ということになります。アメリカの後釜を狙う中国の台頭も含め、歴史的過ちを繰り返す方に自らを賭けるのか、それとも、新たな歴史の顛末を自ら生み出すのか。前者は、文明社会の崩壊であるアポカリプスへと繋がり、後者は、聖書の最終節「ヨハネの黙示録」に出てくる千年王国への道です。

最後に、僕は、このように記事執筆に利用した転載元のサイトリンクはきちんと載せますが、日本のインターネットに対する思想レベルはほんとレベルが低いですよね。なぜなら、社会を代表する著名人が平気で、僕の記事内容をパクって、発言して金を稼いでいる。これでは、日本が衰退するのも無理はありません。その点については、「こちらの記事」にまとめています。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

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