【シリーズ】リブラとは? – Libraの新たなプロダクト戦略はOrbの「藩札2.0」と全く同じ。

さて、最近、フェイスブックが率いるリブラが、新たなプロダクト戦略を打ち出しましたね。完全に僕が経営していたOrbのプロダクト戦略と同じになりました。どのように変化したのかとその背景についてまとめておきます。

初期のリブラのプロダクト戦略は「グローバルステーブルコイン」

Libraという通貨バスケット制によるグローバルステーブルコインを発行し、その運用は、リブラ協会というNPOが管理していきます。以下が、最新のリブラ協会メンバーですね。VISAやMasterなどキーパートナーが抜けてしまっています。

リブラ協会の現状 – https://jp.techcrunch.com/2019/10/21/2019-10-20-in-a-big-reversal-libra-reportedly-could-peg-its-cryptocurrencies-to-national-currencies/

その上で、このLibraを使ったアプリを開発するイーサリウム同様のBaaS機能を持っていることが特徴です。つまり、BaaS上のアプリのユーザーベースが拡張すれば、自動的にリブラの利用率も上がるため、リブラの汎用性は上がっていくわけです。

しかも、このアプリ達は、フェイスブックの巨大なユーザーベースにアプリのマーケティングを展開する優先権が与えられています。フェイスブックがリードしているプロジェクトなのだから当然ですね。以下は、2017年時点のSNSのアクティブユーザーベースで、フェイスブックはこの時点で月間アクティブユーザー20億人ですが、2020年には28億人に到達していると言われています。世界のインターネット人口が約38億人ですから、70%の市場シェアを抑えているわけです。このアクティブユーザーベースに勝てるのは、ウェブブラウザぐらいですね。

URL: https://techcrunch.com/2017/06/27/facebook-2-billion-users/

そして、通貨バスケット制度も、現状は、世界の準備通貨の水準に合わせて、比率、ドル>ユーロ>日本円のような形で運用する予定でした。以下は、2019年時点での、世界の中央銀行の外貨準備比率をIMFのデータを元にまとめたものです。ドルのシェアは60%と圧倒的ですね。

https://www.coindesk.com/in-race-for-2030-currency-supremacy-the-dollar-is-its-own-worst-enemy

そして、リブラのBaaSは、イーサリウムのようにパブリックブロックチェーンではなく、プライベートプロックチェーンです。参加ノード=リブラ協会です。つまり、参加ノードは自由に出入りはできません。

しかしながら、このプロダクト戦略は、フランスやドイツの先進国中心に、ものすごい嫌われ、リブラ利用禁止の法案などが検討されています。

なぜか?

リブラが本格的に稼働したら、自分たちの経済が衰退することが必須だからですね。28億人の新しい経済圏が生まれるわけです。しかも、それは全てリブラ協会がリターンをえます。アメリカや世界のどの国家経済よりも大きな経済圏になることが予想されます。となれば、必死に抵抗するのは当然ですね。全て持って行かれてしまうリスクがあるわけですから。

結果、リブラは、完全にプロダクトはピボットを踏んで、戦略変更を余儀なくされます。

新たなリブラのプロダクト戦略は、完全にOrbの「藩札2.0」

そして、新たな戦略は、すでに多くのメディアで報じられているように、各国の法定通貨ごとにステーブルコインを発行するプラットフォームになったということ。例えば、ユーロやポンドや、日本円、ペソ、タイバーツなどにペッグしたステーブルコインを発行するということです。

ここまでくると、このブログの購読者であればもう気づいていると思いますが、僕が経営していたOrbのプロダクト戦略である「藩札2.0」と全く同じです。詳しくは「こちらの記事」を参考にしてください。

僕が立てていたOrbのプロダクト戦略は、日本の経済圏内に、日本円とペッグした地域通貨経済圏を複数作り上げ、このモデルをドルやユーロなどでも同じように展開していくことで、最終的に、Orb DLTというリブラと同じパーミッション型BaaSの上で、世界中の様々な経済圏が乗っかることで、世界の経済圏を全て、ブロックチェーン型のものに作り変えていくという戦略でした。

Orbが、パーミッション型を採用する背景は、決済通貨にフォーカスしているからで、決済システムは、データ・コンシステンシーと拡張性の要求水準が非常に高いため、パブリックブロックチェーンの今の技術レベルでは応えられないのですね。しかし、今は、この点はあまり重要ではないと判断しています。その点は、「こちらの記事」にまとめています。

これは、リブラの新たなプロダクト戦略と全く同じです。

僕が構築したこの「藩札2.0」プロダクト戦略には、国家は敵対しません。なぜか?この場合の仮想通貨は、電子マネーとほぼ同じですからね。実際の法定通貨の信用力は、引き続き、各国の中央銀行が維持できています。ただし、最終的には、これらの経済圏がOrb DLT上でネットワーク化されてきた状態で、Orbが、通貨バスケット制度に基づくステーブルコインを発行すると、世界各国の中央銀行の影響力は劇的に低下します。

それが、僕がOrbで描いていた「ポスト資本主義社会」に人類の経済活動を移管させる戦略でした。

なので、リブラの新たなプロダクト戦略もほぼOrbと同じプロダクト戦略に切り替えたということです。とはいえ、リブラの狙いは、初期の戦略で、先進国の首脳陣は気づいてしまっているので、うーん、今更Orbの戦略を取って、どこまで彼らに受け入れてもらえるのか、ちょっと不透明になってしまった感はあります。

自分でいうのも何ですが、リブラレベルが僕の戦略を採用してくるということは、やはり、僕の戦略構築力は、それなりのレベルなのだなと改めて思います。

ただし、僕が、今、OISTで動かしている新たなポスト資本主義社会の実現のための戦略は、更にその上を行っています。笑

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

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