BATは、GAFAに絶対に勝てないのはなぜか?

今日は、この香港関連のツイートについて掘り下げて話をします。

BATといえば、Bidu、Alibaba、Tencentの中国3大IT企業ですね。特に、アリババとテンセントは、世界時価総額ランキングでTop10入りしているほどの存在です。よくこれからは、BAT対GAFAの戦いになるというような記事も見たりします。

参照リンク:https://bit.ly/2ri0xl3

しかし、僕は、彼らが、北米の巨大IT企業であるGAFA、Google, Amazon, Facebook, Appleには「絶対に勝てない」と考えています。

それが、上のTiktokの話と通じてきます。

僕は、Tiktokの大ファンです。実にプロダクトセンスが高いです。Youtubeは録画マーケットが中心、Twitchはライブストリーミングが中心。しかし、いずれも「時間制限なし」のコンテンツ制作の世界になるため、個人が気軽に目立てるような世界ではありません。僕のYoutube動画は教育路線で行っているのでそれでも良いですが、多くの個人にとって、質の高い録画動画やライブストリーミングを提供し続けることは、他の仕事を抱えているケースもありますから、なかなかハードルの高い話です。

そこをTiktokは「15秒」(今はもう少し伸びて30秒暗いまでOKになっている)という瞬間にフォーカスすることで、よく日常のホームビデオなどに出てくる「奇跡の一瞬」の世界に焦点を当てることで、それまでYoutubeやTwitchでは、脚光を浴びることができなかったユーザーが日の目をみる世界を産み出しました。

しかし、Tiktokを運営するバイトダンスは、中国のITベンチャーです。北京に本社があります。

From Wikipedia – TikTok(ティックトック、中: 抖音短视频、抖音、Douyin) は、中華人民共和国のByteDance社が開発運営しているモバイル向けショートビデオのプラットフォームである。音符状のロゴは「抖音」の拼音表記「Dǒuyīn」の頭文字「D」に由来する。また中国語名の「抖音短视频」のうち「抖音」はビブラート、「短视频」はショートビデオという意味である。中国本土版(抖音)と国際版(TikTok)の2種類があり、互いに動画は混じることはなく、そして、フィルターの種類などアプリの機能も差がある。2018年6月、世界中で5億人のアクティブユーザに到達。

素晴らしい実績です。しかし、記事にあるように、アプリは中国本土版と海外版で分かれており、データセンターも別れています。海外版のデータセンターは、中国国外にあります。なぜか?

そうしないとユーザーが使ってくれないからです。では、なぜ、使わないか?

原因は、「中国政府に対するイメージの悪さ」ですね。監視政府としての活動が目立つ中国政府が、中国製のアプリの個人データを収集していると言われており、それを海外ユーザーが嫌うためです。実際、WeChatが海外進出しているのは僕も知っていますが、僕の周りでも中国人や中国人と仕事やプライベートで交流が豊富にある外国人以外はあまり積極的には使っていないのが現状です。

そうなってくると、BATの場合も同じです。ソフトウェア事業をやった人であればわかることですが、データセンターも含めて、2つのプラットフォームを運営するのは経営効率の観点からして優れているとは言えません。単純にメンテナンス労力が2倍になるからです。ということは、その分、利益率も悪化する。同じプロダクトを提供している場合、自ずと、GAFAの方が競争力が上がる。

なぜなら、GAFAは、世界共通プラットフォームで運営しているのに、BATは、中国国内と中国国外の二つのプラットフォームで運営しないと、海外進出していくことができないから。

今、BATの時価総額が高いのは、中国国内に13億人という巨大な市場が存在しているからです。しかし、これも20年も経つと、一人っ子政策の影響で、維持が厳しくなってきます。中国の人口ピラミッドは、少子高齢化傾向にある日本のそれと少し似ています。詳しくは「こちらの記事」にまとめています。

ですから、中国のIT企業は、成長を維持するためには海外に出ていく必要がある。しかし、海外に出ていくときに、この中国政府の評判の悪さが、彼らの事業成長に足かせになってしまっている。

一方、アメリカ政府は、民主主義と自由主義を重んじるため、この点での悪評は立たず、仮にそのようなことをする政権が出てきても、ジャーナリズム側や一般市民が厳しく批判する活動が活発なため、自制する力が社会にある。しかし、中国政府の場合は、とにかく、監視政府と隠蔽工作の活発さが目立つため、海外の人々は結果的に、中国IT企業のアプリを警戒してしまい、積極的に使わなくなってしまう。

この点が、今回の香港の一件で浮き彫りになってきていると言えます。

このジレンマが解決しない限り、中国IT企業が、GAFAを凌ぐ存在に成長することは厳しいというのが僕の評価です。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

 

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