マスター・オブ・スケール – VMWare創業者兼CEOダイアン・グリーンのインタビュー#7

ホフマン: 企業が、自分たちのコアビジネスを全くテストしたこともない新しいプロダクトを利用して動かすというリスクの取り方はまずしない。だから、ダイアンは、スイス・アーミー・ナイフを売ることを考える前に、まず市場で生き残るための初期の決定的にユーザーに刺さるユースケースを探した。だから、彼女は、”ナイフやハサミや、ドライバーのことは忘れて、ピンセットに集中しましょう”とチームに伝えた。その中で、彼女は、小さいユーザーベースに注目した。Linuxの開発者達だ。Linuxが大好きな連中がいるんだが、彼らは、Linuxが、Windows帝国に対して極めてニッチなプレイヤーでいることに不満を覚えていた。彼女は、そのペインポイントを感じ取った。

グリーン:彼らにとっての最大のペインポイントはなんだったか。Linux開発者の全てが、Microsoftのアウトルックをインストールして使わないといけなった。つまり、二つのコンピュータをもつ必要があった。だから、この問題を解決することにした。

ホフマン:Linuxの開発者たちがこの解決策にどのように反応したか詳しくここでは話さないが、これによって、ダイアンは、シリコンバレーで、急成長していくプロフェッショナルグループにターゲットを絞って事業を成長させていくキッカケを手にれいた。そして、やがて、Linuxは大流行になっていく。Linuxの草の根運動は、物凄い勢いで盛り上がっていく。

グリーン:いくつかのVCが、コンタクトをとってきて、私に、”なんで、君はLinuxが上手く立ち上がると思ったんだ?”と聞いてきて、私は、”そんなことは全く予想していなかったわ。ただ、Linux市場は私たちにとって最適な第1市場であることだけを理解していたわ”と。当然、彼らは開発者だから、本当に技術好きであることもわかっていた。だから、新しい技術を試しがることも。だから、そこからスタートすることにしたの。

ホフマン:ここで彼女が、”新しい技術を試しがるユーザー”と表現している点に注目して欲しい。いくつかのプロダクトは、そのようなユーザーは必要としない。ちょっとしたターゲットの変更が、一気に自分たちの製品に注目を集めるキッカケを生み出すということ。すると、一晩で一気に盛り上がり、事業が立ち上がり始める。もし、このような事態が君に起きたなら、これは素晴らしいことだ。君は、かなり幸運だと言える。

多くの起業家は、大抵、大きなビジョンを思い描きながらも、目の前のとても小さいユーザーベースを相手にビジネスを始める。

そして、ダイアンにとって、新きものずきのユーザーは、システムアドミンたちだった。そして、彼らは、実は彼女のビジネスにとって巨大な影響力の持ち主だった。なぜなら、彼らこそ、企業のIT予算の配分の意思決定に関わるユーザーであり、彼らの目標は自分たちのサーバー管理の仕事を以下に管理するかだからだ。

ダイアンは、このユーザー達を満足させることで、彼らが自ずと彼女が考えるスイス・アーミー・ナイフに興味を持ってもらえることを学んだ。

グリーン:システムアドミンは、徐々に、VMWareが、彼らにとって、驚くべき便利ツールであることを理解してくれて行った。彼らが、やがて、VMWareのエバンジェリストになっていってくれたのよ。

私たちのユーザーカンファレンスは、まさにアップルのユーザーカンファレンそのもののようだった。情熱的で興奮がそこにあった。そして、カンファレンスの度に、ユーザーは絶賛してくれた。

ホフマン:ところで、このVMWareの熱狂的な盛り上がりは、まだ市場のわずかの人しか知らなかった。YouTubeで、”WMware World”と検索してみて欲しい。そこで、当時のVMWareのカンファレンスでの盛り上がりがわかると思う。シャンパンも飛び交った。なぜ、この熱狂的な盛り上がりが世の中に広く知れ渡ることがなかったといえば、ユーザーである彼らシステムアドミンは、木の下にある根のような存在だからだ。

こうして、ダイアンは、大学教授から始まって、そうして倒産しかけの会社に、やがて、Linuxの開発コミュニティにターゲットユーザーを移していくいくことで、事業を立ち上げて行った。しかし、この彼女の脇道の冒険には、ある隠されたロジックがある。それは、彼女が、初期に投げかけた質問だ。この質問こそ、君のユーザーに君自身から尋ねて欲しいことだ。

グリーン:どこに最大のペインポイントがあるの?

つづく。

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