マスター・オブ・スケール – スラック創業者兼CEOスチュアート・バターフィールドのインタビュー#1


Master of Scale(マスター・オブ・スケール)は、シリコンバレーのインナーサークルの一人、レイド・ホフマン(ペイパル・マフィアの一人でもある)が、彼が親しくしているシリコンバレーの起業家たちを招き、「スタートアップを成長させるためのノウハウ」について、インタービューを通してリスナーに伝えていくポドキャストの番組です。

ペイパルマフィアについては、「こちらの記事」にまとめています。

この内容は、そのポドキャストの内容を翻訳したものです。若い起業家の方は、参考にしてください。また、原文やポドキャスト合わせて使うことで、英語学習にもなると思います。ぜひ、上手に役立てください。オリジナルリンクはこちらです。

THE BIG PIVOT – Stewart Butterfield, Co-founder & CEO, Slack

レイド・ホフマン:それは、2002年のこと。シリコンバレーにとっては、暗黒時代と言っていい。ドットコム・バブルが崩壊した後だった。テック投資家は沈黙したままだった。そのせいもあって、インターネット市場で新たなサービスはほとんど立ち上がっていなかった。ところが、どこからともなく実験的なビデオゲームプロジェクトのGame Neverendingというのが立ち上がった。RPGゲームなのだけど、ソーシャル・インタラクションがメインのゲーム。君は他のユーザーと協力して、オンラインに新しい世界を作って行く。たとえば、建物や、家など。

ゲーム好きな人ならわかると思うけど、このゲームは正にMInecraftの先駆的な存在だった。建物を立てるために、親しくなった他のユーザーとリソースをプールしたり、全く新しい物を発明したりしながら、お互いにより高いレベルに上がって行く。何がゴールかって?ただひたすら建物を立て続けること。決してやめてはならない。このゲームには、エンディングがない。そのタイトル通りだ。しかし、多くのコアファンの間では、このゲームの最終ゴールは、ある最後のアイテムを作ることだった。その名も、Game Neverending. なんと意味深いことか!

あんまり真剣にやり続けるタイプのゲームというわけじゃなかったけど、このゲームのプロトタイプは、数千ものコアファンを生み出していた。けど。。。

ステュアート・バターフィールド:しかし、全く資金が集まらなかった。

ホフマン:彼は、ステュアート・バターフィールド。チャートツールの最大手Slackの創業者だ。しかし、Slackを手掛ける前、彼はこのゲームを作っていた。ただ、タイミングが悪かったと言っていい。先ほど話した通り、ときは2002年。シリコンバレーの暗黒時代だ。そして、テック投資家の大半は、ゲームの世界がオンラインの世界に入ってくるとはほとんど考えていなかった。

バターフィールド:当時は、確かに一般的にいうところの、金融市場は暗黒の時代だったわけだけど、真面目なゲームにすら開発資金が回ってこないというぐらいの酷い有様だったね。

金がないから、チームに対する給与の支払いも、子供を抱えている人だけにしていた。僕らは、正に”ヘイルメアリ”のラストパスが必要だったんだ。(アメフトで、ゲーム終盤で苦戦を強いられているチームが最後の賭けとして得点を狙うために投げるロングパスのこと)

ホフマン:彼のベンチャー:Ludicorpは、資金がそこをつきかけていた。事業は失敗していた。次に何をすべきか途方にくれている状態で、チームメンバーに何をどう伝えるべきか悩んでいた。そして、彼と彼の共同創業者のカタリナ:フェイクは、ビデオゲームカンファレンスに参加するため、ニューヨーク行の飛行機に乗っていた。しかし、飛行機が到着する前に、事態はさらに悪化することになってしまった。

バターフィールド:飛行機で食べた物で、食あたりを起こしてしまい、ずっと飛行機の中で吐いていた。ホテルにチェックインしてからも症状は改善しなくて、一晩中、ひきづった。朝の3時か4時だったと思う。とにかく喉が乾いたから水を飲もうとしたとき、Flickrのアイデアが僕の頭の中に飛び込んできたんだ。

ホフマン:Flicker、フォトシェアリングサイトとしては、インターネット史上、最も成功を収めたプロダクトの一つだ。写真を通じたオンラインコミュニケーションのスタンダードを作ったと言っていい。そのアイデアを彼は、ホテルのトイレに向かって吐きながら得た。今でもシリコンバレーで語り継がれている逸話の一つだ。

しかし、Flickrは、単にゲームチェンジャーとしての存在ではなかった。彼の会社事態が、その危機的な状況から抜け出すための存在だった。

バターフィールド:オンラインフォトシェアリングがどのような世界を作り出すか?というようなビジョンは全て後からきた物で、そのときは、正に、”これで、倒産はせずに済むか?” がまずありきだった。

ホフマン:”倒産せずに済むか?” それが、何度もピボットを経験したきた起業家の言葉だ。ステュワートが生み出したフォトシェアリングの世界観は、その後のSNSである、Facebook、Pinterest、そしてInstagramが引き継いで行った。

このアイデアは、瞬発的にものすごい反響を生み、一気にユーザーに広がった。おかげで、投資家からも注目を集めた。

しかし、たった一つ問題があった。彼は、当時、まだ例のゲーム会社も運営していた。アイデアが機能しないときはどうしなければならないか?もうわかっているよね?そう、潰すことだ。

僕は、君が、ユーザーが止めたくても止められないようなプロダクトに辿りついたとき、君は、自分が手掛けている残りを全てを捨てる判断をしなくてはならない。

つづく。

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