マスター・オブ・スケール – スラック創業者兼CEOスチュアート・バターフィールドのインタビュー#3

 

ホフマン:だから、ステュアートがゲームについて考えるとき、一般的なゲームの世界観よりもっと大きくかつより根本的なことを考えている。

 

バターフィールド:ゲーム自体に強烈に興味があるわけじゃなくて、ゲームで遊ぶのはあくまで、人とソーシャル・ネットワーキングするための言い訳なんだよ。

 

ホフマン:これこそ、ステュアートの初めてのベンチャーであるGame Neverendingの世界観だった。しかし、このプロジェクトを進めるには、いくつかの欠陥があった。その一つは、タイミングが悪かったことだ。

 

バターフィールド:なんでも試してみたよ。貯金は全部注ぎ込んだ。友達や家族からも金も借りた。少しの額だけど、エンジェル投資も受けることができた。

 

ホフマン:スチュアートの失敗しているゲームは、資金が必要だった。これは、ピボットを踏む前のベンチャーにありがちな状態だ。ごくまれに、機会に恵まれた平和的なピボットのケースもあるにはあるが。ピボットは多くの場合、失敗から抜け出すために行うものだ。ステュアートの場合も同じで、Game Neverendingが失敗になりつつある以上、彼は次のプロダクトを考える必要に迫られていた。

彼のNYのホテルのトイレでの思いがけない発見から、彼は、Flickrのアイデアを得た。しかし、彼のFlickrのアイデアも、多くのピボットのケースに見られるように、霧のかかったようなモヤモヤした世界から始まった。初期のアイデアは、彼が運営するゲームの中に、写真シェアリングの機能をいれるものだった。

バターフィールド:僕らのゲームの中では、ユーザーは、倉庫を持っていて、そこから、色々と物を取り出すことができるんだ。僕らは、その倉庫を全て写真の在庫ボックスにした。そして、他のユーザーグループとの会話の中で、その倉庫から写真をドロップすると、そこに他のユーザーに写真がポップアップで表示されるんだ。そして、投稿した写真には、注釈をリアルタイムでつけることができる。また、ゲームにはチャット機能もついているから、ユーザーは、その写真について他のユーザーと話すことができる。それが、Flickrの土台となったわけだ。

けど、ここにちょっとツウィストがあって、Flickrの初期のアイデアは、本当にひどい物で、確かに技術的には色々なイノベーションもあって、たくさんのユーザーを感動させたけど、あまり使い勝手のよいプロダクトではなかった。

ホフマン:つまり、Flickrは初期時点では、あまり使い勝手のいいプロダクトではなかったけど、その「写真をシェアする」と言う体験は、すぐにユーザーに刺さった。

バターフィールド:リリースしてから3ヶ月ぐらいたったころ、Flickrは明らかにヒットし始めた。みんな使い始めて、Flickrについて話をしだして、メディアもいい感じで取り上げてくれた。

ホフマン:ステュアートにとっては、Flickrは、ある種、家の中で仲間とたむろするためのツールのような存在だった。これは、ステュアートにとっては、最高の代物だったが、他のチームメンバーにとってはどうだろうか? 彼らは、Game Veverendingのプロダクトに惹かれて参加したり、このピボットを経験するわけだ。この点は、ぜひ、ステューアートに聞きたい。メンバーはどうこれに反応したか?

ホフマン:ピボットはどんな感じだった?

バターフィールド:酷いものだったね。完璧に意見が割れた。今後の会社の方向性について、相当議論をした。そして、その間、そのゲームとFlickrの両方を運営していた。だから、チーム自体も二つに別れていた。そして、投票をすることにした。

このシーンは、クリアに覚えているね。なぜなら、僕はいくつか裏で手を打っていたからだ。1回目の投票が終わったあと、50:50だった。だから、NYにいる共同創業者の一人に電話して、いわゆる駆け引き交渉をやった。政治家になった気分だったよ。

つづく。

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