マスター・オブ・スケール – スラック創業者兼CEOスチュアート・バターフィールドのインタビュー#7

 

ホフマン:スチュアートが目を合わせた先は?彼の名は、Tim Leflerだ。彼に、当時のことを尋ねた。

 

Tim Lefler:スチュアートは、かなり重苦しい雰囲気で部屋に入ってきた。目は腫れていて、かなり疲れた様子だった。当然、いい感じには見えなくて、月曜の朝のことだった。彼の第一声は、”もう、終わった”と。だから、Glitchのゲームはシャットダウンしようと。みんな当然、それが何を意味するかは分かっていた。もうこのゲームの仕事は一切やらなくなるんだと。

 

ホフマン:僕が、スチュアートを賞賛したい一つは、彼のこの機会にとった行動だ。

 

Tim Lefler:スチュアートとプログラマ達は、Glitch.comにあるページを掲載することに決めたんだ。

 

バターフィールド:僕らは、”天才を雇えるチャンス”というサイトをたてた。そこに、チーム全員のLinkedinと、仕事の実績と、写真をのせた。

 

Tim Lefler:予め準備されたかのように、メディアがこのプレスを受け取ると、”このサイトに掲載されている人材は、今、新しい仕事を探している”と追記された。

 

バターフィールド:そして、僕らは、彼らのリファレンスを買って出て、レジュメのコーチングを始めた。

 

Tim Lefler:そして、スチュアートとそのチームは決めたんだ。”僕らは、チーム全員が新しい仕事につけるまで、シ仕事を続けて給与を払うよ”と。すぐに、僕は、採用面接の連絡がきて、1週間後には、二つオファーをもらっていた。

 

バターフィールド:そして、僕らは、全員に仕事を見つけることをサポートした。ユーザーで、お金を入れたいた人にも、お金を返金する連絡をして、残してもいいという人には、いくつかのチャリティに寄付する案内を出した。出来るかぎり善意を尽くしてサービスをたたもうと動いていたのだけど、この行為が後に僕らにとってすごく役立つことになった。

 

ホフマン:これが、ピボットを踏む際のキーの一つだ。従業員を大切にすることで、彼ら自身が君のことを大切にする。Timと彼のチームメイトは、Glitchのオンライン・コミュニティに壮大なさよならパーティを開催した。

 

Tim Lefler:僕らは、Glitchをなんとか良い形で終わらせたかったんだ。そこで、ゲームの中に、馬の飼育係のキャラクターがいた。彼は、このゲームのアポカリプスにおける馬の飼育係と言う設定にして、”馬のいななきが終わりの合図だよ”とユーザー達に触れ回った。

ユーザーの中には、この世界の終わりのパーティの中で、泣く人もいたよ。本当に大きなパーティだった。でも、パーティが終われば、僕らは解散して、どこかへ行ってしまうんだ。

ホフマン:スチュアートと彼のチームは、このGlitchの終わらせ方を出来る限り最高のものにしようと努めた。けど、別にこれは倫理的だからという理由じゃ無い。人として当然のことなんだ。そして、それは実は賢く戦略的な行動なんだ。なぜなら、そのような形をとることで、従業員も、投資家も、そして、ユーザーも必ず戻ってくるからだ。

バターフィールド:本当に本当に辛かった。振り返るのは簡単だけどね。実は、その馬の飼育係を作ってくれたエンジニアは、Slackを立ち上げるときに戻ってくてくれたんだ。だからこそ、Slackはとてもスムーズに立ち上がったと思う。

 

ホフマン:Glichを閉じる一方で、スチュアートと彼のチームは、例のあの”Hail Mary”(アメフト:ゲーム終盤で苦戦を強いられているチームが最後の賭けとして得点を狙うために投げるロングパスのこと。)に再び取り組み始めた。もはや、このタイミングで、スチュアートにとっては手慣れたものだった。まだ資金は手元に残っていたこともあったから、何か別のスケールするものを考えることは当然だったわけだ。彼らは、自分たちが作ってきたテクノロジーをじっくりと見渡しながら、こう自問自答した。”なんか、ないか?”

バターフィールド:僕らは、また一緒に仕事をしたいと強く思っていた。そして、まだ資金が残っていた。投資家は、返金して欲しいとは言わなかった。まあ、言う必要はないと思うけど、投資した資金の2/3も使い切っていて、今更、返金してもらって何になると言う具合だ。

僕らは、まだ銀行に5.5億円の資金が残っていた。だから、その資金を使って、“Hail Mary” に取り組んだ。Glitchを早めに閉じて良かったのは、僕らはまだ何かやれると感じていたからだ。

 

2、3週間ぐらいかけて、僕らは決めた。いろんな馬鹿げたアイデアが出てきたんだけど、僕らは、Glitchのゲーム開発用に作ったこの内部のコミュニケーションシステムが、プロダクトになるんじゃないかと考えた。だから、これのプロダクト化を進めた。いい感じで進んだよ。このボールは、山の頂きまで届くんじゃないかと感じた。

つづく。

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