マスター・オブ・スケール – スラック創業者兼CEOスチュアート・バターフィールドのインタビュー#9

ホフマン:彼らは、3年半もの間、ものスケールできるプロダクトを、実際のその可能性があることを気づかずに作っていたんだ。だからこそ、スチュアートは、すぐにSlackのピッチブックを作ることができ、すぐに行動に移すことができた。

バターフィールド:確か、ピッチブックの作成には、72時間ぐらいしか掛からなかったよ。そして、1週間以内には、もうプランが出来上がっていた。

Slackには価値があるのが僕らには見えていた。そして、VCのAndreessen Horowitzのパートナーとのミーティングで、2012年の終わりだったと思うけど、シリーズBの資金調達の会話を始めた。

ピッチのプレゼンの中で、こう話をしたよ。”このプロダクトはとてつもない成功になるだろう。100億円の年間収益を生み出すだろう。そして、何千億ものビジネスになる可能性があると。”

当然、”へえ、幸運を祈るよ”と、断るVCがたくさんいたよ。けど、僕らは本当にそうなると思っていたんだ。今年もまた去年の2倍収益がのびた。僕らすら、このプロダクトの可能性を過小評価していたんだ。

ホフマン:どうやって、”へえ、幸運を”から、5,000億円の時価総額の世界に至るかって?ピボットと実行だ。

バターフィールド:ユーザーが、既存のツールからSlackにスイッチしてくる行動をどう生み出すかについては過小評価していた。Emailと競争するなんて、ありえない発想だし、他にも、バグトラッカーや、Wiki、Google Hangouts、そしてSkypeなどの間接競合するプロダクトもあった。

ホフマン:天才によく言えることだが、”君は狂っているよ。けど、正しい”。これが新しい市場を作り出す上でのポイントの一つだ。

バターフィールド:実際にプロダクトを外に売り始めてから、想像以上にユーザーを獲得していくことが大変だとわかった。

ソーシャル・プルーフが必要だったんだ。だから、Rdioというもう倒産したけど、オンラインミュージックストリーミングのベンチャーで働いていた友人に声をかけた。そして、僕は、Cozyというストリート屋台車のベンチャーの取締役にもなっていたんだけど、そことか、あと、Wantfulというギフトサービスの会社など、これらの会社に何度も尋ねて、Slackの価値についてどうやったら理解してもらえるのか、把握しようと努めた。

まず、僕らの友達の多くは、技術リテラシーが高く、新しい製品を熱心に試すやつが多い。しかし、Slackのプロダクトの性質上取り組まなければならないのは、チームコミュニケーションツールだから、一定のユーザーグループを一気にSlackに持ってくるという仕掛けが必要なんだ。

しかし、この課題には、有益性も高かった。一回スイッチしてくれると、全く離れることがなかった。つまり、Slackの初期の段階は、ネットワーク効果はすごい低かったけど、一度、一つのチームが使い出してくれると、100%もしくはゼロというぐらい、利用成果が明確に出たんだ。

ホフマン:スチュアートは、素晴らしいストーリーでユーザーにかたりかけ、大胆な動きを続けた。これこそ、スチュアートの起業家としてのスーパーパワーの一つだ。

バターフィールド:もし、僕が過去の自分に一つアドバイスを送ることができるなら、それは、「ストーリーにフォーカスすること」だ。優れたストーリーを作って、それで人々を説得することだ。それがなければ、どんなにプロダクトがよくても、市場にとって価値のあるアイデアでも、成功しないと思う。逆にそれがあれば、君は人々を信じさせることができるし、外部要因がどうあろうと君はやり抜くことができる。

つづく。

関連記事