マスター・オブ・スケール – InterActiveCorp会長バリー・ディラーのインタビュー#2

 

ホフマン:僕は、レイド・ホフマン、Linkedinの創業者で、GreyLockのパートナー、そして、今日のあなたのホストです。実は、僕は、スケールのマスターになることは誰にとっても不可能なことだと考えている。最も成功するスケーラーは、無限に学び続ける人のことだと考えている。

この番組自体に、”マスター・オブ・スケール”と名付けている一方で、ホストの僕がこのようなことをいうのは、意味深に聞こえるかもしれない。しかし、実際、それが真実だ。過去のエピソードで、僕は、Facebookのシェリル・サンドバーグは、”マスタークラスのリーダー”と表現し、Googleのエリック・シュミットを”イノベーション・マスター”と評している。しかし、ここに一つ注意書きを添えておきたい。それは、この二人も含めて、誰一人、マスターレベルに常に位置していられる人はいないということ。僕らは、仕事を通じて常に学び続ける。もし、シェリルが、”私は、リーダシップを極めたわ”と言い出したら、僕は、彼女の人生の軌道は、降下していくと言うだろう。詰まるところ、無限に学び続けることこそが、スケールさせる能力にたけた起業家の要件と言うことだ。

なぜなら、すべてのスケールする可能性のあるアイデアは、新たに起きつつある市場環境を上手く掴むことを君に求めてくるからだ。君の周りの全ては普遍的だ。ビジネス、市場、チーム、全て変わっていく。そこに、エキスパートを求めることはできない。なぜなら、全てにおいてエキスパートが存在しないからだ。また、その事実は、君の性格にもよるが、陽気に反応できる人もいれば、恐怖を感じる人もいる。何人かの人は、空白ページがあることに恐怖を覚える。しかし、バリーは、これとは全く逆の問題を抱えていおる。彼は、むしろ、予め何かが決められていること、その真っ白なページに、皆目検討つかない印が付けられていることに嫌悪感を覚える。

ディラー:僕は、君にとって最高の存在は、完全に真っ白な紙を思っていること、だと思っている。わかるかい?君が真っ白な紙をもつことができれば、君は、そこに、最も純粋な感性を持ち込むことができるんだ。つまり、そこに何も神聖なものは存在しない。ただ、君は始めればいいだけだ。

ホフマン:だから、僕は、バリー・ディラーとこの点について話をしたい。なぜなら、彼こそ、この無限に学び続けると言う哲学を体現している人だからだ。君は、彼のことを、メディア界の巨人として知っているかもしれない。君が、彼の作り上げた数多くのメディアフォーマットを実績を知れば、間違いなく驚くだろう。彼は、TVネットワークを再発明し、映画スタジオも改革した。ホーム・ショッピングにも革命を起こした。そして、その後、彼は、数々のインターネット企業を買収した。

今日において、バリーは、IACグループのシニア・エグゼクティブとして、オンライン旅行サイト、デートアプリ、そして、ニューズメディアサイトを保有している。Expediaは知っている?彼の会社だ。Tinder、OKCupid、これらも彼の会社だ。ニッチデートアプリのPlenty of Fishや、BlackPeopleMeetも彼の会社だ。Daily Beast、Vimeo、CollegeHumorも彼の会社だ。現在において、君は、インターネットを使う中で、ディラーのIACの会社に出会わない方が不思議と言うほどだ。

では、バリーがどうやって、メディア界の重鎮から、インターネット業界の重鎮へと自分を変えていくことができたか?これこそ、今回のエピソードのテーマである、「無限に学び続ける」の極意に結びついている。今回は、2つのエピソードを通じて、バリーの過去の人生を振り返りながら、この極意について学んでいきたい。バリーは、エンターテイメント業界に全く新しいコンテンツフォーマットを発明し、スケールさせた。その後、彼は、過去のその全てを捨てて、今度は、インターネット業界の重鎮へと自らを生まれ変わらせて行った。その全てにおいて、無限に学び続けることの極意が見え隠れしている。

バリーのキャリアは、William Morris Agencyのメールルームからスタートした。彼は、必死に働いた。やがて、彼は、業界の大物の目をひくようになる。しかし、それが彼の成功のキッカケになって行ったわけではない。

ディラー:僕は、そのメールルームの廊下を全て吸い込んでしまうような仕事を考えていたんだけど、その中で発見したのは、みんな、メールルームの中でエージェントの仕事に振り回されている中、僕は、最速に仕事をこなしていた。

ホフマン:バリーは、一方で、タレントエージェントになる意思は全くなかった。そうして、彼は、やがてハリウッド業界の重役としての道を歩んでいく。バリーは、William Morrisのメールルームの中にいる人は無視して、代わりに、30から50フィートぐらいあるみんなが完全に無視していた小さなファイルルームに目をつけた。

ディラー:そのファイルルームには、エンターテイメントビジネスの歴史についてまとめられたファイルが山ほどあった。なんてたって、William Morrisは、1898年からタレント・エージェントの商売をやっているからね。だから、僕は、そのファイルルームにある資料をAからZまで全て目を通した。

つづく。

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