マスター・オブ・スケール – InterActiveCorp会長バリー・ディラーのインタビュー2 – #2

 

僕は、レイド・ホフマンです。Linkedinの共同創業者で、Greylockのパートナーであり、あなたのホストです。僕は、連続起業家に求められる、ある一つの最も基本的なスキルがある考えています。それは、「学ばないことを学ぶ」ということ。

多くの人は、自分が特定の領域でマスターになることを喜びと考えることが多い。彼らはこう言う。”僕は、これを学んだ。これによって、僕は、他の人よりも常にこの点で差別化できている。”と。

僕がよく周りの人々に話をすることの一つとして、成功は失敗よりも鮮明に印象が残る。君は、一つ成功することで、自分にとっての成功の方程式を得たと考える。つまり、この方程式は正しいのだと考える。だから、多くの場合、すでにその手法が、成功のレールの上から外れていても、ずっとその手法を当てはめ続けるようとする。しかし、考えてみて欲しい。市場は変化するし、競合も変わる、産業自体も変化して行く。そして、何より君自身も変化する。

だから、君は、往々にしてこのように考えなければならない。”よし、過去の学んだ経験から、何を捨てようか?そして、次に新しいこととして、何を学ぶべきで、何を学ぶべきではないか?”と。学ばないためには、君自身が自分の考えていることこそが真実であるとは決して思わないことだ。しかし、自分自身を成功へと導いた核の思考を捨て去ると言う作業は、非常に難しいと言わねばならない。

たとえば、今、僕が、これから新しくインターネット企業を立ち上げようとするなら、”よし、Linkedinを創業したときのことを思い出して、取り組もう”と考えて、動いて、そして失敗するだろう。モバイルは、Linkedinを立ち上げたPCの時代とは違う。口コミの手法も当時とはかなり異なっている。Linkedinが作り上げたエコシステムもずいぶん違っている。何より、今、人気のプラットフォームを利用して中心のユーザー層は、みな世代が変わっている。つまり、これら当時とは全くころなる市場環境になっているが故、君は、当時は全く違う手法で事に当たらなければならない。そして、このプロセスこそ、学ぶことと学ばないことの世界の一部なんだ。

だから、バリーは、彼の過去のメディア事業やQVCなどでの経験から、全てを学ばないことこそが肝要であると言う哲学を持っている。

 

QVC(TVショッピング番組)は、もっと大きな野望を実現するための試験場と言えるものだった。バリーは、インターラクティブ・スクリーンの世界に魅了されていた。彼は、この技術は、全ての産業を大きく作り変えるであろうと考えていた。彼は、インタラクティブコンテンツの帝国を作り上げようと考えていた。1995年、彼は、シルバーキング・コミュニケーションという会社を買収した。後に、この会社名は、Interactive Corpに変更され、現在では、省略して、IACと言われることが多い。

ホフマン:IACの起源はどこから始まるのですか?

ディラー:すべては、僕が今日を持った、インタラクティブの世界かな。

昔を振り返りながら話をすると、起業家という職業が、ちょうど始まったころの時代で、その中で、オフラインのビジネスをどんどんオンラインの世界に移管して行くという流れが始まったばかりだった。

ホフマン:IACの第1号の大型買収案件は、Ticker Masterだ。スポーツゲーム、コンサート、様々なライブイベントのEコマースサイトだ。そして、彼が次に買収したのは?

ディラー:TickerMasterも買ったし、あと旅行もそうだね。

ホフマン:Expediaですね。

ホフマン:その通り、彼は、Expediaも買収した。オンライントラベル産業にも進出した。そして、さらにそこからちょっと奇妙な道に入っていったのだが、オンラインのデートアプリも買収した。

ホフマン:どうやって、デートアプリの王と呼ばれるようになったんですか?

ディラー:真実を話すと、僕の息子が、”父さんが買うべきサイトがあるよ”と話を持ってきたんだ。”FriendSterだよ。”

ディラー:僕は、息子に”これは、カナダの買春サイトサイトじゃないか。”と切り返した。すると、息子は、”いや、そんなんじゃないよ”と。

しかし、テキサスにあった小さな会社で、”Match.com”のサービスを見て、”これは、インターネットでやれるかもしれない”と考えるようになった。それで、Match.comを買収する事にしたんだ。

結果的に、そこを起点に、僕らは、インターネット市場で、デートアプリの唯一のコングロマリットに成長して行ったんだ。

つづく。

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