マスター・オブ・スケール – InterActiveCorp会長バリー・ディラーのインタビュー2 – #8

 

ホフマン:このバリーの言葉は、正に、僕の二番目の本である”The Alliance”に関わっていることなんだ。どうやって、自分の周りに自分の同盟軍を作り、キャリアチェンジに活かしていくか。

 

僕らは、君を愛しているし、君と一緒に仕事ができて本当によかった。君は素晴らしいことを一緒に成し遂げてくれた。だからこそ、残念でならない。しかし、君はまた新しい場で、きっと何か再び驚くべきことを成し遂げてくれるだろう。

 

パラマウントの時代にもどって、そこでも、やはり、あなたは同じようなやり方で人材を育てていたのですか?

 

ディラー:もちろん、そうだよ。

 

ホフマン:このバリーがExpediaの社員に当てたレターは、マスター・オブ・スケールのサイトに掲載しているので、読みたい人はぜひ。

彼の多様なキャリアを一通り振り返らせてもらったところで、僕は、最後の質問を彼に聞きたい。これは、全ゲストに尋ねる質問だ。

ホフマン:若いころの自分に、伝えたいことがあるとすれば? たとえば、Xについて違うようにやってみろ、Yについてもっと取り組め。Zはあまりやるななど。

 

ディラー:全ては普遍的である、ということかな。全ては、学術的なような体系だったものではなく、常に、学び続けながら、コースを変更していくことで、その対象は全てだ。もし、僕が27才の自分に伝えることができるなら、何百万と伝えられることはあるけど、究極的に重要なことは、「学ばないということを学ぶ」ということに尽きると思う。

 

ホフマン:それ、素晴らしい表現ですね。以前にも言ったことはありますか?

 

ディラー:いいや。

 

ホフマン:聞いたことがないです。すごい言葉ですね。

 

ディラー:僕も考えたこともなかったよ。

 

ホフマン:僕は、以前にそのようなことを考えて見たことはあった。けど、それを言葉にすることはできなかった。しかし、今日、バリーをインタビューして初めて言葉にすることができた。君は、常に、毎日、何かを学び続けている。しかし、もちろん、それを実際には学ばないということが大切なんだ。

リード・ホフマンでした。ご清聴ありがとうございました。

僕の所感:

仏教の言葉に「諸行無常」という言葉がありますが、バリーのいう「学ばないことを学ぶ」とは、正にこの哲学に通じると感じます。バリーは、一つの物事を決して、体系的に学びきったとは思い込まないことこそ、今の自分の成功を形作っていると考えており、それは、物事は常に変化し続けるからこそ、何か本などを読んでも、自分がそのことを完全に分かったと思い込まないようにしている、常に、そこにはまだ見えていない何かが隠されており、そこが見えてこそ、次の自分の成長があるという、無限に学び続ける人の基本姿勢がそこにあると考えています。

その実戦でいうと、僕の場合、20代で1,000冊近い書籍を読破しましたが、その後、本を読むことをパタリと止めました。なぜか?というと、バリーがここで指摘している通りで、本を読むことは体系的な学びを得ることであり、よろしくないのは、本を読んだことで分かった気になっている自分がいることに気づいたからです。ところが、実際に、自分で、シリコンバレーでも含めて、最新のテクノロジーの世界で勝負してみると、本から得た知識で役立つのはごくわずか。実際には、プロジェクトを立ち上げながら学んでいくことの方が圧倒的に多い。なぜなら、レイドが指摘するように、ユーザーも、市場も、競合も、そして何よりテクノロジー自体も全て、数年単位でダイナミックに変化しているので、数年前の本の知識が今の勝負に役立たないのは当然ということです。

そして、何より大事なことは、本を読む行為や体系的に学ぶ行為は、創造的なアイデアや破壊的なアイデアを生み出すところに全くと言っていいほど貢献しないのですね。それより、もっと、自分の五感で感じる世界からこそ、圧倒的にパワフルなインスピレーションが得られる。

ですから、今の僕の知識や情報の得る方法は、圧倒的に「インターネット」ですね。なぜなら、ピンポイントかつダイナミックに不足している知識を補っていくことができるから。検索エンジンによって、これが可能になったと言えます。僕が、YouTubeで、仮装通貨のコンテンツを配信しているのも、その方が仮想通貨の投資家にとっては、有益かつ効率的であることを、客観的によく分かっているからですね。市場環境の変化が早すぎるので、その変化に合わせて、タイムリーにかつダイナミックにコンテンツを出して行かないと、すぐに情報が陳腐化してしまうから。それは、同時に、自分で自信のあるコンテンツを出しながらも、また新たなアップデートがそこに出ることを予め分かってコンテンツを作っている。つまり、バリーのいうとおり、「学ばないことを学ぶ」の精神で情報配信していると言えます。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

関連記事