マスター・オブ・スケール –Zyngaの共同創業者マーク・ピンカスのインタビュー – #3

ホフマン:ここで、マークは、彼の起業家としての習慣的な行為をとる。彼は、アイデアがワークしていないと認識したとき、この場合は、全ての機能が入った無料のPCということ。彼はそれを潰す。冷徹なまでに。しかし、同時にこのアイデアをテストした結果から、彼の直感は、ユーザーにフリクションレスな体験を提供する何か大きなチャンスがあることを感じていた。

だから、彼は、次のアイデアに移った。それは、Move-itという名前で、古いPCから新しいPCに簡単にソフトウェアを移行できるプロダクトだ。

ピンカス:最終的に、僕の超優秀な共同創業者のプログラマは、このプロダクトを、Support.comとしてその基礎となるテクノロジーを作り上げていく。

 

ホフマン:Support.comは、テックサポートとクラウドサービスのパイオニアとなった。しかし、同時にマークにとっては、強烈な教訓にもなり、彼が、アイデアが機能しなくなったら、冷酷に潰すという考えを持たなければならないという哲学を育てることにもつながった。それは、Support.comを立ち上げた後に手掛けたSNSスタートアップのTribeでの出来事だった。

ピンカス:Tribeは、しんどかったけど振り返るのは簡単な話だね。

ホフマン: Tribeは、2003年に立ち上がった。このプロダクトは、共通の趣味同士でグループを形成していくタイプのSNSだった。このテーマは、編み物からヘビーメタルなど多岐にわたる。

ピンカス:僕は、ローカルSNSを見ていて、このようなアイデアに取り憑かれた。”もし、クレイグリストに、顔写真や、プロフィールや、評価経済的なものがあったらどうだろう?”と。当時の僕は、30代前半で、こう考えた。”僕らは、現代社会の中でこうやって趣味でつながっている。これをオンラインの世界に持ち込もう”と。だから、”いろいろな趣味のソーシャル・ネットワークをオンライン化することで、そこからアパートを見つけたり、仕事を見つけたり、インストラクターや、車を探せるようになったら、どうだろう?”と、考えた。

 

ホフマン:このプロダクト自体は、社会の特定領域を担うようなものを目的としたものではなかったが、特定のサブカルユーザー層の間は、人気となった。特に、人気グループに成長したのは、バーニング・マンのコミュニティだ。ネバダ州のブラックロック砂漠に、年1回開催されるヒッピーの祭典だ。

しかし、Tribeは、一般ユーザー層にまで広がるレベルのSNSになることはできなかった。わかると思うけど、みんながみんな、砂漠の中で熱狂したいと考えるようなユーザーではないからね。

ピンカス:当時付き合っていた彼女は、Tribeは全く受け付けなかったね。”これは、私むきじゃないわ”と。フォーカスグループとかは、アイデアテストとしては、ときに、自分の周囲から得られるフィードバックよりもより適切なフィードバックが得られる有効な手段になるときがあるけど、Tribeに関しては、それが当てはまるなと思った。

ホフマン:しかし、マークは、このバーニング・マンに参加するようなミニマリスト達を集めたフォーカス・グループをすることは無視した。そして、Tribeを一般ユーザー向けにUXやUIを刷新する考えもなかった。結果的に、このSNSは、閉鎖された。

ピンカス:2003年時点で、SNS史上、最も初期の3つのSNSを僕がスタートしたってことを考えると、これは結構すごいことだと思うんだよね。ただ、運営には失敗した。Tribeの全てが機能し始めたとき、実のところ、僕は運営に失敗したんだ。

つづく。

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