マスター・オブ・スケール –Zyngaの共同創業者マーク・ピンカスのインタビュー – #4

ホフマン:僕は、マークは自分自身に対して非常に厳しい人だと思う。2003年は、SNS市場は正に当たり年だった。MySpace, Tribe、Linkedin, Hi5、そしてFriendsterなどその一年前に立ち上がっている。Facebookはその一年後だった。その半分だけが現在も生き残っている。

ピンカス:Tribeから僕が得た学びは、今だに僕に圧倒的な影響力を持っている。それは、起業家として、そのボツにしていくアイデアと、自分がもつ勝利の直感をいかに切り離すかということについて、事業を立ち上げていく中で学んでいくかがカギであるということだ。僕の経験則としては、優れた起業家とは、自分の直感の95%は正しくある一方で、君のアイデアに関しては25%程度の精度だということ。

ホフマン:僕は、この直感とアイデアの関係性については、マークほど正確な認識は持っていない。しかし、勝利の直感をもつことは、起業家として、間違いなく最重要項目の一つであると確信している。また、同時に、マークがいうように、自分の考えるアイデアについても当然、そのアイデアの背景にある直感がたとえ正しくとも、高い致死率であるということを予めてわかっておくべきという点も賛成だ。

また、シリコンバレーの外側に、仕事において、この信条を常としている人々がいる。そして、彼がこの信条から預かる報酬は、何千億円もの時価総額よりも更に素晴らしいものだ。彼らの仕事とは、コメディ・クラブのこと。つまり、彼らの報酬は、聴衆からの「笑い」だ

僕らは、ニューヨークを拠点に活動しているコメディアンのMatt Rubyをコンタクトを取った。彼の提供するコメディ・ビデオ・クリップのVoozaは、スタートアップの世界をコミカル描いている作品で、その中に正にマークの行っているマインドセットがしっかりと描かれている。そのエピソード群の名前は、”the Spinal Tap of startups”。そのエピソード一つを紹介しよう。

VOOZAのスピーカー:僕らが、Voozaのピッチをするときは、僕らのビジネスのストーリーを話するようにしているんだ。

スピーカー2: そう、正にそれが君が覚えておくべきこと。ピッチは、10%は成功、残り90%は失敗に終わる確率が高いからね。いつもこの点を頭に入れている。失敗してもいいんだよ。僕は失敗者だから。

スピーカー1:いや、僕が彼に言っているのは、彼の失敗は何なのか?ってこと。

スピーカー2: もちろん、わかっているよ、ありがとう。君も同じく失敗者だ。

スピーカー1:ありがとう。

スピーカー2: どういたしまして。

ホフマン:僕らは、Mattに、あるジョークネタを思いついたけど、それがあまり面白くなかったとき、彼がどう感じるかについて聞いてみた。

Matt Ruby:そうだね、オーディエンスが間違っていると考える。それと同時に、僕も間違っていると考える。なぜなら、笑いを起こすことができなかったから。だから、彼らは間違っているし、僕が彼らに彼らの側が間違っていることを理解させることができなかったという点で、間違っていると考える。けど、これは、大抵、僕の人生においてあまり助けになることではないかな。

ホフマン:この落とし穴を避けるため、Mattは、彼のオーディエンスをバロメーターにしながら、常に新しいアイデアを生み出し続ける。

Ruby:笑いを起こせないかもしれない。けど、君は同時に、何かにヒットした感じをその空間で得ることができる。君は、何かオーディエンスを魅了するようなアイデアを得るかもしれないし、逆に挑発的なアイデアを得るかもしれない。そして、たとえ、笑いを誘うようなオチが付けられなかった場合でも、君は、”ああ、なんかここにあるな”という感じになる。

“ふむ、このアイデアにはなんかあるな。だから、もうちょっと方向性を変えてみるか、違うオチや例やたとえに変えることで、笑いが起きるかもしれない”と。そして、結果的に、君は、”うん、この努力はする価値があるなと”となることもあるし、逆に”うーん、これは時間のムダだったな。次に進もう”となるかもしれない。

つづく。

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