マスター・オブ・スケール –Zyngaの共同創業者マーク・ピンカスのインタビュー – #7

 

ホフマン:マークのチームは、何百というアイデアを毎日のようにテストした。その対象は、メニューの色を緑から青に変えるなども対象になっていたし、会社の収益化にとって不可欠のゲーム内のバーチャルアイテムで何を売るかも対象だった。

 

それらのアイデアは、やがて実際の機能となっていた。このアイデアたちこそ、Markが、”Bold Beats”と呼ぶユーザー達がエキサイトする対象だった。

 

この”Bold Beat”は、マークの頭の中に広がるファンタジー世界そのもので、その一つの良い事例は、”ブロッコリ”だ。

 

ピンカス:僕は、農場を持ちたいんだけど、名前は、Pincus Valley Ranchと決めていて、そこで、ブロッコリを栽培しているんだ。それも自然栽培のね。そして、それをレストランなどに提供している。そこで思ったんだ。”なるほど、農家になる時間も場所もないけど、もしバーチャルの世界でできたらいい趣味になるなって”

 

ホフマン:このアイデアは、やがて、Zyngaのソーシャルゲームタイトルの最大ヒット作品のひとつ、FarmVilleとなる。主人公は、農場の経営主となって、作物を育ててながら、思い思いの自分の農場を動物や綺麗なフェンスなどで装飾していくことができる。まあ、ブロッコリは、育てる作物の対象には入っていないけど。そして、そこに、やがて、一人のエンジニアが持ち込んだとても小さなアイデアが、マークの言う”Bold Beat”として結実する。

 

ピンカス:一人のエンジニアが、ある日、ゲーム内容の動物に動きを与えたんだ。農場のウシが実際に動く。正直、プレイヤーが気づくかどうか分からないぐらいの小さい変更だったけど、それが、Twitterで物凄いバズった。

ホフマン:動物が動く。数行のコードの実装ですむほんと小さいアイデアだ。しかし、この農場内の動物達の、繁殖活動や、馬同士のかけっこ、鶏が卵を産んだり、それを温める様子が、ユーザーに物凄い興奮を与えた。

これが、まさに、僕が言っている”Bold Beat”の典型的な成功例だ。そして、この生み出す”Bold Beat”が正しければ、ユーザーは、その刺激を受けて、このゲームを数ヶ月から一年以上もずっとプレイしてくれるようになる。

ホフマン:マークは、チームに、どのように新しいアイデアを高速に試して、どれを採用してどれを捨てるべきか、事例を示してトレーニングして行った。この手法の優れている点は、2倍の効果を見込めることだ。一つは、アイデアが生きるか死ぬかは、全て、ユーザーの反応で判断すると言うこと。つまり、即分かる。もう一つは、そのアイデア開発の対象はあくまで限定的にすることで、プロダクト自体は破壊されない。つまり、プロダクト自体には深刻な影響を与えないアイデアをコンスタントに試し続けると言う手法だ。

ピンカス:この”Bold Beat”の新機能を実装できた瞬間は、まさに、クリスマスのような感じだ。ブログやTwitterで一気にバズって、ダッシュボードを覗くと、日別アクティブユーザーがとんでもないレベルで伸びている。

ピンカス:それ同時に、収益カーブもうなぎ登りで伸びている。だから、まさにビジネス的にもメイクセンスする手法だと思う。

つづく。

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