コロナが長期化する文明社会と「風の谷のナウシカ」の世界観との類似性をどう捉えるべきか?

以前にもツイートしたこの件で、この類似性について触れた記事も見るのですが、本質論からズレた話も多いので、きちんと僕の考え方をまとめておこうと思います。

こちらの内容はYouTubeにもまとめています。日本語字幕付きです。合わせて参考にしてください。

「風の谷のナウシカ」とは?

日本人であれば、ほぼ見たことがない人はいないというぐらいの、日本のアニメ史における最高傑作の一つですね。僕も大好きです。

From Wikipedia – 『風の谷のナウシカ』(かぜのたにのナウシカ)は、宮崎駿による日本の漫画作品。アニメーション監督・演出家でもある宮崎が、徳間書店のアニメ情報誌『アニメージュ』誌上にて発表したSF・ファンタジー作品。戦争による科学文明の崩壊後、異形の生態系に覆われた終末世界を舞台に、人と自然の歩むべき道を求める少女ナウシカの姿を年代記の形で描く。1984年には宮崎自身の監督による劇場版アニメ『風の谷のナウシカ』が公開された。2019年には歌舞伎化された。

『アニメージュ』1982年2月号にて連載を開始し、映画制作などのため4度の中断期間を挟み、1994年3月号にて完結した。1994年に第23回日本漫画家協会賞大賞、1995年、第26回星雲賞コミック部門を受賞。単行本の発行部数は累計1,200万部。海外でも8か国語で翻訳・出版されている。

あらすじ – 産業文明の出現から1000年を経て極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてから1000年余りが経過した未来の地球が舞台。

陸地の大部分は、植物や菌類の森「腐海」に覆われ、人類の子孫は腐海の毒が及ばない安全な地域を中心に暮らしている。風の谷は潮風が胞子の侵入を拒み、豊かな森林や水源、田畑などが残っているが、それ以外の土地は不毛な荒地が多い。また、海は「この星の汚染物質が最後にたどり着く所」とされ、すでに生物が生息できる環境ではなくなっている。最終戦争以前の高度産業文明は旧世界と呼ばれ、エンジンなどの遺物が発掘、利用されているが、その製造技術を始めとする高度な科学技術の所産は失われ、人々の生活様式は中世から近世にかけての水準まで後退している。「火の7日間」は半ば伝説となっており、世界を正しい道へと導く救世主の伝説が語り継がれている。

種の存亡の危機に瀕しても人類同士の勢力抗争は続いており、作中ではトルメキアと土鬼の間で勃発した「トルメキア戦役」の模様が描かれる。居住可能な土地を巡る争いは、腐海の拡大を招くという悪循環を繰り返しても止むことはない。また、同族内でも王位(皇位)継承権を巡り権力闘争が続けられている。

「風の谷のナウシカ」で宮崎駿氏が描いた、住めなくなっていく地球とそれでも争いをやめない愚かな人間達の姿

ナウシカの世界では、人類は、もはや、マスクを付けずには生きていくことができない世界が描かれています。その原因は何か?

答えは、漫画ナウシカの終盤で明らかにされることですが、実は、「腐海」とは、「火の7日間」という核戦争によって滅亡した旧高度文明社会の科学者達が発明した、汚染された惑星の自然環境を回復させるために作り出した新たな生態系です。

なぜ、腐海の植物達が「瘴気」という猛毒なガスを放出するか?というと、それ自体が、人間の文明活動によって、土が汚染され、土の中に大量の有害な化学物質が溜まってしまっているからなんですね。つまるところ、ナウシカの世界における地球の中で腐海が取り分けて発達している地域とは、今の「東京」に代表されるようかつての大都市です。なぜ、そうなのか?は、僕が別にまとめている「こちらのブログ」を読めばわかります。

ナウシカの父であるジルは、物語の始まりのときから、すでに半身不随になっているのですが、この原因も興味深いです。風の谷は、腐海の多い旧大都市からは遠く離れた辺境の地、つまりど田舎だったので、「瘴気」の害は、あまり及んでいないのですが、それでも、多少の影響を受けるため、ジルは、体の半分が「硬化」してしまっているのですね。

このエピソードを読むと、いつもあることが思い出されます。昔、TVで長年、葬儀屋をやっている方のちょっとしたインタビューで聞いた話です。

昔の人間に比べて、今の人間は、火葬ではなかなか燃えない。時間がかかる。おそらく、化学物質などいろいろな不純物を体に取り込んでしまったからだろう。

正にナウシカの世界における人を死にいたらしめる「瘴気」と似ていますね。自ら生み出した有害な化学物質の濃縮されたものが「瘴気」のような存在であり、人はそれを吸ってしまうことで、ジルのように体が硬化してしまう。

その上で、では、新型コロナウィルスは何か?といえば、

新型コロナウィルスは、ナウシカの世界における「ムシ」のような存在


となりますね。なぜなら、トルメキアVSドルクの対立は、正に現代におけるアメリカ対中国のような超大国同士の対立関係であり、お互いが軍事力を強化するため経済拡張を続けた結果、地球自体が自らのエコシステムを維持できないレベルにまで環境破壊が深刻化してしまい、そのような人間の愚行をやめさせるために、自然界は、オームに始まり、ムシの大群を送り込んで強制的に彼らの活動を停止させる。そして、その度に、ムシは人間社会の全てを容赦なく破壊し、結果、人類から高度な文明の知識が何度も失われていく。

つまるところ、僕がこのナウシカの世界観で、現代の人類の文明と最も共通していると考えているのは、以下のことです。

ナウシカの世界は「文明退行」の時代。人類の文明は果たして一つのみか?

ということです。「文明退行」とは、文明が劣化していくことを言います。つまり、高度な知識を持っていた文明社会が、大規模な戦争や自然災害によって、そのレベルを維持できなくなり、後退していくことです。

多くの人は、文明は前に進み続けると考えているでしょう。しかし、ちょっと想像力を働かせれば、決してそれが絶対ではないことが見えてきます。

わかりやすい事例として、僕らの知識を後世へとつないでいく「書物」の世界を見ればよくわかります。昔は、石板に文字を刻みました。だから、遺跡の文字は何万年経っても残ります。次に紙が発明され、紙に書くようになりました。これも、保存の仕方次第では、数千年は保存することができます。しかし、現代は、違いますね。ほとんどの文章をデジタルデータとして、「0と1」の記号でデバイスに保存し、みなで共有しています。パソコンとインターネットがデータ保存の中心の世界です。もし、ここに核戦争や巨大地震が起きたらどうなるか?

核兵器や大規模な自然災害によって、データセンターやネットワークが破壊されてしまい、特に戦争の場合、現代は情報戦が戦争の中心役の世界ですから、敵国は常に自国のデータセンターや通信網を破壊することで、軍隊を無機能化できるため、集中的にこれらを破壊するでしょう。すると、それらによって、デバイスのデータを再生する技術を失ってしまうと、それらの文章データを再び利用することはできなくなってしまいますね。

するとどうなるか?人類の文明社会の知識レベルはどんどん低下していくでしょう。様々な技術の細かい知識まで記憶している人などいませんね。なぜなら、我々は、そのパソコンとインターネットによって構築された巨大なデータベースが未来永劫維持されると思い込んでいるから。ウィキペディアのようなものもなくなってしまうリスクがあります。インターネットの原点となった世界中の研究者が共有している科学論文のデータネットワークもなくなってしまうリスクがあります。だから、これらの道具を失ってしまった人類は、もはや昔の口伝に代表されるよう言葉伝いでしか、知識を伝えられなくなるでしょう。すると、覚えやすいように物語化するしかなくなるでしょう。それって?正に、古事記をはじめとした世界中に言い伝えられている古典の内容に近い伝承方法ですね。

多くの人は、当時の人類は、テクノロジーがなかったから、そのように口伝でしか知識を後世に伝えることができなかったと思い込んでいるが、実際は、テクノロジーが「なかった」のではなく、「失ってしまった」から、口伝という原始的な方法に退行していたと考えることもできるわけです。だから、覚えやすいように、人間ではない存在にも名前を与えたり、イメージが湧きやすいたとえとして、蛇やりんごなどの登場させて物語形式で伝えていくようになった。

そういうことです。

よくオカルト達が騒ぐ、地球に昔、超古代文明があり、そこで宇宙人が生活していたという話。僕からすると、「昔の人類だったのでは?」ということです。

つまり、人類は、何度も、あくなき争いの果てに「文明の退行」を続けている可能性があるということですね。もし、それが事実なら、超古代文明の謎もすんなり説明することができます。

今、地球が、地殻変動を起こせば、今の陸地を海にし、今の海を陸地にすることはできますね。だから、現に、地球が過去何度か大きな近く変動を起こしてきていることは科学的に把握できている。つまり、今の海底には、昔の人類の文明社会の遺跡が残っていることになる。まあ、重力と自然界のもつ自浄作用で完全に砂レベルまで分解されてしまっている可能性もありますが。地球が引き起こす自然災害と人間社会との因果関係は、「こちらのブログ」にまとめています。

最後に1点。現代社会に大量にいるポピュリストも、宮崎駿氏は、きちんとナウシカの中で描いています。誰かわかりますか?「クロトワ」です。


世紀末の混乱のどさくさに紛れて成り上がり、権力を手に入れそうとするのが、宮崎駿氏が作り上げたクロトワというキャラですね。僕は、クロトワの顔とそっくりな奴が今の日本には大量にいるなと思います。実際にゼロから立ち上げた仮想通貨・ブロックチェーン業界には、クロトワの顔とそっくりのリーダーがいます。実際の言動も含めて。業界関係者の多くはそのことに気づいていないようです。

そして、その辺りは、もう一つの日本のアニメ超大作の「AKIRA」でも同じですね。大友克洋氏は、来るはずのない東京オリンピックに空騒ぎするネオ東京の世界観で、そこを見事に描ききっています。詳しくは、「こちらのブログ」にまとめています。

詰まるところ、宮崎駿さんという天才アニメーターが、僕らに伝えたかったことは、「人間は、自ら滅亡を招くような愚かな同じ過ちを何度も犯しているのに、全く何も学んでいない」ということです。

それは、みな世の中の深刻な問題解決は他人任せで、自らの自己満足しか追わないからですね。これによる因果応報が何なのか?

その答えは、「こちらのブログ」にまとめています。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

 

関連記事