ビットコイン(Bitcoin)の投資分析の評価について

今日は、Bitcoinのファンダメンタル分析についてお話しします。

こちらの内容はYouTubeにもまとめています。日本語字幕付きです。合わせて参考にしてください。

早速、はじめていきましょう。

まず、僕のポートフォリオ戦略における、Bitcoinの該当カテゴリは、まさにここ。デジタルゴールドの領域です。この仮想通貨業界にとって最重要の領域とも言えます。

僕のポートフォリオ戦略の詳細については、「こちらの記事」を参考にしてください。

分析視点は、いつもの6つの視点、つまり、ペインポイント分析、プロダクト分析、チーム分析、チームの実行力、トークンエコノミー 分析、そして、ハイプサイクル分析です。詳しくみてきましょう。

一つ目、ペインポイント分析です。

ペインポイント分析

まず、Bitcoinに関わるペインポイントは2つです。

一つ目は、基軸通貨ドルにのみ依存している世界経済は、リスクが非常に高く、持続性に欠けるということ。

詳しくお話しします。

まず、こちらの図を見てください。

これは、世界の中央銀行が保有する国際通貨のシェアです。IMFがまとめたデータで、2009年、2015年、2019年を定点観測したものです。

青が、アメリカドル、オレンジがユーロ、イエローが日本円、ライトブルーがイギリスポンド、そして、グレーが中国元です。

見ての通り、アメリカドルのシェアは60%を超え続けており、文字通り、世界で唯一の基軸通貨です。

これが、世界の金融システムにおいて、どういうことを意味しているか?

こちらを見てください。

それは、世界各国の多くの法定通貨の信用は、アメリカのドルが裏付けているということです。

これは、実際の世界の中央銀行に共通するバランスシートです。どの国の法定通貨も、このバランスシートに基づいて発行・運用されています。

法定通貨を発行する場合は、必ず、その資産の裏付けをもつことがルールになっています。

つまり、その資産を担保にして、法定通貨は発行されているわけです。

そして、この資産の部分の大半を占めるのが、アメリカのドルだったり米国債だったりするのですね。これは、新興国になるほど顕著です。

これがどのようなリスクを世界の金融システムにもたらしているのか?

アメリカは、大統領制によって運営されている政府です。直近の三人の大統領です。オバマ大統領のように、本当に素晴らしい人格と能力を持った人が大統領である時期もあれば、軍事産業や石油産業など一部の産業のみの意見を代表した人が大統領の時期もあったり、今のように、自分のことしか考えないポピュリストが大統領になってしまうときもあります。民主主義に基づく選挙で大統領を決めていてもこういうことが起きるわけです。

つまり、アメリカの誰が大統領になるかによって、ドルの信用が大きく変化します。これは、正直、持続的な金融システムとは言えません。金融リスクが非常に高いです。

ですから、ブロックチェーンの発明が正にそうであるように、今のドル一極に依存した経済システムではなく、信用がより分散的に管理されている仕組みに移行した方が、世界経済の運営リスクが下がることが見えてきます。

そして、二つ目。

資本主義が、人間社会に、構造的な貧困と経済格差をもたらしているという事実です。

詳しくお話しします。

資本主義は、過去2世紀にわたり、人類社会に多くの問題を引き起こしてきました。

これを理解するには、インターネット産業とのアナロジー(類似性)を考えるのがわかりやすいです。

インターネットのテクノロジーは、メディアの世界を非中央集権化しました。

インターネットが普及する前は、TVがメディアの中心でした。そこでは、アーティストは、自分たちの作品を、芸能事務所、TV局、広告主などの「中間搾取者」を通してしか、ユーザーに届けることができませんでした。

しかし、インターネットは、彼ら「中間搾取者」を全て取り除きました。Youtube、インスタグラムなど、どのアーティストの作品に需要があるかは、ユーザーが直接決めることができるメディアフォーマットをたくさん生み出しました。

そのお陰で、TV中心の時代では決して日の目を見ることがなかったたくさんのアーティストが大成功を収めています。

典型的な成功例は、モデルのイスカ・ローレンスです。

彼女は、線が太いということで、モデル事務所をクビになってしまいました。しかし、彼女は、あきらめず、インスタグラムに、線の太い人でも着こなせるコーディネート写真をアップし続けることで、同じような悩みをもつ女性から爆発的な人気を得て、フォロワー数は300万を超え、今では、有名ブランドのアメリカン・イーグルと年間広告契約を結ぶまでのモデルに成長しました。

今、これと同じ問題が金融の世界で起きています。

現在の金融システムは、ユーザーが預けた余っているお金を、それを必要とする他のユーザーのだれに配分するかは、「中間搾取者」である銀行、VC、信用格付け会社が判断しています。

しかし、ポスト資本主義の社会では、インターネットで起きたことと同じように、ユーザーが直接決めることができるようになるでしょう。それを実現するプロダクトがたくさん出てくるでしょう。

例えば、アメリカの貧困・差別問題を一気に噴出するキッカケとなった黒人ジョージ・フロイドの白人警官による暴力死は、その典型です。

アメリカの多くの黒人の人たちは、まともな金融サービスを受けることができません。それは、彼らの多くが、貧困街に住んでいるからであり、貧困街には犯罪が多いため、銀行などから、社会的信用がないと口座開設をなかなかさせてもらえなかったり、ローンを断られたりするのですね。

保険の場合も同様で、犯罪率が高い地域に住んでいるため、保険も加入できないか、加入できたとしても犯罪率が低い地域に住む白人に比べて高い保険料を払わなければなりません。これは、完全に悪循環です。構造的貧困と言ってよいです。

そして、世界には、同じことを理由に、銀行口座をもつことができない、「アンバンク」と言われる20歳以上の成人が、25億人も存在します。世界の20歳以上の成人の約53%、つまり、半数以上を占めます。

資本主義社会がもたらした、深刻な構造的な社会問題です。

しかし、今の資本主義社会には、この問題を解決する力はありません。

だから、新しい経済システムを作り出す必要があります。

しかし、その新しい経済システムを作り出すにも、お金がかかります。ですから、資本主義の社会に大量にあるお金が、この新しい経済システムに流れていく仲介的な役割を果たす触媒のような機能が必要であり、私はその役割のことを「デジタル・ゴールド」と名付けており、この役割に最もふさわしい存在が「ビットコイン」だと考えています。

プロダクト分析

では、ここから、プロダクト分析に進んでいきましょう。

まず、いつものバリューカーブ・ポジショニングからです。

デジタルゴールドとの比較において、実際のゴールド、そして、ビットコインと同じようなプロダクト性質を持っているライトコイン、モネロ、ダッシュなどを比較対象として用意しました。

まず、みなさんに知ってもらいたいのは、1st Mover Advantageですね。仮想通貨・ブロックチェーン業界では非常に重要です。

世界初の仮想通貨であり、ブロックチェーンを生み出し、そしてデジタルゴールドとしての役割を果たしているのは、ビットコインのみです。つまり、ビットコインだけが、1st Mover Advantageをえることができます。

他のアルトコインは、これは絶対に得ることができません。

そして、リーダー組織を持たないという点で、DAO(非中央集権型組織)の点からも、ビットコインは最も優れています。また、マイナーの多様性においても同じです。

さらに、同じ希少性(=供給制限性)をもつゴールドとの比較においては、偽物の作成が不可能である点と、低いセキュリティコストで持ち運べる点で、圧倒的に優れています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

まずは、1st Mover Advantageです。こちらをご覧ください。

ビットコインと他のビットコインと同じデジタルゴールドタイプのアルトコインの時価総額を比較したものです。

ビットコインが圧倒的ですね。これが、1st Mover Advantageの威力です。

この点は、仮想通貨の他の産業カテゴリでも裏付けられています。BaaS市場がそうです。こちらをご覧ください。

Ethereumと他のBaaSの時価総額を比較したものです。オレンジが、BaaS単体の時価総額で、ブルーがBaaSの上で稼働する多数のアプリの時価総額の合計です。

Ethereumが圧倒的ですね。それは、Ethereumが世界初のBaaSだからです。
つまり、ここにも1st Mover Advantageの威力が働いています。

次にマイナーの多様性です。

一部の人は、ビットコインのPoWのマイニングアルゴリズムは、マイナーの寡占化をもたらすと危惧しているわけですが、実際は異なっています。こちらは、2012年と2017年のビットコインのマイナーの状況をまとめたものです。

見ての通り、2012年に比べて2017年の方がマイナーの多様化が進んでいることがわかります。

次に、ゴールドの比較です。

まず、理解すべきは、ゴールドは「偽物」を作り出すことができます。しかし、ビットコインでは、技術的に絶対不可能なのですね。ソフトウェアプログラムとして作られているからです。

もう一つは、携帯性とセキュリティコストです。

当たり前ですが、自分で常に持ち歩けないと本当の自分の資産とは言えません。しかし、大量のゴールドバーを持ち歩くなんて現実的じゃないですよね。しかも、ゴールドを常に身につけていると強盗に襲われて、命を落とすリスクがあります。しかし、ビットコインは違います。

何百億円分のビットコインでも、パスワード付きのUSBメモリで管理し、持ち運ぶことができます。強盗もパスワードがわからなければUSBメモリを盗んでもビットコインが手に入らないので、あなたが命を落とす危険もありません。

この点からも、ビットコインはゴールドより優れた資産であると私は考えています。

チーム分析

次にチーム分析です。

僕は、チームにおいても、ビットコインは、仮想通貨・ブロックチェーン業界で最強だと考えています。

なぜか? 創業チームが存在していないからです。発明者のサトシ・ナカモトは、いまだに現れていません。

なぜ、最強だと考えているかについては、後ほど、トークンエコノミーのDAOのパートで詳しくお話しします。

チームの実行力分析

次に、実行力分析です。

ビットコインは、世界初の仮想通貨であり、世界初のブロックチェーン技術を使ったプロダクトであり、デジタルゴールドとして、様々なブロックチェーンに資金を流し、彼らを育てていくことを使命にしています。

ですから、簡単にいえば、ビットコインの市場全体におけるドミナンスレートが低下すればするほど、ブロックチェーン業界は成長していると言えます。

このオレンジがビットコインのドミナンスレートです。

2013年に90%前後だった数値が、7年後の2020年には60%まで低下しています。つまり、それだけ、ブロックチェーン業界が成長しているということです。

これが意味することは、先ほど、僕のポートフォリオ戦略の図で話をしたように、既存の資本主義社会から、お金が、ビットコインを経由して、ブロックチェーン型の新しい経済に流れ込み、成長していることを意味しています。

トークンエコノミー分析

続いて、トークンエコノミー分析です。

デジタルゴールドとしてのビットコインは、僕が作ったトークンエコノミーのデザインマトリックスで具体的に該当するものはないです。これは、アルトコイン用に作ったものだからです。

しかし、ネットワーク効果とDAOのところについては、話をしましょう。

まず、ビットコインのネットワーク効果は、非常にシンプルです。世界経済が危機に陥るほど、ビットコインは成長します。なぜか?

既存の世界経済システムが、資本主義に基づくものだからであり、ブロックチェーンの上に作られている経済が、ポスト資本主義に基づくものだからです。古いシステムから、新しいシステムにシフトしていくということです。

その上で、ビットコインのDAOについて話をします。

先ほどチームのところで触れたように、創業者チームの存在しないビットコインは、実は最強であるというのは、ここに通じてきます。

DAOを考える上で、創業者チームの存在がもつリスクについて考えましょう。

よい事例として、ビットコインと同じオープンソースソフトウェアであるリナックスがあります。

作ったのは、リーナス・トーバルスという北欧に住む天才プログラマです。リナックスは、OSとして大成功していますが、DAOの観点で評価すると大失敗です。

なぜなら、創業者のリーナスが、全てを決めてしまうからなんですね。つまり、先ほどのアメリカの大統領と同じ話で、リーダーが存在していること自体が、ソフトウェアプロジェクトとしてのリスクを引き上げています。

このわかりやすい例は、イーサリウムで実際に起きたことです。

2017年6月25日、匿名オンライン掲示板の4チャンネルで、イーサリウムの創業者のビタリックが、交通事故で亡くなったというフェイクニュースが流れました。結果、ETHの価格は数時間で大暴落しました。

これがリーダーの存在がもたらすリスクです。DAOとは、このリスクが存在しない組織です。

つまり、サトシ・ナカモトが存在しないビットコインの開発コミュニティは、実は、最もリスクが低くく、かつ持続性の高い組織であり、ビットコインの開発コミュニティ自体、全く組織化されずに、世界最大の仮想通貨として、成長してきている時点で、実は、最も、強力なDAOとして成長していることにもなるのです。

ですから、その点で、補足の話を一つすると、僕は、ビットコインは、「シンギュラリティ」における最高の成功事例だと考えています。

シンギュラリティとは、AIを含めたテクノロジーの発展にとって、人類の知性がそれまでの水準から、劇的に上昇することを意味しています。文明社会に革命的な進化が起きると言われています。

なぜ、私がこう考えるのか?

それは、人間の「信用」メカニズムという世界から、物質主義を排除し、テクノロジーにとって確立させることに成功したからです。

人は、経済取引における仲介的な役割として貨幣を発明し、長らくその貨幣の信用の裏付けを、ゴールドという物質に頼っていました。

それが、やがて、「国家の信用」に基づく「紙幣」に移っていくのですが、これは先ほどから何度も指摘しているように中央集権性のリスクを常に抱え、持続性に欠けるものでした。

しかし、ビットコインは違います。中央集権性のリスクを排除し、かつ、ゴールドよりもセキュリティ面で優れていながら、ビットコイン自体を信用するかしないかは、人間に委ねるという中で、その「信用」を確立していっています。

その点から、僕は、ビットコインは、21世紀において、世界初のシンギュラリティの成功事例として、注目しています。

ですから、僕は、ビットコインは、現在、時価総額は、約22兆円程度ですが、現在、800兆円あるゴールドの時価総額を超える日が近い将来やってくると見ています。

現在の時価総額差は、37倍です。ビットコインの半減期を通過するたび、この差は埋まっていくと見ています。

ビットコインが、ゴールドの時価総額を超えたとき、それは正に、人類の社会に「シンギュラリティ」が起きる歴史的瞬間となると見ています。

ハイプサイクル分析

では、最後に、ハイプサイクル分析です。

いつものガートナー社のハイプサイクルの図を元にお話しします。

ビットコインが該当するのは、この「暗号通貨」の領域ですね。その意味で、本格的な成長期に入りつつあります。

その意味では、大きなポテンシャルは見込めないのですが、その大きな可能性を見出せるのは、DAOの領域だと見ています。ビットコインのDAOの性質が実はDAOにおいて最も強力であることが評価される日はやがてやってくると見ています。

投資の総合評価

では、投資の総合評価です。

文句なしの6つ全てで満点です。暗号通貨のプロジェクトとして、人類とって最重要のポスト資本主義社会を実現する上で、最も重要な問題点を解決し、かつ、最高のテクノロジーで実現されていることから、僕の評価で、唯一30点満点のプロジェクトです。

最後にもう一つ。

冒頭で触れたように、世界の中央銀行たちは、現時点では、自分達が発行する法廷通貨の裏付けとしてアメリカのドルや米国債を使っています。しかし、ドル危機の深刻化と共に、やがてビットコインを使う中央銀行が出てくると見ています。それによって、世界経済はより安定に向かうでしょう。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

注記:最終的な投資判断は自己責任です。

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