Polkadot(ポルカドット)のトークンDOTの投資・分析について

今日は、PolkadotのトークンDOTの投資評価についての話です。

こちらの内容はYouTubeにもまとめています。日本語字幕付きです。合わせて参考にしてください。

早速、はじめていきましょう。

まず、僕のポートフォリオ戦略における、Polkadotの該当カテゴリは、こちら6つ目のブロックチェーン・インターオペラビリティに該当します。僕のポートフォリオ戦略について理解を深めたい方は、「こちらのブログ」を参考にしてください。

このレイヤーは、要求される技術水準も高いことから、取り組んでいるプレイヤーは多くはありませんが、ブロックチェーン産業にとってはとても重要です。

分析視点は、いつもの6つの視点、つまり、ペインポイント分析、プロダクト分析、チーム分析、チームの実行力、トークンエコノミー 分析、そして、ハイプサイクル分析です。

ペインポイント分析

一つ目、ペインポイント分析です。

ブロックチェーン・インターオペラビリティに関わるペインポイントは2つあります。

まず、一つ目のペインポイントです。

ブロックチェーン同士は、ネットワークが完全に分断されている、

です。

なぜ、ブロックチェーン同士のコミュニケーションを行うためのこのブロックチェーン・インターオペラビリティが重要なのか?というとこのブロックチェーン技術の特徴として、それぞれのブロックチェーン同士は完全に独立した存在だからなんですね。

イーサリウムとバイナンス、EOS、TRON、そして、ビットコイン、それぞれ全く別のブロックチェーンで動いています。だから、お互いにコミュニケーションをとれるような仕組みになっていません。これは、いろいろな不便が将来的に生まれます。

例えば、NFTトークンを事例に話をしましょう。こちらの図を見てください。

 

 

ハリウッド映画で「READY PLAYER ONE」がありますね。主人公たちは仮想ゲームの中で色々なキャラクターを使って様々なゲーム空間を行き来することができます。素晴らしいコンセプトの世界観です。これをブローックチェーンの世界に置き換えるとこうなります。

イーサリウムを使って作ったゲーム内のある自分の育てたキャラクターをTRONで作ったゲーム内で使って遊びたい。

などです。しかし、これは今のブロックチェーンだと不可能です。

例えば、ゲームA、B、Cとあり、それぞれ別のBaaS上で作られたものだとします。それぞれの個別ゲームの中のアイテムやキャラとして、aXはガンダム、bYはアキラのバイク、cZは、ピカチューだとしましょう。今のゲームの世界では、これらのアイテムやキャラが、各ゲーム内の空間を自由に行き来することはできません。

そして、もう一つのペインポイントです。

BaaSにとって、大規模なユーザーベースのDappsを支え続けることは技術的にかなりハードルが高い。

典型的なケースは、イーサリウムを使って開発されたCryptoKittiesです。

ポケモンのようにこれらのキャラクターを育てて売買することができます。

一時、仮想通貨ユーザーの間で、ものすごい人気を集めました。しかし、同時に、Crypto Kittiesに大量のトラフィックが発生して、他のアプリのスマートコントラクトの処理が遅延する事態が発生しました。BaaSは、まだ大規模なユーザーベースを持つアプリのトランザクションに耐えられるほどには技術が成熟してきていないため、この問題は、今後も起きると言われています。

その対策の一つは、大規模なユーザーベースのアプリは自前でブロックチェーンをもつというものです。ここが、ブロックチェーン・インターオペラビリティと関係してくる点で、それぞれのブロックチェーン同士の間にたって、複雑な連携を可能にする仲介役のテクノロジーが必要になってくるわけですね。それが、ブロックチェーン・インターオペラビリティが果たす重要な役割です。

この点を踏まえて、次のプロダクト分析に移っていきます。

プロダクト分析

 

まず、Polkadotのソフトウェア概要についてです。大きく3つの機能を持っています。

一つ目は、リレイチェーンで、これが中核的な存在です。リレイチェーンに接続されている各ブロックチェーン同士のデータのやりとりをサポートします。

そして、リレイチェーンのネットワークを支えるのは、パラチェーンです。Polkadotに参加しているバリデーター達が管理しています。

そして、3つ目が、ブリッジチェーンです。このチェーンが、イーサリウムなど外部のブロックチェーンとのリレイチェーンのデータのやり取りを担当します。

そして、いつものバリューカーブ分析です。

比較対象として、Polkadotにとっての最大のライバルであるCOSMOS、そして、DEXのKyberNetworkとラッピング技術を持つデリバティブDEXのSynthetixを入れています。

まず、ブロックチェーン・インターオペラビリティのソフトウェアとDEXのソフトウェアの違いを説明します。

Polkadotにとって、Kyberはある種の間接的な競合になります。なぜなら、ブロックチェーン間でトークンを交換するいわゆるCross-chainのUni-swapの取引をKyberのDEXがサポートしているからです。ユースケース特化型です。

Synthetixも同様です。彼らは、バーチャルラッピング技術を提供することで、実際のアセットを動かさずに価格だけの取引を行うことができるDEXを運営しています。これも、ブロックチェーン間のデータのやり取りの一つですから、Polkadotの扱えるユースケースの一つです。

また、Polkadot同様に、ステイキングサービスもこの2者は提供しています。自分の持つ仮想通貨を取引所に預けることで、取引所がマーケットメーカーにこの仮想通貨を貸し出し、預けたユーザーはマーケットメイカーが得た売買収益の一部をリベニューシェアしてもらえるからです。

僕は、このステイキングモデルは、トークンエコノミーの観点では、DEX型の方が、Polkadotなどより優れていると考えています。それは、トークンを供給制限型で実現でき、インフレ性を除外できるからです。しかし、収益性は保証されていない点においては、Polkadotなどのステイキングモデルに比べて劣ります。

しかし、Polkadotにできて、KyberやStynthetixにはできないことがあります。それは、Polkadot自体が、自前のバリデーターネットワークを保有し、かつ、そのセキュリティ資源をリレイチェーンに接続するブロックチェーンが利用できる仕組みを持っていることです。

さらにこの技術を応用することで、異なるブロックチェーンを跨ぐ特定のリソースのステータスをリアルタイムにアップデートすることができます。これによって、DEXには実現不可能な複雑なユースケースを扱うことができます。これが、ブロックチェーン・インターオペラビリティソフトウェアの強みです。

この点について、詳しくお話します。こちらをご覧ください。

Polkadotと同じソフトウェアであるCOSMOSの事例をベースにお話しします。

まず、COSMOS HUBとは、ブロックチェーン同士をつなぐためのハブの存在です。この図のように、各ブロックチェーンは、COSMOS HUBに、COSMOSが提供するSDK(開発キッド)を使って接続することで、お互いにコミュニケーションできるようになります。

この際に、COSMOSやPolkadotも実装を進めているBondingという機能がとても役立ちます。この図で言うと、COSMOS HUBに接続されている他のブロックチェーンのコンピューターリソースをBonding機能を通じて、自分のブロックチェーンとして利用することができるのです。

こうすれば、自前のブロックチェーンを持ちたいと考えているベンチャーが、負荷を少なく自前のバリデーターネットワークを育てていくことができます。不足している初期の段階では、他のブロックチェーン、例えば、イーサリウムなど大きなコンピューターネットワークを持つブロックチェーンから自由に一時的に借りることができるからです。これはかなり便利ですよね。

そして、僕はこのPolkadotやCOSMOSへのニーズは、Local BaaSが成長することで、更に高まると考えています。

地理的なローカルBaaSや、仮想コミュニティをベースにしたローカルBaaSが今、ブロックチェーン業界でも育ってきています。前者の代表例は、ベトナムを拠点におくTomo Chainなどで、後者の代表例は、仮想通貨ゲームコミュニティのEnjinなどですね。これらのプロジェクトのユーザーベースが育ってくると、自ずと、ブロックチェーン・インターオペラビリティのニーズは上がってくると考えています。

チーム分析

次にチーム分析です。僕がキーメンバーと見ている5人です。

まず、Polkadotは、オープンソースソフウェアですが、運営母体は、Parity Technologyというドイツのベルリンを主要拠点とする会社です。

その共同創業者であるGavin Woodは、言わずとしれたイーサリウムの競争創業者であり、元CTOです。プラットフォーム系のソフトウェアプロジェクトの立ち上げには非常に経験豊富な連続起業家です。

次に、同じく共同創業者であるJuttaは、マッキンゼーなどでコンサルタントをやっていた経験があり、ドイツのボン大学で数学のPh.Dも取得しています。

CTOのFredrikは、ランド大学の物理工学の修士号を取得し、その後、テックベンチャーのCTOをしていた連続起業家です。

次に、エコシステム開発リードのEricも、スタンフォード大学で化学の博士課程を中断し、Bica Capitalという仮想通貨ファンドのパートナーや、Archonというブロックチェーンを利用した分散ファイルストレージのベンチャーを立ち上げていた連続起業家です。

PRヘッドのPeterは、ニューヨークにあるKivvitというPR戦略コンサルティング会社でPrincipalをやっていた人物です。

技術面やエコシステム開発面で必要な人材を揃えた非常に有能なチームです。

次に、このチーム構成を踏まえた上での実行力の評価ですね。

チームの実行力の評価

まず、こちらが、2019年11月時点でのPolkadotのエコシステムです。

COSMOSより後発でありながら、これだけのプレイヤーのエコシステム化を実現しており、非常に優れた実行力ががあることが確認できます。

彼らのエコシステムづくりにおける手法の特徴の一つは、スイスに拠点を置くWeb3財団を経由したスタートアップへの寄付です。実は、このやり方は、COSMOSと同じですが、Polkadotは、Gavin Woodがイーサリウムの成功で得た巨大な個人資産の一部をWeb3財団に寄付して運用されているため、資金力でCOSMOSより優位に立っていることで、より高い実績を短期間で出していると言えます。

トークンエコノミー分析

次に、トークンエコノミーです。

ブロックチェーン・インターオペラビリティは、こちらですね。

重要な点は、資産価値を引き上げる株式経済の視点と、プロトコルレベルのテクノロジーなので、非中央集権的なガバナンスへの注力です。B2C向けのプロダクトではないので、リワード経済やネットワーク効果は重要ではありません。

まず、株式経済からです。Polkadotのデータはまだ公開されていないので、競合のCOSMOSを参考例にお話しします。

これは、バイナンスリサーチからのデータです。

COSMOSは、業界で初めて、PoS型でかつステイキングという概念を発明したDPoS型のブロックチェーンです。ATOMの保有する個人投資家は、取引所などが提供するステイキングサービスを利用して、COSMOSのガバナンスをCOSMOSのバリデーターに委託します。そして、バリデーターはATOMを多く保有するほど、PoSでの勝率が引き上がるので、積極的にユーザーにデリゲーションを促し、ユーザーは、バリデーションの報酬をリベニューシェアしてもらえます。これが、DPoSの仕組みです。

その結果、COSMOSは、流通量の73%以上が、ステイキングされている状態を実現しています。素晴らしい実績です。なぜなら、PoSでは、流通量の2/3以上(66.6%以上)を悪意あるユーザーが保有すると、COSMOSネットワークが破壊されるリスクがあるからです。

かつ、バリデーターは、PoSに参加するにあたり、悪意的な振る舞いをすると、預けているATOMをすべて没収される厳しいペナルティルールが課されているので、悪意的な振る舞いをするメリットがありません。なので、この70%を超えるステイキング率の高さは、COSMOSのネットワークを強固なものにしています。

他の同じDPoSと比較するとこの点が、よくわかるのですが、COSMOSの利率が6-9%である一方で、Algorandは、12-14%の利率で71.8%です。株式経済の観点で言うと、この利率を高く設定しすぎると、このトークンのインフレ率が高くなりすぎるため価格上昇のブレーキ材料になり、継続的に資産価値の上昇が望めなくなります。

その点からみても、COSMOSのトークンエコノミー が非常に優れているのがよくわかります。

このステイキングによって、個人投資家は、トークンを長期保有するメリットが生まれているのですね。長期投資を促すことで、仮想通貨市場自体が健全に発展していく流れを生み出しました。

そして、このDPoSによるステイキングサービスは、COSMOSのDAOとも連携しています。

COSMOSはオープンソースプロジェクトなので、様々な改良提案がアップされています。その採用可否を、個人投資家が個別に判断するのはなかなかハードルが高いです。

DPoSでは、個人投資家はATOMをCOSMOSのバリーデーターに委託して、彼らにその採用可否の判断も委ねます。このように、どのバリデーターに委託するか、個人投資家は自由に選ぶことができ、かつ、各案件の投票結果も公開されています。トークンエコノミー を活用した非常に優れたDAOを構築しています。

ハイプサイクル分析

最後に、ハイプサイクル分析ですね。

ハイプサイクルの最新マップをベースに話をします。ブロックチェーンインターオペラビリティと言う視点からカテゴリを特定すると、その点から評価すると、中長期で安定的な成長期に入ることが予想されます。BaaSと同じこの「ブロックチェーン」が該当すると思います。

また、中長期でより高い成長力を期待する場合、この「DAO」が該当します。

DAOは、まだ黎明期でかつとても長期的なテクノロジーテーマです。前者は本格普及機に入ってきている点で高評価ができ、後者では、ブロックチェーンの真髄を発揮する領域として、非常に注目を集めるプロジェクトになると予想できます。

投資の総合評価

そして、最終的な総合評価は以下の通りです。

まず、ペインポイントですが、インターオペラビリティはとても重要でありつつも、一部のユースケースを代替できるDEXプロジェクトも活発なことから、その点を少しマイナスして評価し、4.0としています。

プロダクトも、その点を配慮しており、Bondingはかなりキラーソリューションになると見ていますが、まだ将来的な話になるため、それらの点を踏まえて、4.0です。

チームは、技術とコミュニティづくりの双方に、スタートアップに慣れた非常に優秀な人材を揃えており、5.0です。

また、チームの実行力も、先行しているCOSMOSを超える実績をより短い期間で達成しているため、5.0です。

トークンエコノミー もDPOSやDAOについても着実に取り組めており、5.0です。

ハイプサイクルは、本格普及期の領域と黎明期の領域、二つの視点で捉えることができる点を踏まえて、4.0です。

合計点は、27.0です。僕の最低投資基準は、25ポイント以上なので、満たしています。このPolkadotのソフトウェアレイヤーは、技術的難易度も高く実績を上げるのも難しいのですが、とても優秀なチームで実績を伸ばしてきており、十分投資に値すると評価しています。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

注記:最終的な投資判断は自己責任です。

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