日本の法曹界の体質から見える日本の大麻合法化への道のり

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201806/3.html

長い付き合いの友人が、逮捕されてしまったこともあり、考えさせられるものがあり、よい機会なので色々と調べたので、僕の考えも含めてまとめておきます。

日本における大麻取締法の設立経緯

まずは、ここからですね。

From Wikipedia – 大麻取締法(たいまとりしまりほう、昭和23年法律第124号、英語: Cannabis Control Law)とは、大麻の所持、栽培、譲渡等に関する日本の法律である。

大麻取扱者の免許(5条 – )、大麻取扱者の義務(13条 – )、大麻取扱者に対する監督(18条 – )、罰則(24条 – )などが規定されている。罰則面での特色は、必要的没収(24条の5第1項)や、供用物件の没収の範囲の拡張(同条2項、刑法19条1項2号参照)である。

第二次世界大戦後、1946年(昭和21年)1月22日、連合国軍最高司令官総司令部から日本国政府に対する麻薬統制に関する指令を受け、麻薬取締規則を制定した。日本においては、麻繊維の産業があったため別個に大麻取締の法案が提起されることになる。

と言うことで、ここからまず見えてくるのは、日本の大麻利用を禁止した経緯は、GHQからの要請であって、日本の政府が、自分達の頭では考えて実行したわけではないと言うことです。当時のアメリカは、マリファナに対しては厳しいスタンスを取っていたわけですが、今、それも変わりつつあります。

いつもアメリカの法曹界を横目で見ている日本の法曹界

これは、実際に、僕が仮想通貨・ブロックチェーン業界を日本でゼロから立ち上げていたときに、改正資金決済法の施行に関わったので、深く理解したことです。まず、法律を作って実行する機能は、政府、正確には日本の政治家と官僚が運用していますが、彼らだけでは法律は作れません。

その分野に長けた弁護士や法学部の大学教授などから構成される委員会が、政府側で設置され、そこで検討され立法化されていきます。

その中で、特徴として言えることは、日本の法曹界(弁護士や法学部の教授で構成される業界)は、「自ら、世界に先駆けて新たな法規制を考える能力」が著しく低いと言う事実ですね。実際に、それらの委員会に拘ればわかることですが、必ずと言っていい程、アメリカの事例を意識します。アメリカにすでにその法規制がなければ日本ではそもそも検討テーブルに上がらない。これが不動の法則としてあります。

そして、更に体質として、アメリカの規制内容より、より厳しいルールを適用する文化が強いです。

その典型例として、「個人情報保護法」があります。インターネット産業に最も密接に結びついている法律です。僕は、日本のインターネット産業が、北米のそれと比べて停滞する原因となったことに、この法律があると、金融庁の「フィンテックベンチャーの有識者会議」で伝えました。情報保護ルールが、アメリカのそれと比べて厳しすぎるため、ベンチャーに取って経営コストの増大につながるため、海外プレイヤーに比べて競争力の低下につながっていると言うことです。

日本の政府は、とかく、オポチュニティコストと言うことに対する意識が著しく低く、厳しい規制をかければ、その分、イノベーションを起こすためのオポチュニティとの間に、トレード・オフが発生して、イノベーションを起こすに必要なベンチャー側のオポチュニティコストが上がってしまい、結果的に、新産業が育たない、産業転換が進まないと言う問題です。

僕の場合は、金融庁に「インターネット産業で犯した過ちをまた日本政府は繰り返すのか?」とロビー団体も作り、厳しい態度で迫り、仮想通貨・ブロックチェーンを規制する改正資金決済法に対して、この「オポチュニティコスト」に対するトレード・オフが発生しない法規制を作ってもらいましたが(詳しくは「こちらのブログ」を参照)、この大麻に関しては、要するに、現状、全くそう言う議論にはなっていないと言うことです。

つまり、強力な推進者が日本国内から出てこない限りは、アメリカの動き次第で、日本の合法化の流れは全て決まると見てよいと言うことです。

アメリカにおける禁酒法と大麻解禁の因果関係

次に、注目した点は、アメリカで進む大麻解禁の流れとその背景ですね。以下は、現時点での、アメリカにおける各州の大麻利用に関する法規制のマップです。

https://aozoraherb.com/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%A7%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%A4%A7%E9%BA%BB%E3%81%8C%E5%90%88%E6%B3%95%E5%8C%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E5%B7%9E%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97/

まず、理解しなければならないのは、大麻(マリファナ)の利用目的です。大きく3つあり、「医療用」、「産業用」、そして「嗜好用」があります。

嗜好用とは、健康な人が大麻を摂取することを意味します。一方、医療用とは、特定の病気を抱える患者などが、大麻を摂取することで、症状を軽減などの効果を期待するための利用目的です。特に、エイズやガンなど不治の病と言われる病気にかかった患者は、精神的ダメージも肉体的苦痛も相当なレベルになるため、このような患者にマリファナを与えることで、両視点の痛みを和らげる効果を狙ったりします。合理的な理由ですね。産業用とは、日本がよい例ですが、大麻草の麻の繊維はとても丈夫でかつ綿に比べて通気性に優れているので、衣類などに使われることも多く、日本では古くから麻を使った衣類を夏服として好んできる文化があります。

その理解をベースにすると、アメリカでは、ほとんどの州で、医療用大麻の利用は合法化が進んでいると言うことです。これは至極真っ当な理由ですね。安楽死の補助には大きな倫理的問題が伴いますが、不治の難病に苦しむ患者の最期のときを迎えるまでの苦痛をできる限り和らげることは、医者の使命としても、家族の想いとしても真っ当なものです。

また、アメリカは日本と違い、州に一定の範囲で立法権が与えられているので、アメリカの中央政府に相当する連邦政府は、大麻規制に関しては、州側の判断を尊重する態度を取っています。日本の場合は、各都道府県に立法権がなく、中央政府のみが立法権を持つため、このようにアメリカ全土ではなく州単位で普及が進むと言うことは、現状は起こり得ないと言うこともここからわかります。

そして、青のカラーは、嗜好目的で認めているので、ほぼ自由に大麻を摂取することができると言うことを意味します。アメリカの州でも、特に東海岸と西海岸の海岸経済での完全自由化が特に進んでいることがわかります。この点は、後ほど、より詳しい話をしていきますが、その前に、掲題の「禁酒法」との因果関係ですね。

From Wikipedia – アメリカ合衆国史における禁酒法(きんしゅほう、英語: Prohibition)は、1920年から1933年までアメリカ合衆国憲法修正第18条下において施行され、消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止された法律である。

一般に、家庭やコミュニティでの非公式な抑制力により、アルコールの乱用は社会的に受け入れられていなかった。アルコールは神からの贈り物である一方で、その乱用は悪魔の仕業によるものという明確な社会的同意があった。酩酊は非難・罰則の対象ではあったが、それは神からの授り物を乱用したことから非難・罰されるものであり、飲み物それ自体は過失があるとは見なされなかった。酒自体はとがめの対象ではなく、大食の罪の対象となる食物以外のものではなかった。過剰摂取は個人による軽率な行為とみなされた。インフォーマルな規制の下で遵守されない酒の乱用は、常にフォーマルな規制によるバックアップが行われ、統制は保たれていた。

18世紀後半に活躍した有名な医師であるベンジャミン・ラッシュは、1784年にアルコールの過度の乱用は身体的かつ心因的な健康に有害であると主張した(彼は禁酒法よりも、むしろ個人による節度を信じた)。この主張が広範囲にわたって議論された結果、1789年にコネチカット・コミュニティのおよそ200人の農民により禁酒協会が設立され、これに類似した協会がバージニア州で1800年に、1808年にはニューヨーク州で作られ、次の10年で禁酒協会は8つの州で設立された。そのうちのいくつは州全体の組織であった。

禁酒法は、アメリカにおける法治制度の失敗の一つとよく言われる事例です。この法律の結果、密造酒を作る業者とその酒をうる隠れバーが大量に生まれ、結果、アメリカの裏社会の力を強めてしまったと言う経緯があります。

どこの社会でもそうですが、裏社会と言うのは、「人が欲しいけど、表社会では違法なものを高値で売る」ことでビジネスをやるのが鉄則とも言えるからですね。

ですから、アメリカの大麻解禁についても、この失敗に対する意識があると見ています。大麻を違法化すれば、裏社会のビジネスの対象になり、その結果、高値で売買されるため、より希少性がまして、欲しがる人が増え、裏社会の力の増大による治安悪化のリスクもある。が故に、解禁してしまえば、それのリスクが解消されるだろうと言う考えです。しかし、当然、これらの業者、大麻以外のコカインやヘロインなどの麻薬も扱いますから、大麻合法化だけで解消する問題ではないです。

そして、もう一つは、このウィキペディアにも出ているよう、禁酒法に対する、二つの後押しする意見ですね。一つは、宗教(キリスト教)に関わるもの、もう一つは、健康に関わるものです。

日本の宗教体系の主流を占める神道や仏教では、このような思考はないですが、キリスト教信者が多いアメリカでは、真剣な議論の対象です。事実、キリスト教ではありませんが、イスラム教信者の多い国家では、禁酒法があることが一般的です。

そして、もう一つの考えである、健康に関わるもの、ですね。僕は、アメリカの海岸経済で取り分けて、嗜好用の合法化、詰まるところ、完全な自由化が進む背景はこれだと見ています。

アメリカの世代交代が生み出した新たな価値観:”酒より大麻の方が健康的”

70年代・80年代のハリウッド映画を見れば分かますが、ビールを浴びるように飲みながらピザを食べるというシーンがよく出てきます。かつてのアメリカ人の主流のライフスタイルがそこにあるからです。

しかし、現代のハリウッド映画では、このようなシーンはほとんど描かなくなっていますね。「時代遅れ」と言うことです。とはいえ、ハリウッド映画は、マーケティングリサーチを入念にかける戦略的な映画制作手法を取っているので、たまに、70年代や80年代のレトロな世界観を、当時20代だった人にむけて配信する目的で、そのようなシーンを含む映画が描かれたりもしていますが、主流でなくなっていることは事実です。

その背景は、アメリカ人の健康的なライフスタイルに対する意識が、この30年から50年の間に、大きく変化しているからですね。

第二次世界大戦後に生まれた、現在60代から70代のベビーブーム層は、オーガニック食材に対する意識が高く、健康的な食生活を求める傾向が強くなっており、その子供に当たる現在20代後半から30代のミレニアル世代は、その傾向が更に強くなっており、「酒は不健康だから飲まない」と言う認識が広くあり、その下の10代から20代前半のGeneration Xは言わずもがなです。

その結果が、様々な医療調査機関が、酒とマリファナの健康に与える影響を比較したデータを発表することが裏付けの後押しとなって、マリファナの方が酒より健康的な快楽ツールというマリファナ合法化の世論形成が進んで、上のようなマップ状態に入りつつあると言うことですね。

特に、アルコールは、主成分が「糖分」ですから、過剰摂取は確実に肥満の原因になっていきます。肥満が原因による病気は、糖尿病から高血圧など、いくらでもありますね。だから、僕も基本、酒を飲みません。その結果、糖質を抑えたビールの開発などを酒類メーカーが進めたわけですが、アルコールそのものがもつ「旨味」は、糖質の低下に応じて減退します。食感の「旨味」はその大半が、糖質からくるものです。一方、マリファナには、肥満リスクは一切ありません。結果、健康志向の人が特に多いアメリカの海岸経済で、マリファナ支持者が増えるのは、ごく自然と言えます。

また、この合法化の流れの結果、海岸経済の西海岸にあるシリコンバレーでも、マリファナ・ビジネスのベンチャーが物凄い勢いで立ち上がっています。

おそらくですが、日本が世界で一番仲良い横のアメリカで、しかも、日本人が一番訪れることが多い海外経済で、嗜好用マリファナが合法化されているとなると、軽はずみで利用してみて、良かったから、日本に持って帰ってきて、そのまま吸ってしまって逮捕されると言う流れになっているのではないかと見ています。

図2 人口10万人当たりの大麻事犯検挙人員の推移

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201806/3.html

 

ですから、上のグラフを見ると一目瞭然で、20代の大麻使用・所持における検挙率が近年、一気に上がってきていると言うことですね。

ですから、立法する立場ではないけど、その法律を元に取締る立場の警察庁側は、この数字を下げることが、その年のボーナスや自分の出世に影響するわけですから、著名人の使用者・所持者を逮捕するいわゆる「見せしめ検挙」をすることで、この数字の伸びを抑えたいわけです。なので、僕の推測では、警察庁側は、芸能人など著名人の大麻所持・利用者は、すでにリスト化して持っていると見ています。あとは、その中から、定期的に検挙して、数字の引き下げをしようと頑張っている。しかし、隣のアメリカがこれだけの勢いで事業化が進んでいると、「焼け石に水」になりつつあるとも言えます。ですから、彼ら組織都合の犠牲になりたくない人は、真剣に合法化のリーダーシップをとるか、合法化するまでは止めておくに限る、と言う結論になります。

いかんせん、日本は、アメリカのように失敗に対して全く寛容な社会ではありませんから、逮捕されたと言うだけで、異常とも言えるレベルで、社会的信用を失うからです。

THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)の違い

また、補足ネタとして話をしておくと、先ほどアメリカのマップデータに出ていた「THC」についてですね。日本の厚生労働省側の主張は、大麻に含まれる、THC(テトラヒドロカンナビノール)の成分を問題視しています。幻覚症状など人の精神に作用する傾向があるためです。ですから、アメリカにおける合法化についても、州によっては、利用目的に応じて、THCの含有量に制限を設けたりしています。これも、合理的な対応策の一つですね。

また、アメリカではかなり一般的に普及しており、日本でも少しずつ認知が広まっている大麻成分の一つが、CBD(カンナビジオール)です。これには、精神作用がないと言う医療検査データが得られているため、日本でも合法な成分でかつ、THCに比べると効果は劣りますが、ある程度、精神的なリラックスが得られる効果があります。これは、僕も摂取しています。合法ですから。笑

最後に

と言うことで、これらの事実を踏まえると、日本における大麻利用の嗜好目的での合法化の流れは、そう遠くない未来にやってくる感触があります。まあ、21世紀中でしょうか。笑

まずは、医療利用からでしょう。合法化の目的が合理的かつ倫理的だからですね。その合法化が実施されることで、大麻=悪と言う価値観が、日本社会から薄れていき、やがて、嗜好目的もTHCの含有量制限などを設ける形で、合法化の検討が進むのではないかと見ています。これも、時代の変化ですね。

ただし、論理的に考えれば分かる話ですが、マリファナの摂取も酒の摂取と同じで、中毒症状に陥らず、健康的にレベルに留められるかどうかは、自己のコントロール能力次第です。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

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