毎週のレギュラーアイテムである、ビットコインとアルトコインの週次分析と市場予測です。
分析期間は、2020年9月21日から9月27日です。
早速はじめていきましょう。
こちらの内容はYouTubeにもまとめています。日本語字幕付きです。合わせて参考にしてください。
まず、僕のポートフォリオ戦略の確認です。
僕は、基本的に、ビットコイン、そして、アルトコインもこの6つのカテゴリに該当しているプロダクトしか投資しません。詳しくは、僕が別にまとめている「ポートフォリオ戦略」のブログを参照してください。
そして、僕の仮想通貨ポートフォリオのアップデートです。
先週は、追加投資はしていません。
ビットコインの市場分析と展望
では、まず、ビットコインの分析からです。
いつものBTC/USDTの先ずは1時間足のチャートです。
まず、9月21日と9月24日に起きた動きからですね。ゴールド市場の下落に引っ張られる形で、ビットコインも下落し、最終的に、$10,136をマーク、その後、価格は回復基調に入ります。
24日に米新規失業者の申請者数が80万台で高止まりしているデータが発表されましたが、ここに反応したよりかは、テクニカルでさらに上昇基調を強めた感があります。 そして、26日に大手中央集権型取引所のKuCoinが150億円というかなり大規模なハッキング被害を受けたのですが、市場はほぼ無反応。今までは、この手のニュースが流れると、下落することが通例だっただけに、気になる動きです。 最終的に、ほぼ週開始時点の$11,000付近まで値を戻す形で1週間を終えています。
また、引き続き、$10,500近辺がサポートラインとして機能していることがわかります。
気になる点は、やはり、ゴールドとの価格連動性が高まっている点で、ゴールド価格の下落基調がまだまだ続くようですと、ビットコインの下落もまだ続くと考える必要があります。
続いて、日足チャートの分析です。
先週に引き続き、ボリンジャーバンドの中央値の上をホバリングしながら、少しずつ底値を切り上げていく価格展開が続いています。このトレンドがキープできるようですと、ボリンジャーバンドの上の価格ラインである、$11,200あたりを目指す展開も期待できますが、やはり、ゴールドの値動きに対する警戒感を怠らないことが重要だと考えています。
そして、週足分析です。
3週間前から指摘している、ボリンジャーバンドの中央値の価格帯を耐えられるか?どうか? 見ての通り、よい感じで耐えていますね。
また、KDJも上昇トレンドをキープできています。
では、ここからファンダメンタル材料の分析を進めていきましょう。
まずは、ビットコインのマイニング難易度です。
次回3日の難易度予測は、+5.23%と、先週時点が、+9.89%でしたから、ほぼ50%ダウンですね。ただ、ただ、そこまでベアに見るレベルの数値ではないとみています。
次に、CME先物の価格動向です。
今週は「順ざや」をキープしています。先週の1ヶ月平均の価格差が、+$56.25から、今週は、+$51.7で、引き続き、ある程度のブルトレンドをキープはできています。
市場全体の時価総額とビットコインのドミナンスレートの動向です。
市場全体の時価総額は、前週の+2.4%から、今週は、-1.7%となりました。 一方で、BTCドミナンスレートは+0.03%の57.75%とわずかに上昇です。
ですから、全体的に下落は、アルトが主導していることがわかります。
次に、USDTの動向です。
発行総額は、今週は、+0.82%、先週は、+3.4%でしたから、先週に比べると更にアルト買いのパワーが後退していることがわかります。みな様子見ミードという具合です。
次に、GrayScaleのBitcoin投信の価格GBTCです。
USDTは仮想通貨トレーダーが使うことが多い一方、GBTCは、一般の個人投資家や機関投資家が使うことが多いので、より純粋なアメリカドルからBTCへの資金流入のトレンドを追うことができます。
ビットコインとほぼ同じ動きでした。21日と24日は、ゴールド市場の下落に引っ張られ、26日のKuCoinのハッキング事件も無反応でした。GBTCは、仮想通貨の投資家に比べると保守的なユーザーが売買する金融商品ですから、GBTCの投資家もハッキング事件に無反応だったというのは、投資家真理に変化が起きている可能性が大きいこととして注目しています。
次に、GrayScaleの実際のBTCの保有高です。
先週、約20,000枚の大きな購入が行われて、+4.7%です。これはブルですね。
そして、Google Search Trendのデータです。
Bitcoinは、変化なしの10。Goldは、5ポイント戻して、76、そして、USDも変化なしの25です。 ゴールドの検索人気回復に注目しています、現時点の価格を底値とみている個人投資家が多い証拠と見ることができるからです。
次に、ゴールドのチャートです。
コロナショックからの経済立ち直りを受けて、21日に大きな下落をしており、$1860あたりで下げ止まりして落ち着いているのがわかりますね。ここが強力なサポートラインとしても機能するようであれば、価格連動性を高めているビットコインにとっては、プラス材料です。
次に、米国国債の金利動向です。10年ものを継続ウォッチしています。
先々週の-0.97%から、+0.92%と+5.%、更に回復しました。こちらも徐々に数値が下落基調になっており、ゴールドと同じ動きになってきています。
続いて、S&P500です。
17日の米新規失業保険の申請者数の高止まりの数値推移については、少しベアに反応した感じですね。ただ、下落幅は小さいです。
続いて、ハイテク銘柄中心に構成されているNASDAQ100です。
こちらも同じく、17日の米新規失業保険の申請者数の高止まりの数値推移については、少しベアに反応した感じですね。ただ、下落幅は小さいです。
株式相場が活気づいてくると、リスクオン状態になり、リスクアセットの仮想通貨市場にも資金が流れてくる期待が出てきますが、まだその動きが明示的には現れてきていない感触を持っています。
そして、9月28日から10月2日の注目すべきイベントです。
10月1日:米国新規失業保険申請件数(前週値:87.0万)
10月2日:米国失業率(前週値:8.4%)
市場関連ニュース
続いて、関連ニュースです。 新型コロナウィルスの動向です。
感染者数の増加率は、先週の7.03%から今週は6.7%と、改善。死者数は、先週の+4.1%から、+3.85%となり、こちらも改善しています。
続いてのニュースです。
まず、もう一つ大きなイベントが、ビットコイン市場にありました。1,000億円近いオプション契約が満期を迎えたことです。市場は、これにも無反応でした。投資家の市場に対する見方に変化が起きているのが引き続き、注視する必要があると考えています。
続いて、
ケンブリッジ大学の調査によると、仮想通貨の投資家は、2019年の3,500万から2020年は、現時点で、1億人に到達しています。1年で、約3倍の成長です。
また、もう一つ注目しているのは、投資家構成の変化です。特に、北米とヨーロッパ市場ですね。機関投資家の割合が、30%を超えてきています。彼らは、まさにキャズムにおけるアーリーマジョリティのユーザー層なので、仮想通貨市場のキャズム超えが、欧米市場がリードする形で進んでいることがわかります。
続いて、
DeFi市場全体にロックアップされた資産の合計額が、とうとう1兆円を超えました。今年は、正にDeFi市場がようやく立ち上がった年と言えますね。
続いて、
DeFi市場が本格的に立ち上がってくる中で、心配しているのが、イーサリウムのガス代問題です。業界のDeFiの大半のプロジェクトがイーサリウムを使っているため、DeFi市場が大きくなるほど、ガス代がどんどん上がる問題が顕在化してきます。 イーサリウムが、PoWからPoSに移行が完了すれば、ガス代がかなり下がることが期待できますが、現時点で2022年完了予定とまだ、だいぶ先になるため、これが、DeFiの次の成長ドライバーになると予想されるNFT市場の立ち上がりにブレークをかけるリスクがあり、気になっているところです。
続いて、
毎年恒例の、金融資産別のリターン比較です。年初から9月末までのデータをベースに算出しています。今年もビットコインが、+48.7%で、No.1。第2位は、ゴールドではなく、NASDAQで、21.68%でした。ゴールドは、第3位で20.8%。最下位は、S&Pで、わずか2.09%でした。
続いて、
こうなってくると気になるのは、仮想通貨市場が、いつ既存の主な金融資産市場とのディカップルを確立するかですね。Willy Wooは、スタートアップの成長モデルと同じSカーブがポイントになると考えているようですが、僕も50%は賛成です。ただ、最近の値動きの特徴として、ゴールド市場との連動もあるため、まだ完全に独自をとっているとは言い難いとみています。
続いて、
VISAが、加盟店ネットワークにおける仮想通貨決済への対応を積極的に進めることを明確化してきています。ユーザーは、今使っているクレジットカードやデビットカードをそのまま使う形で、仮想通貨決済ができる状態の実現を目指しているようです。仮想通貨の日常決済への利用は、この業界成長に必要なイノベーションの一つですから、今後のVISAに更に期待したいところです。
続いて、
著名エコノミストのステファン・ロークが、2021年までにアメリカ経済が、50%の確率で、大規模な景気後退を経験すると予測しています。果たしてこのタイミングで起きるか、また、起きるとした場合、これが第2のドル通貨危機を起こすトリガーになるか、気になるところです。
最後にいつものスライドです。
仮想通貨の本格的な成長段階は、個人投資家の多くが、世界を支える米国経済より仮想通貨経済の方が可能性があると考え始めるかどうかです。 つまるところ、引き金は、1972年のニクソン・ショック以来の第二のドル通貨危機ということです。
つづいて、アルトコイン市場です。
注記:最終的な投資判断は自己責任です。