マスター・オブ・スケール – Flickr創業者カテリナ・フェイクのインタビュー#1

Master of Scale(マスター・オブ・スケール)は、シリコンバレーのインナーサークルの一人、レイド・ホフマン(ペイパル・マフィアの一人でもある)が、彼が親しくしているシリコンバレーの起業家たちを招き、「スタートアップを成長させるためのノウハウ」について、インタービューを通してリスナーに伝えていくポドキャストの番組です。

ペイパルマフィアについては、「こちらの記事」にまとめています。

この内容は、そのポドキャストの内容を翻訳したものです。若い起業家の方は、参考にしてください。また、原文やポドキャスト合わせて使うことで、英語学習にもなると思います。ぜひ、上手に役立てください。オリジナルリンクはこちらです。

BUILD A MORE HUMAN INTERNET

 

カタリナ・フェイク:あなたは、起草者なのよ。あなたは、この世界を作っている法律の起草者なのよ。あなたは、聖書に出てくるアブラハム(人類の一番目の子孫)のようにこの世界を作っていく一人なのよ。

レイド・ホフマン:彼女はカテリナ・フェイク。フリッカーの共同創業者で、まさにソーシャルメディアのアブラハムと言える起業家で、僕らが今日使っているソーシャルメディアの基礎を築いた人だ。

時計の針を2004年に戻す。シリコンバレーは、まさに聖書の創世記と呼べる時期で、その中で、写真をオンラインで共有するというフリッカーのコミュニティはまだ小さかった。この写真共有が、今では当たり前の”フォロワー”という仕組みを生んだ。また、いわゆるお互いの活動をリアルタイムに共有しあうタイムラインに代表される”フィード”を生んだ。このフィードによって、フォロワーが増えるメカニズムがそこに存在した。そして、またそこにボットも存在していて、フォロワーを自動的に増やすような行為もすでにフリッカーには存在していた。つまるところ、今日のソーシャルメディアの型は、全てフリッカーが起点になっているんだ。

では、これだけの功績を残したカタリナは、自分のこの創作物について、何と表現するのか?

 

フェイク:これらのプロダクトは、今はみんなソーシャルメディアと呼んでるわね。けど、フリッカーは実際そのようなものではなかったわ。

ホフマン:僕の知っている多くの人が、ソーシャルメディアの創世記を築いた彼女の功績に称賛を与える。それが、部分的なものであれ。けど、カテリナは、それらの賞賛を全く受け取ろうとしない。彼女の反応は、まるでフリッカーの胃を突き破って生まれたエイリアンのような存在だ。

僕らが、フリッカーをその後に生まれたFacebookや、Twitterやインスタグラムと比べようとするとき、彼女は、必ず一つのことを指摘する。それは、それが彼女が創造しようとしたものではなかったということ。

フェイク:Flickrは、オンラインコミュニティであってソーシャルメディアではないわ。彼らがなぜソーシャルメディアと自分たちのことを表現するかといえば、自分というメディアをそこで売り出すことができるから。自分の言葉やライブショーをそこで売ることができる。そして、それらを周囲に宣伝することもできるけど、Flickrはソーシャルメディアではなかったわ。オンラインコミュニティと呼ぶ方が正しいわ。そして、そこにいる人々はそこで自分の存在をマーケティングするために集まったわけじゃないのよ。そこで会話を楽しむために集まったのよ。彼らはお互いのことを知っているし、自分が、参加しているコミュニティの一部であることも理解していた。これこそが、Felickrのコアにある精神よ。

ホフマン:どうであれ、彼女は、自らの判断で、自分はソーシャルメディアのアブラハムではないことに決めた。むしろ、彼女は、洪水が起こる前のノアであると考えているかもしれない。なぜなら、彼女が、Flickrを手がかけていたインターネットの黎明期におけるオンライン・コミュニティの世界は、崩壊してしまっていると見ているからだ。この状況を修正するためには、彼女は、君たちは、インターネットそのものの創業理念に立ち返って、全くゼロから新たなものを作り上げていく必要があると考えている。

そして、その対象は、今日でいうところの”ソーシャルメディア”だけではない。それ以外のマーケットプレイス、クラウドファンディングプラットフォーム、コンテンツサイトなど全てが対象だ。そして、それらの多くは今とても反映しており、それは、カタリナの表現を借りれば、君自身は、文明社会そのものを作っていると言える。つまり、君は、起草者であり、法律の立案者であり、新たな社会システムの確立者なのだ。そして、それは君自身が、第1性代のユーザーベースを作り上げる過程で重要となってくる役目の一つであり、その第一世代が次の世代へと受け継いでいくことになる。

だからこそ、僕は、全ての創業者は、そのプロダクトをリリースした第1日目から、そのオンラインコミュニティを形成するカルチャーのカタチを精密に作っていかなければならない。なぜなら、その「カルチャーの色」こそが、その後、何年、何十年にも渡って、受け継がれていくことになるからだ。

つづく。

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