マスター・オブ・スケール – Flickr創業者カテリナ・フェイクのインタビュー#2

ホフマン:僕は、レイド・ホフマン。Linkedinの共同創業者で、Greylockのパートナー、そして今日のあなたのホストです。僕は、オンラインコミュニティを手掛ける全ての共同創業者は、第1日目から、そのコミュニティを形成するカルチャーを作り上げていくことに大いなる責任を負っている考えている。なぜなら、君が作り上げるそのコミュニティ精神そのものがその後も受け継がれていくからだ。君のコミュニティに参加してくる初期のユーザーと、彼らとの初期の交流こそが、そのコミュニティの文明がもつ原理原則となっていく。

しかし、君は、自分がオンライン・コミュニティであるとは、考えないかもしれない。君は、それがプラットフォーム、マーケットプレイス、ソーシャルメディアと考えているかもしれない。もしくは、レビュー付きのEコマースサイト、もしくは、コメント付きのコンテンツサイトだと考えているかもしれない。様々なインターネットサービスが登場し普及しているこの2017年段階において、僕らはカタリナの言おうとしていることから大いに学ぶベきことがある。

とはいいながらも、僕は、世の中にあるウェブサイトやプラットフォームが、100%ユーザーによってコントロールされていないことはよくわかっている。そのサイトの規模が、100万や10億人のユーザーベースであったとしてもだ。彼らの何人かは、君のサイトに混乱を招くような悪意的行為をするかもしれない。だから、君は、彼らのような勢力が君のサイトで影響力を持つ前に、つまり、手遅れになる前に、そこに高い壁を築かなくてはならない。

この初期のコミュニティを形成するユーザーは、自然界の生き物に例えると、いわばアメーバのような存在で、君のコミュニティがまだ高度な生命体になる前の段階の存在と言える。聖書の創世記にあるように、地に光が落ちて、土の中から、生命が生まれてくる。まさにそんな世界の段階だ。

君がこの世界観の中でコントロールできるのは、いわばこのまだ微生物レベルの小さいコミュニティが今後どの方向性に進化していくかを決める「天候」を制御できる存在だと考えて欲しい。つまり、君は、コミュニティ内における何が善意的な振る舞いで、何が悪意的な振る舞いかについて、暗黙のルールを決めていくことができる。だから、ときに君は、そのコミュニティに現れてくるトロールのようなモンスター的な生物に対して、それに生を与えるか死を与えるかを決めることができる。

だからこそ、ここにスケールさせる上で絶対的なルールが一つある。自分自身の中における、善と悪の価値基準に対して注意深くなれ、ということだ。

そして、シリコンバレーの中で、最もこのコミュニティを如何にして形成するかこそ起業家の使命であると深く考えている自分こそ、カタリナ・フェイクだ。なぜなら、彼女は、たくさんのオンラインコミュニティを持つ素晴らしい会社のそのカルチャースタンダードを確立する上でとても重要な役割を果たしてきたからだ。

彼女の一つ目の会社である、Flickrは、今やソーシャルメディアにおいて当たり前となる仕組みのその多くを生み出した。正直、この点において、彼女の功績を賞賛し過ぎるということはないというほどだ。

そして、現在、彼女は、投資家、アドバイザー、そして、取締役として、様々なオンラインコミュニティを育てることに貢献している。それは、Etsty、Kickstarter、そして、Stack Overflowなどだ。正にインターネットにおけるオンラインコミュニティの代表格と言える会社ばかりだ。

カタリナは、1980年代、まだ彼女が10代だったころに、オンラインコミュニティの素晴らしさに魅せられた。当時のインターネットは、まだまだ荒削りで(日本で言うパソコン通信時代)、一部の熱狂的なファンが、ネット上の会話を楽しんでいた。カタリナもその一人で、パソコンを使って初期のチャットルームの世界に魅せられた。その中で、最も彼女を魅了したものを遠く離れた人とお互いのこのネット世界への情熱を共有し合いつながりをもてることだった。

フェイク:私が、特に関心を持ったのは、Jorge Luis Borges、アルゼンチンのライターで、様々な角度からインターネットの未来を予測した人物だったわ。

つづく。

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