マスター・オブ・スケール – Flickr創業者カテリナ・フェイクのインタビュー#3

ホフマン:だから、僕らは、カテリナに、Jorge Luis Borgesの作品から、彼女のお気に入りの文章を選んでもらうことにした。それらの内容は、Masterofscale.comのサイトに掲載しているので興味がある人はぜひ見て欲しい。しかし、もし君が、Borgesに対してあまり詳しくないのなら、それは君だけではない。事実、知らない人の方が多い。むしろ、Borgesファンである方が少数派だろう。だから、そこでカテリナに、当時のパソコン通信でのBorgesファンとの交流について話をしてもらう。

 

FAKE:私は、デンマークで、Borgesについての研究者グループのオンラインコミュニティを見つけたの。それでコンタクトを取ったわ。当時だから、いわゆるBBSs(掲示板)もしくはWavesと言った感じ。どうやって、つながることができたかは覚えていないのだけど、けど、当時は、まさに前インターネット時代だったから、本当に世界中の人々と魅力的な会話を楽しむことができたわ。

私が、住んでいたニュージャージーのモリス・カウンティーでは出会うことのなかったような、とても知的で、おもしろくて、魅力的な人々と交流することができた。

ホフマン:わかるかい?彼女は、オンラインの世界の方が、自分が実際に住んでいる環境よりも、よりアットホームだと感じていたんだ。これこそ、オンラインコミュニティの力と言える。

同時に、彼女が、当時、どんなコミュニケーションツールを作っていたかも覚えていないことについて注意を向けて欲しい。要するに、彼女にとって、ツールは、2番手の存在なんだ。それにまして彼女にとってより鮮明に覚えていることは、オンラインで繋がった心が通い合った相手との会話の内容だったと言うこと。この感性こそ、彼女が、他の起業家や投資家とは一線を画している点だ。

多くの創業者、特にテック起業家と言うのは、コミュニティを作り上げることより、ツールを作ることにフォーカスする傾向にある。言い換えれば、ここにハンマーやドライバーがあって、それらを使って、ユーザーとのインタフェースを作り改善していく。しかし、どうやってユーザーが頻繁に使ってくれるように改修する?

シリコンバレーでは、すぐにA/Bテストをしろと言う。そして、”わかるでしょ。ボタンをレッドしてして、配置場所を少し変えたら、クリック率が一気に上がったよ!”と。

しかし、カテリナは、クリック数のためには戦わない。彼女は、そのBorgesのメッセージルームで体験した自分の家と感じるような体験を作り出すことに集中する。人とのつながりだ。彼女がこれがスケールすることをのぞむ。彼女は、シリコンバレーでは少し例外扱いされる人同士のインタラクションに対して、情熱を傾ける。

では、そんなカテリナが、どう言う経緯でシリコンバレーにやってくることになったのか?実は、きっかけは、彼女のヒマラヤ登山計画のキャンセルだった。

フェイク:当時、私は、ネパールの山を登る計画を立てて、現地に向かっている途中だった。その道の途中で、私の妹の家に立ち寄ることにした。そしたら、結果的に、私のその登山計画はキャンセルになってしまったのよ。それで、仕方なく、そのサンフランシスコにある妹の家にしばらく滞在することにした。

つづく。

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