Ripple(リップル)のトークンXRPの投資・分析評価について

今日は、Ripple(リップル)のファンダメンタル分析についてお話しします。

こちらの内容はYouTubeにもまとめています。日本語字幕付きです。合わせて参考にしてください。

早速、はじめていきましょう。

まず、僕のポートフォリオ戦略における、Rippleの該当カテゴリはありません。僕のポートフォリオ戦略について詳しく理解したい方は、僕の「ポートフォリオ戦略」に関するブログを参考にしてください。

分析視点は、いつもの6つの視点、つまり、ペインポイント分析、プロダクト分析、チーム分析、チームの実行力、トークンエコノミー 分析、そして、ハイプサイクル分析です。

詳しくみてきましょう。

一つ目、ペインポイント分析です。

ペインポイント分析

ブロックチェーン産業の存在意義と関わる基本的な点についてお話しします。これを理解するには、インターネットとブロックチェーンの類似性から考えるとわかりやすいです。

まず、インターネットがもたらしたのは、メディアの非中央集権化です。

インターネットが普及する前は、TVがメディアの中心でした。そこでは、アーティストは、自分たちの作品を、芸能事務所、TV局、広告主などの「中間搾取者」を通してしか、ユーザーに届けることができませんでした。

しかし、インターネットは、彼ら「中間搾取者」を全て取り除きました。Youtube、インスタグラムなど、どのアーティストの作品に需要があるかは、ユーザーが直接決めることができるメディアフォーマットをたくさん生み出しました。

そのお陰で、TV中心の時代では決して日の目を見ることがなかったたくさんのアーティストが大成功を収めています。

典型的な成功例は、モデルのイスカ・ローレンスです。

彼女は、線が太いということで、モデル事務所をクビになってしまいました。しかし、彼女は、あきらめず、インスタグラムに、線の太い人でも着こなせるコーディネート写真をアップし続けることで、同じような悩みをもつ女性から爆発的な人気を得て、フォロワー数は300万を超え、今では、有名ブランドのアメリカン・イーグルと年間広告契約を結ぶまでのモデルに成長しました。

今、これと同じ問題が金融の世界で起きており、これを解決するのがブロックチェーンです。

現在の金融システムは、ユーザーが預けた余っているお金を、それを必要とする他のユーザーのだれに配分するかは、「中間搾取者」である銀行、VC、信用格付け会社が判断しています。

しかし、ポスト資本主義の社会では、インターネットで起きたことと同じように、ユーザーが直接決めることができるようになるでしょう。それを実現するプロダクトがたくさん出てきます。代表的なものは、DeFIですね。

ただ、Rippleの分析する上で最も注意しなくてはならないのは、左図にある銀行です。これは、本来、ブロックチェーン産業が淘汰すべきターゲットです。

しかし、Rippleは、この銀行相手にプロダクトを提供しています。

これは、そもそもペインポイントの定義が間違っているのですね。銀行のペインポイントを解決しても、世の中はよくなりません。要するに、Rippleは、ブロックチェーン技術を当てはめる顧客先を間違えているということです。

では、これらの理解を元に、Rippleのプロダクトを見ていきましょう。

プロダクト分析

まず、詳細の分析に入る前に、Rippleのおさらいです。

Rippleの歴史は実は、ビットコインよりも古く2005年ごろから、ArthurとDavidによって開発が進められてきました。そして、それがMt.Goxを作ったJed MaCalebの目に留まり、日の目をみることになります。

2018年には、100以上の銀行がRippleのプロダクトを採用していますが、重要な点がここに一つあります。それは、Rippleの非中央集権型のメッセージングサービスXCurrentをみな利用しており、その間で国際送金のブリッジカレンシーの役割を果たすXRPのトークンは全く使われていないということです。最大の理由は、XRPのボラティリティが高すぎて、例えば、ドル円の取引だと、ドル円のボラティリティの方が低いので、ブリッジカレンシーとして意味をなしていないからです。

また、2018年5月に、米SECにXRPが証券取引法に違反しているという訴訟を起こされています。理由は、ビットコインやイーサリウムは、中央の組織が全くコントロールしていない仮想通貨である一方、Rippleは、XRPの大半をRipple Labsが保有しているため、実質、株式と変わらないためです。そして、XRPが株式として判断されると、Rippleは仮想通貨の供給方法で米国証券法に違反する可能性が高いため、これが難題になっています。

そして、Rippleのバリューカーブポジショニング分析です。

Rippleは、国際送金システムのSWIFTに競合するプロダクトを提供し、そこにブリッジカレンシーとしてXRPを利用する設計仕様になっています。

ですから、同じ国際送金システムとしてのSWIFT。そして、ブリッジカレンシーとしてXRPの比較対象となる、MakerDAOが発行するDAIとTetherのUSDTを追加しました。

まず、XRPはステーブルコインとしては全く機能できておらず、価格の安定性で、DAIとUSDTと比べるとはるかに劣ります。

また、DAOについても同様で、XRPは、Ripple社のみが運営しており、そこには500人を超える中央集権型組織がありますから、DAOのガバナンスモデルでは、MakerDAOには遠く及びません。

そして、USDTとDAIを比較すると、DAIは、通貨バスケット制度を採用可能なアーキテクトになっているため、現状は、基軸通貨ドルにソフトペッグする形に限定していますが、ドル以外の通貨も追加可能です。一方、USDTは、ドルペッグの機能しか持っていないので、ドル市場が衰退したときに利用価値を失うリスクが高いです。

これらの理解を踏まえた上で、Rippleが抱える最大のジレンマについて話をします。

XRPの法的な定義ですね。

まず、先ほど、話したように、XRP=ブリッジカレンシーとして運用しても、銀行側は全く使ってくれません。ボラティリティが高すぎるからです。

デリバティブ金融商品のヘッジオプションを開発し顧客に提供し、顧客が直面するボラティリティリスクを抑える方法がありますが、それをやってしまうと、顧客側は、競合のSWIFTよりはるかに高い送金手数料がかかってしまうため、全く製品価値のないソフトウェアになってしまいます。



しかし、Rippleは、XRPのこのブリッジカレンシーとしての用途を放棄するわけには行きません。

もし、放棄すれば、米SECにXRP=証券である指摘され、XRPの存続は危うくなります。証券認定されるとBinanceやCoinbaseなどでは取引不可能になる可能性もありますからね。

ですから、XRPは、今、非常に厳しい立場に立たされているのです。

チーム分析

次に、チーム分析です。

まず、共同創業者で会長のクリスは、P2PレンディングのProsperや、オンラインレンディングの草分けのELoanを立ち上げた著名な連続起業家で、スタンフォード大のMBAを取得しています。

CEOのブラッドは、元HighTailのCEOで、彼もハーバード大のMBAを取得しています。

CTOのデビットは、Rippleを作ったプログラマの一人で、元WebMaster社のCTOです。

VP of Productのアミールは、元Googleのプロダクト・ディレクターです。

これに加えて500名以上の社員がいる巨大組織です。

素晴らしい人材を集めていますが、残念ながらここまで大きくなってしまうとDAOの開発でかなり出遅れるリスクがあります。

チームの実行力分析

次に、チームの実行力です。

先ほど指摘した通り、100社以上の銀行が使っているのは、XCurrentのみで、XRPは、ボラティリティ問題を抱えているため、全く使われていません。なので、実際の実績が全く積み上がっていないのがRippleの現状です。

トークン・エコノミー分析

次にトークン・エコノミーです。

XRPは、僕のポートフォリオ戦略の6つのカテゴリにはいずれも該当しないため、トークンエコノミーも概要するものはありません。

そして、もう一つ重要なことが、DAOのガバナンスですね。

ここは、米SECの動きが全て物語っていると思います。やはり、XRPは、Ripple Labsの支配力が大きすぎて、全くDAOの開発も進んでいません。

ハイプサイクル分析

最後にハイプサイクル分析です。

該当カテゴリは、ブロックチェーンベースのACH決済になると思います。銀行送金の非中央集権型モデルの仕組みです。DEXなどもここに該当します。

また、DAOも当然該当します。

ただ、XRPは、先ほど指摘したように送金システムとしては、直接競合の中央集権型のSWIFTにも全く及ばず、ブリッジカレンシーとしてのポテンシャルは、ステーブルコインのDAIには遠く及びません。更にDAOについても、500名以上の巨大組織をすでに作ってしまったため、対応がかなりMakerDAOなどに比べると相当苦労すると見ているため、ポテンシャルは低いです。

投資に関わる最終的な総合評価

そして、最終的な総合評価は以下の通りです。

まず、ペインポイントは1.0です。ブロックチェーンで本来淘汰されるべき銀行相手にプロダクトを立ち上げているため、率直に言って、ペインポイントそのものがきちんと定義できていません。

次に、プロダクトもXRPをブリッジカレンシーとして組み込むとほとんどほとんど使えないソフトウェアになるため、イーサリウムにおけるGASのモデルと比較しても、非常に市場価値の低いプロダクトになっているため、1.0です。

チームは、優秀なリーダー陣ですが、結果的に500名を超える組織作りをやってしまっているため、DAOの可能性を見出し難く、1.0です。

実行力に関しては、ターゲット顧客が銀行というのは間違っているものの、100社以上の銀行に使わせるところまで持って言っている点はある程度評価できるため、2.0としています。

トークンエコノミー は、僕のモデルに該当もなく、かつ、XRPは証券性の課題も抱えているため、1.0です。

ハイプサイクルも、ACH決済とDAOなど重要カテゴリは該当するものの、そこをやり切れる可能性は低いと評価しており、1.0です。

合計点は、7.0です。

僕の投資の最低基準は、25.0以上なので、残念ながら投資推薦はできません。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

注記:最終的な投資判断は自己責任です。

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