Helium(ヘリウム)のトークンHNTの投資分析・評価について

今日は、Helium(ヘリウム)のトークンHNTのファンダメンタル分析についてお話しします。

こちらの内容はYouTubeにもまとめています。日本語字幕付きです。合わせて参考にしてください。

早速、はじめていきましょう。

まず、僕のポートフォリオ戦略における、Heliumの該当カテゴリは3つです。

まず、個人のホームインターネットユーザーが自分のWifiルーターを他人に貸せるプロダクトを提供していているので、最も当てはまるのは、1. B2Cアプリと2.Decentralized CDNです。

しかし、間接競合のFileCoinやThetaの動きを踏まえると、BaaSとの接続性も分析の視野に入れる必要があると見ているので、5.BaaSも該当すると捉えています。

僕のポートフォリオ戦略について詳しく理解したい方は、僕の「ポートフォリオ戦略」に関するブログを参考にしてください。

分析視点は、いつもの6つの視点、つまり、ペインポイント分析、プロダクト分析、チーム分析、チームの実行力、トークンエコノミー 分析、そして、ハイプサイクル分析です。詳しくみてきましょう。

ペインポイント分析

一つ目、ペインポイント分析です。

ここは二つあります。

まず、現在のインターネットは、巨大インターネット企業によって支配されてしまっているという問題ですね。

現在のインターネットのインフラは、ほぼこの4社が独占しています。Google, Facebook、Amazon,そして、Appleです。

ブロックチェーンの重要ミッションの一つは、この独占状態を終わらせ、インターネットを完全に民主化することです。その目標をWeb3.0と業界では呼びます。

この実現する上で重要なテクノロジーの一つが、非中央主権型CDNの存在です。例えば、今なお「インターネットの影の巨人」と言われるアカマイ社は、世界のインターネットトラフィックの30%以上を処理していると言われています。このCDNの技術をブロックチェーンを利用したP2Pモデルで実現できれば、インターネット・インフラの民主化が実現できると言われています。

もう一つのペインポイントです。

5Gモバイルインターネットの技術では、分散型の通信システムが不可欠であると言うことです。

詳しくお話しします。

まず、今のモバイルインターネットは、全て5Gですね。5Gは、それまでの4G/LTEのモバイルインターネットに比べて5倍から10倍早いです。驚異的ですね。

その結果、モバイルインターネットの利用量も急激に拡大しています。

5G元年と言われる2020年時点で、すでに1.5倍のトラフィック増加になっています。

しかし、ここで理解をしてもらいたいことがあります。5Gと4Gでは、通信システムの構成が根本的に違ってきていると言う話です。

こちらを見てください。

それまでの4Gでは、巨大なアンテナ施設を作り、そのアンテナから近くにいるスマホユーザーに通信サービスを提供していました。

しかし、5Gのシステムアーキテクチャは正反対で、分散的なのですね。小型の高性能アンテナを様々なところに設置して、近くにいるスマホに通信サービスを提供しています。

なぜこうなるか?と言うと、5Gの電波は、4Gに比べて電波の発信力が弱いため、大型ビルや木を抜けることができず、また、雨天時などでも発信力が弱ってしまうのです。

ですから、その弱点を補うため、大量の5G対応小型アンテナを設置することで、5Gの利用というのは初めて実用的なレベルになると言うことです。

この点を踏まえると、次のことが見えてきます。

つまり、4G時代の大型アンテナではなく、5G時代では、小型のアンテナを大量に分散的に設置し保守するということはその分、人手がかかります。

ですから、一般個人が、自分のホームインターネット環境やモバイルインターネット環境で使っていない分を他のユーザーに共有することは、無駄なエネルギー利用を減らすことになるため、実は、SDGsにも合致したより地球環境に望ましいソリューションになると言うことです。

その上で、Heliumを理解する上でヒントになるのは、知る人ぞ知る「FON」のトークンエコノミー 版ということですね。僕もFONのルーターを家で利用していましたが、これは、基本、ボランティアによる外部提供です。しかし、ブロックチェーンが登場したことで、ボランティアではなく、仮想通貨を報酬としてもらえるシステムの提供が技術的に可能になりました。

そして、このCDN市場は、5Gの登場も受けて、順調に成長しています。2019年から2024年にかけて年率12.3%で成長している市場です。

この市場に、P2P型の新たな低コストソリューションを提供しているのがHeliumです。

プロダクト分析

では、これらの理解を元に、Heliumのプロダクトを見ていきましょう。

まず、詳細の分析に入る前に、Heliumのおさらいです。

2013年に、ショーン・ファニング、アミール・ハリーム、そして、シーン・ケリーの三人によって創業されました。

HeliumのWireless HotSpotは、15Wしか電力消費しないので、かなり環境に優しいデバイスです。そして、無線を飛ばす能力も非常に高く、このHotSpotを外部インターネットユーザーに提供しているホストは、その報酬をHNTトークンで受け取ることができます。そして、このトークンは、ビットコイン同様の供給制限型である点も投資の観点から魅力的です。

また、2014年に、シリコンバレーの著名VCであるコスーラベンチャーズ、ファースマーク、デジタルガレージなどから16億円の資金調達を実施しています。

次に競合と比較したバリューカーブ・プロポジション分析に移ります。

直接競合として、Theta Network、そして、BaaS系のFilecoinやBTTも入れています。また、モバイル系でDENTとBlueToothを使っているNodleも入れています。

まず、他のプレイヤーとHeliumが決定的に異なるのは、HeliumはHotSpotというハードウェアを一般ユーザーに提供している点です。つまり、ソフトウェア企業ではなく、ハードとソフトの両方を提供しているベンチャーです。

それがあるが故、ThetaやFilecoin、BTTと比べると、一般個人がもらえるインセンティブのレベルが大きいため、より普及力を持ったソリューションと捉えています。

一方、THETAやBTTは、ユニークなプロダクト戦略をとっており、自ら、YouTubeに相当するようなライブストリーミングサービスを提供しています。また、ユーザーは、自分の余っているネットワーク帯域を提供することで収益がもらえるだけでなく、広告をみることで、トークン報酬がもらえます。

更に、BTTの場合は、TRONに買収されたことで、BaaSであるTRONとのソフトウェア統合が進んでいます。この点は、Filecoinのプロダクト戦略と競合するポイントです。

最後に既存の通信インフラへの依存度ですね。低いほどより日中央集権的なP2P型CDNに近いと言えます。

このカテゴリで突出しているのは、Nodleで、彼らはスマートなどに内蔵されているBlueToothを使って、P2PのCDNを提供しようとしているため、あなたが持っているスマホ以外の外部の通信インフラには全く依存していません。ですから、最も非中央集権化が進んでいます。

しかし、BlueToothは、WiFiに比べると飛ばせる電話の量と範囲が狭いため、大量に普及させる必要があります。この点は、ホームインターネットのWiFiインフラをそのまま使えるHeliumの方が少ない普及台数でユーザーに効果を与えられるのでより有利ですね。

そして、もう一つ理解しておきたいのが、Heliumのプラットフォーム戦略です。

彼らは、自前で、Helium HotSpotというスマホで利用状況などもチェックできるハードウェアを販売しています。しかし、同時に、外部のメーカーにOEM提供しています。すでに、RAKというマイニングマシンのメーカーが、Heliumのソフトウェア技術を採用して、RAK HotSpotというWiFi製品をリリース済みです。

僕は、このプロダクト戦略は大変優れていると考えています。なぜか?

まさに、Google Android VS Apple iOSの競争に近いですね。スマホ市場シェアでは、AndroidがiOSを圧倒的に上回っています。

なぜか? Googleは自ら、Galaxy Nexusなどのトップクラスのスマホ製品を投入していますが、大半のスマホは、サムソンやファーウェイなど、他メーカーが自分たちで作って提供しています。一方、Appleは、iOSだけでなくスマホも全て自前主義です。結果、市場シェアでは、Androidが圧倒的に買っています。

これのプラットフォーム戦略をHotSpotの市場に当てはめるとどうでしょう?

Androidモデルの方が相性がよいですよね。なぜなら、P2P CDN市場は、普及の規模と範囲が大きいほど、ユーザーにとっては満足度が高くなるからです。世界中どこに行っても、HeliumのWiFiが使える。この方が圧倒的に便利ですよね。だから、僕は、彼らがOEMモデルを採用して事業を展開している戦略を高く評価しています。他にもHotSpotメーカーが出てくることに期待です。

チーム分析

次に、チーム分析です。

まず、創業者のショーン・ファニングは、インターネット業界では知る人ぞ知る天才プログラマの一人です。ショーン・パーカーと共にNapstarをソフトウェアを全て一人で作り上げ、タイム誌の表示を飾ったこともあります。

Winnyと同じP2PファイルシェアリングのNapsterの生みの親ですから、Heliumのプロダクトは彼にとっては、正にコネクティング・ドットと言えるベンチャーと言えます。

次に、もう一つの共同創業者のAmirは、CEOとやっており、Diversionという手ックスタートアップの共同創業者でCTOという連続起業家で、その前は、EAでリード・ゲームデザイナーなどをやっていました。マンチェスター大学でAIの学士号をとっています。

次に、CTOのマークは、直前は、Yahoo!でシニア・プリンシパル・エンジニアをやっており、その前は、ヒューレット・パッカード社でプロダクトディレクターをやっていました。

そして、BDのVPをやっているNedは、直前に別のテックベンチャーのOEM事業のVPをやっていたので、OEMビジネスに土地勘のある人材ですね。

もう一人のBDのVPであるMarkは、Bacho Technologiesのテックエバンジェリストをやっていたので、こちらもOEM事業を成功させるための開発コミュニティを活性化を専門としている人材です。

そして、もう一人の創業者のシーンですが、2014年に離脱しています。共同創業者が途中で抜けるアクシデントが起きているので、少しチームにダメージがありますが、全体的によいチーム構成だと思います。

チームの実行力の分析

次に、チームの実行力です。

まず、こちらはHeliumのHotSpotの数です。2019年8月にリリースして、ちょうど1年後の2020年9月に9,000台を超えています。これはかなり実行力ですね。

というのは、このHotSpotは現状全て、Heliumが自ら生産・販売しているこちらのHotSpotの普及台数です。1つ5万円試乗するWiFiルーターです。高めの値段をしていますから、この価格で、1年間で9,000台突破というのは、かなり実行力というのが、僕の評価です。実際、このHotSpot、今は、完全予約待ち状態なので、相当マーケティングが上手いと思います。

また、普及している地域ですが、彼らのサイトで確認できます。こちらにある通り、やはり、北米とユーロ圏がメインです。

トークン・エコノミー分析

次にトークン・エコノミーです。

該当するのは、Dapps、Decentrralized CDN、そして、BaaSの3つですね。ただ、基本、P2P型CDNを提供するB2Cアプリとして見ているので、Dappsがメインです。

最重要のネットワーク効果の分析をみていきましょう。

まず、自分のホームインターネットWiFIやスマホを外部ユーザーに提供して仮想通貨を稼ぎたいというユーザーの存在がスタートポイントです。

これで、ノード数が増えていきます。参加ノード数が増えるほど、Helium WiFiの接続性は良くなっていきますよね。

すると、より安い価格でのサービス提供がHeliumも可能になるため、コスパの観点からより優れた顧客満足度を提供できるようになります。

すると、Helium WiFiの利用ユーザー数が増えるため、WiFi提供者側のインセンティブをもらえる機会が増えるため、ノード数が更に増えます。これが第1段階の清張スパイラルです。

そして、第2段階の成長スパイラルが、HNTトークンの価値上昇で、重要な点は、ビットコイン同様の供給制限型になっている点です。

そして、ユーザーはHelium WiFiを利用する際に、HNTを購入して利用し、Helium HotSpot提供者はインセンティブとしてそのHNTを受け取ります。すると、この売買行為によって、HNTトークンの流動性が上がっていきます。すると、自ずとボラティリティは低下していきます。ボラティリティが低下すると、より多くの長期投資家がHNTの長期保有をしていきますから、結果的に、安定的な価格上昇を見込むことができるため、HNTトークンをインセンティブとしてもらうHotSpot提供者にとっては、安心してHNTのインセンティブをもらうことができるため、ノード数が更に増えることにつながります。

とてもよいネットワーク効果だと思います。

そして、最後にもう一つDAOですね。

Heliumはプラットフォーム系のプロジェクトです。すでに、EthereumなどのBaaSがDAOに真剣に取り組んでいる点を増えても早急に取り掛かる必要があるでしょう。

ハイプサイクル分析

最後にハイプサイクル分析です。

該当カテゴリは、ブロックチェーン・データ・エクスチェンジとDAOになると思います。いずれも超長期でブロックチェーン産業にとって非常に重要な役割であり、かつ、まだ黎明期に相当するため、潜在力は非常に高いと言えます。そして、Heliumは、ショーン・ファニングにとってコネクティングドットのプロジェクトであり、なかなかよいチームと、戦略で事業開発が進んでいるので、ポテンシャルは高いと思います。

最終の投資スコア評価

そして、最終的な総合評価は以下の通りです。

まず、ペインポイントは5.0です。インターネット・インフラの非中央集権化と、5G時代の分散型のWiFi環境は、ブロックチェーン市場にとって最重要ミッションの一つになるので、文句なしの5.0です。

そして、プロダクトも、さすが天才プログラマのショーン・ファニングが手掛けるテクノロジーとあって、ユーザー体験のレベルの高さも含めて、とても品質が高いと評価しており、4.5です。

チームは、共同創業者が抜けてしまったダメージのマイナス評価と、超トップクラス人材を揃えられているわけではない点を踏まえて、4.0です。

実行力は、リリース後から1年で、HotSpot9,000箇所突破というスピード感と、デバイス自体、予約待ち状態になっているモメンタムの力強さを見ても、ここは文句なしの5.0と評価しています。

トークンエコノミー は、HNTの供給制限モデルの採用を評価しつつも、実際のネットワーク効果が出てくるには、普及規模のクリティカルマスを超える必要があり、まだそのレベルには到達していない点を踏まえて、4.0です。

ハイプサイクルは、データエクスチェンジというまだ黎明期のカテゴリで勝負している点を高評価しつつ、DAOへの取り組みがまだ開始できていない点をマイナス評価して、4.0です。

合計点は、26.5です。

僕の投資の最低基準は、25.0以上なので、投資推薦可能な銘柄です。

DeFi市場に比べるとまだモメンタムレベルは劣りますが、いずれ大きな波がやってくる市場と見ています。

以上、みなさんの参考になれば幸いです。

注記:最終的な投資判断は自己責任です。

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